
SNSで「なぜこのタイミングでガソリンの値段が上がるのかわからない」というニュアンスの投稿をしてインプレッションを稼いでいる人がちらほら。別に誰が何を投稿しようと構わないのですが、それなりに影響力もある人がそれを投稿していると、何とも言えない感情になります。
いま販売しているガソリンはもっと前に仕入れた原油だから、価格を上げるタイミングが早すぎるというのがその投稿で主張したいこと。そしてそれに対して、投稿者のファンたちが「そうだ、そうだ」と声をあげる。便乗値上げだと騒ぐ。
なんとも言えない気持ちになるのは、投稿した人は、実際のところガソリンの値段なんてどうでもよくて、自分の投稿が世の中の声を代表していることに酔いたいだけということ。そして何よりも、ガソリンの値段が上がる理由なんてちゃんと認識していること。
「いや、本当に疑問に感じているのだが」という人がいたら、目の前にある四角い板で調べればいい。5分もかけずにその理由がわかるはず。そして調べなくても少し考えればわかりそうなものです。このタイミングで値上げするのは在庫を確保するためです。
値段が上がれば給油する人が減ります。車移動の回数を減らそうとする人も出てきます。それにより、ガソリンの在庫がどんどん減っていくのを防げます。そうすることで、本当に必要なところにガソリンを用意できる(インフラ企業としての義務を果たせる)というわけです。
でも必要なところは高値で買うことになり、収益が悪化するじゃないかというかもしれませんが、現状で誰もが痛手を負わない選択肢なんてありません。ガソリンの値上げをせずにいままでどおり消費していったら、そもそもガソリンが足りなくなって本当に必要なところで不足します。

ゼロになるのか高くても手に入るのかではまったく状況が異なります。社会全体を考えたときに、どちらがいいのかを判断したら、高くても手に入るほうがいいという判断をした(実際には「判断せざるを得なかった」ですが)。いや、そうしなくてはいけなかったというのが実情でしょう。
そして、そんなことは私が説明するまでもなく、誰でも考えればわかることで、なのに「なぜ上がるのか」なんて投稿するのは、本当に疑問に感じているわけではないことを意味します。本当に疑問なら考えればいいし、調べればいい。
そうでなくて投稿したというのは、注目されたいだけ。もちろん、すべての人がそうだというわけではありません。影響力もそこまでではない一般の方が呟いたところで、誰も注目しませんし、その投稿がその人にとってマイナスにしかならないので。
賢いとされる人、尊敬されているような人がやるのを、私がさもしいと感じているだけのこと。もし、小説家がそんなことを投稿したら、その小説家の人気はあっという間になくなっていくはずです。大学教授ならその地位を失いかねません。
バカなふりをしているようで打算的。こういうのが一番かっこ悪い。それなのに実際には賢いとされている人が「値上げが早すぎる」と投稿し、ファンが持ち上げる。SNSのネガティブな部分が出すぎています。みんな踊らされているだけなのに。
繰り返しますが、そのような投稿をしている有名人は誰ひとりとしてガソリンの値上げに困っていません。そして困る人のことを考えて憂いているわけでもありません。運送会社やタクシー会社で働く人たちの悲痛な思いとは違うことを理解しておく必要があります。
