腹圧:ランニングの基本は薄いお腹を維持することにある

速く走れるようになりたいという依頼があって、パーソナルトレーニングのレッスンをしてきました。パーソナルトレーニングの依頼で「速くなりたい」という依頼は珍しく、私の場合は膝の痛みやフルマラソン完走という相談がほとんどです。

膝のトラブルの場合、原因はほぼはっきりしているので簡単に対応できますが、速くなりたいというのはなかなか大変です。たとえばサブ3を達成したいという場合、走りそのものは問題ないことがほとんどで、どちらかといえばメンタルの改善が必要になります。

その場合、「気持ちを強く」と言っても効果はありません。だからちょっと違う方向からアプローチする必要があり、そのアプローチにより「いけるかも」と思ってもらうことが大切になります。よく使う手法としては「2〜3kg体重を落として」というアドバイス。


これはかなり効果が高い方法で、3時間5分以内で走っている人なら、高確率でサブ3を達成できます。痩せることによる効果が最も大きいのですが、「走り」以外のところでこれまでと違うことをするので「これはいけるかも」と感じてもらえるためです。

初心者が速くなるという場合は、ランニングを理解していないケースがほとんどです。今回ものそのケースで、「走るとは」について自己流で解釈しているので、間違った走り方をしてしまいます。ちなみに「間違った」というのは、タイムを出すうえでの話です。

本質的な部分において、間違った走りというものは存在しません。どう走ろうが、両足が浮いている瞬間があるなら、それはランニングであり、それを否定や批判する理由などどこにもありません。ただ、ベクトルが定まっている場合、ある程度の正しさというのはあります。

学生時代に運動部に所属していなかった人ほどこの傾向が強く、典型的な例としては足を重心よりも前に着地してしまうというもの。走りたいから足を前に出す。それがブレーキになってスピードに乗れないでいる。フルマラソンを5時間くらいで走る人がこのタイプ。

さらに、走るということで意識が足にだけいっているタイプで、上半身がただの錘になっていて、下半身とまったく連動していないから走りが重たくなる人もいます。このタイプの人たちは、腹圧をかける姿勢を提案し、実践してもらうとわかりやすく表情が変わります。

走りが軽くなって、「これがランニングか!」という驚きが顔に出るので、こちらとしても嬉しくなります。腹圧をかけて走る。これは私がピラティスを取り入れたときから意識していることで、今では寝ている時以外はずっと腹圧をかけています。


腹圧をかけることで何が起きているかというと、体の軸がしっかりしてブレがなくなります。これだけのことなのですが、人によっては走りが劇的に変わります。正直なところ、多くの人はこれだけでレッスンを終えてもいいと思えるほど変化があります。

でも、このことを教えている人はあまりいません。理由は分かりませんが、走れる人にとっては当たり前のことすぎて気づかないのかもしれません。ただ、腹圧をかけるというのはあらゆるスポーツにおける基本であり、体育の授業で最初に教えるべきことです。

すべての日本人が知っておけば、この国から腰痛が激減しますし、あらゆる競技の底上げが行われます。それなのにあまり広まっていない。これを読んでいる人は騙されたと思ってやってみてください。おへそを軽く肩甲骨に向けて引き上げる。それをずっと維持するだけですから。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次