無料:情報もエンタメも対価を支払う

WBCの放送がNetflix独占となったことで、試合を見られない人が少なくなく、それに対して不満の声も聞こえてきます。私は勝敗は気になっても試合を観るほどの余裕がないため、Netflix独占でもそうでなくてもいいのですが、この騒動そのものを面白く感じています。

観たいならNetflixに加入する。本当はそれだけのこと。読みたい本があるなら購入する。観たい映画があるなら映画館で金を払って観る。それと同じことなのですが、これまで無料だったものが有料になったり、自分で加入できない人が置いてかれたりすることで、さまざまなところで議論が湧き上がっています。

そもそもテレビというものがとても特殊で、誰が考えたのかは知りませんが、コンテンツを作るのに広告を出してくれる企業を募り、企業の広告宣伝費で製作する。これは本当によくできている仕組みで、テレビが普及した大きな要因でもあります。


ただ、私たちはお金を払ってコンテンツを消費するということもやってきました。それがNHKなのですが、NHKが複雑なのは、受信機を持っていると視聴しようがしまいが毎月お金を徴収されるということ。ただ、基本的な考えとしてはNHKがコンテンツを直販しています。

強制であることを除けばNHKもサブスクと同じで、すでにインフラとして成立しているから「NHKでしか放送しないなら加入してまで視聴しない」という話にはなりません。それはともかく民放の存在により、映像コンテンツは無料であるという考えが、一定の年齢以上では染み付いています。

でも、実際のところは無料ではなかったということに多くの人は気づいていません。テレビCMの影響は絶大で、CMを見たから購入したという経験は多くの人がしているはずです。テレビ番組の制作費は企業が出していますが、その企業は視聴者からモノやサービスを購入してもらうから成立しています。

いや、自分はCMなんかでモノを買ったことは一度もないと言う人もいるかもしれません。断言しますが、そう思っている人が1番テレビCMや情報番組、ドラマなどの影響を受けて消費活動を行っています。ただ気づいていないだけ。

別にそれが悪いという話でもありません。それがこれまでのコンテンツ配信のあり方だったというだけのことで、そしてこれからはそのあり方に加えて、配信サービスに直接お金を払うという選択肢が増えただけのこと。お金の払い方を選べるわけです。

個人的には配信サービスのほうが健全かなとは思います。悪く言えばテレビは知らず知らずのうちに「洗脳」されてしまいます。それがメディアの力なのですが、購買意欲を高めさせられたり、旅に出かけたくなったり、アイドルを推したくなったり。自主的な行動だと思っているけど、実は動かされていることが少なくありません。


それも否定したいわけでなく、私個人としてそれを気持ち悪い、もしくは不気味だと感じているというだけのことです。NetflixやDAZNなどの配信サービスに加入すれば、自分の好きなコンテンツを選んで視聴できます(そもそも「好き」がメディアによる影響だというのはここでは無視するとして)。

もちろんそれにも弊害があります。好きなもの以外に視界に入らないから知見が広がりにくく、狭い世界で生きていくことになります。だからどちらがいいというわけではなく、使い分けることが求められるだけのこと。そして情報やコンテンツは無料でないと認識すること。

資本主義社会において、完全に無料なものなど何もありません。お金を払っている認識があるかないかの違いだけ。どうせ払うなら、知らず知らずではなく、意識して払いたいというのが私の考え方。だから思うわけです。WBCを観たいならあれこれ考えずに加入すればいいと。そして終わったら解約すればいいだけのことです。

著:波田浩之
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