
少し前まで毎朝の朝食時にプロテインを飲む生活をしていましたが、もうフルマラソンで結果を残すための努力が必要ないということで、前回分を飲みきったところでプロテインのある生活を手放しました。ところが面白いもので、プロテインをやめてからのほうが上半身がしっかりしてきました。
上半身に筋肉が付いてきたのは、決してプロテインをやめたからではなく、そのタイミングでランニング量が減ったことが最大の理由だと考えています。筋肉が増えている根本の原因は倉庫でのアルバイトにあるのですが、しっかり走っていたときは、そこで付いた筋肉を有酸素運動で消費していたのでしょう。
有酸素運動となるランニングが減ったから、筋肉として残っているというのが私の推測です。もちろんプロテインをやめたことも影響しています。プロテインを摂取するというのはカロリー摂取でもあり、それだけ体重も脂肪もつきやすくなります。
有酸素運動をしているとはいえ、余計な脂肪も付いていたので、筋肉が付いているように見えなかったのも影響しているはずです。いずれにしても、50歳を前にして、いま自分の体としては最高の仕上がりになっています。それは見た目だけでなく筋力としてもです。
私がフルマラソンで自己ベスト更新を狙うのをやめようと考えた理由のひとつが、ランナーは大きな災害が起きたときに何の役にも立たないと感じていたためです。たとえば大震災が起きたとして、長い距離をそこそこのペースで走り続けることは誰の役にも立ちません。
それよりも重たいものを持てるような筋力のほうが重要になります。腕力のないランナーに助けられない命を、筋力のある一般人なら救えるかもしれない。そう考えると、筋肉を含めて限界まで体重を落とすランナーであり続けてはいけないなと。

今の私もそれほどパワーがあるわけではありません。倉庫での仕事が3日続くと体がボロボロになります。ただ先日、コンテナの中に入って30kg近くある商品を、100個以上も下ろす仕事をしていたのですが、問題なくこなすことができました。
これくらいまでできるようなら、大災害が発生したときに、私にもできることが出てくるはずです。そして、何よりも1日8時間以上作業を続けられる体力もあります。理想にはまだまだ遠いものの、ようやく目指した体のベースはできた気がします。
ここから、どのような体を目指すのかはまだ決めていませんが、ムキムキになるつもりはありません。いくら筋力を付けたところでランナーであることには変わりありません。力仕事だけなら私よりも適した人は無数にいて、作業そのものはその人たちに任せればいいんです。
すべてを完璧に仕上げる必要はなく、何でもそつなくこなすオールラウンダーであればいい。それが私のスタンスです。100kgの荷物を持ち上げられなくても、ちょっと重たい荷物を運べればOK。ただ、1回ではなく何時間も継続できる。それだけで存在価値は高まります。
そんな準備をしていても、実際に被災するとは限りません。でも、それは運が良かっただけ。備えあれば憂いなし。必要になったときに、「ちゃんと鍛えていればよかった」と後悔するなら、「鍛えても意味なかったな」と思うほうが100倍ましです。
とはいえ、いつまでも鍛えきった体でいられるわけではありません。筋力はいずれ確実に落ちていきます。そういったときに自分にできることは何なのか。どのようなスキルがあれば、誰かの役に立てる自分でいられるのか。悩みは尽きませんが、しばらくはこの体をもう少し鍛え上げるとしましょう。
