
「なぜできないの?」というのは、部下のいる社会人なら誰もが口にしたことがる言葉かもしれません。なぜそんな簡単なことができないのか。誰でもできることなのにどうして失敗するのか。1回や2回ならともかく、何度もそれを繰り返されて、堪忍袋の緒が切れる。
もちろん私も経験があります。なぜちゃんとやってくれないのか。北海道時代の半年で、何度口にしたかわかりません。そんなことをしても意味ないことはわかっているのに、思い通りに動いてくれないことにイライラ。その度に組織で働くのは向いていないなと。
社会人になって理不尽だなと思うのは、常に100点満点でなあといけないということ。学生時代のテスト結果が95点なら、それだけで自慢したくなります。オール80点ですべてA評価というのも優秀だとされます(大学時代の私がこれ)。
でも95点というのは、社会においてミスする確率が5%ということになり、「あの人はミスが多い」という評価になります。組織で働くときには、ひとつのミスも許されない。たったひとつのミスで、罵声を浴びせられる職場もあります。
でも、人間はミスをします。みんなが100点を取り続けられるわけではなく、むしろ100点なんて人生で1度あれば優秀。世の中には赤点を取り続ける人もいます(高校時代の私がこれ)。そういう人も含めて組織。そして、できるだけ優秀な人を集めるために採用試験を行います。
ただ、今は多くの職場で派遣社員や短期アルバイトを採用しています。そのような人を雇う場合、面接をすることもなく、ただ受け入れるしかありません。その人が優秀な場合もあれば、いわゆるポンコツな場合もあります。それが現代の組織が抱えるリスク。

2桁の足し算や引き算を間違える。そういうレベルの人は意外と多く、むしろ日雇いで働いている人に限定すれば、かなりの割合で存在します。そういう人もいることを想定して受け入れる体制を作る必要があるわけですが、それでもミスが起こるのが仕事の面白いところ。
人間は必ずしもミスをする。だからといって、ミスを減らすための努力が必要ないわけでもなく、対策だってやれることはすべき。その上で、さまざまなミスを想定しておくか、その場で臨機応変に対応してリカバリーできるようにしなくてはいけません。
ただ、言うは易く……であり、そんなことをできている人を私は見たことがありません。言うまでもなく私もできていません。ただ、アルバイトをするようになって、少しは上手くなったような気がします。それは技術的なところではなく、立場が影響しているのかもしれません。
上手くいかないことにイライラするのは、そこに責任があるから。「なぜできないの?」そう思ってしまうのは、きちんとやってくれないことが、業績に影響を与えたり、顧客満足度を下げる可能性があるから。でも、アルバイトの立場なら、「そんなの関係ねぇ」なわけです。
仕事が上手く回ろうが、グダグダになろうが私の時給には何の影響もありません。むしろグダグダになったほうが、たっぷり残業できて、自宅作業の日を増やせます。でも、責任がないから周りにきちんとやってもらおうという気持ちも薄く、むしろできないことを前提に依頼する。
その結果、イライラしないし圧もかけないで済むから、気持ちよく働いてもらえて、反対にスムーズに仕事ができる進みます、もちろん、尻拭いもありますが。でも、それくらい肩の力を抜いたほうがいいんだなとは思います。力を入れすぎて本領発揮できないのは、仕事もランニングも同じです。
