
ラン仲間のナベくんのお誘いで、何十年かぶりにJリーグを観てきました。埼玉スタジアムで浦和対広島。埼玉スタジアムはワールドカップ予選で何度も訪れていて、なおかつ少し前にランニングの取材に来ていたので、そこまで久しぶりではありませんでしたが、レッズサポーターで埋まる埼玉スタジアムは初めてのこと。
浦和は私が学生時代から熱い声援が魅力のチームで、熱さゆえにこれまでトラブルも起こしてきましたが、それさえもレッズの魅力。統率された応援は、スポーツ応援の域を超えた、文化やアートに近い完成された美しさがそこにはありました。
それに対してレッズのサッカーが未完成すぎて、そのコントラストは興味深いものでした。私のイメージとしては、浦和は圧倒的強者。世代は変わって、ほとんど知らない選手ばかりになっても、風格のようなものを感じました。でも、それにチームの完成度が見合っていない。
それに対して広島は、とにかくチームの連携が素晴らしく、それでいて決まった動きというよりは、多くの選手が即興でプレーしているように見えるから、プレーの選択肢が意外すぎてワクワクさせられます。プレーは雑なところがありますが、それさえ即興でカバーし合う。
この試合がたまたまそうなっただけかもしれませんが、浦和は最新のトレンドを意識したサッカーをしており、未完成ということで、クリエイティブなサッカーをしている広島に翻弄されている。そんな構図が90分間も続きました。
そして結果は1-4で広島の勝利。サッカーは強いチームが必ず勝つというわけではないのですが、今回はチームの完成度の差が得点に現れました。浦和が何もできずに一方的に負けてしまう。かつて最弱と言われていたチームではなく、風格は漂っているのに。

サッカーというのは面白いスポーツだなと、あらためて感じました。5万人近い観客がスタジアムにやってくる。それも野球と違って毎日のように試合が行われるわけではないのに、熱狂的にチームを応援する人たちがいて、チームも時代の流れの中で強くなったり弱くなったりする。
そして、それぞれのチームのカラーというものが紡がれている。選手は変わってもチームというものは存在し続けて、前の世代からきちんと受け継がれるDNAがある。それゆえに応援が熱くなり、スタジアムが熱気に包まれていく。
かつて自分もその世界に身を置いていた。それはとても不思議な感覚でもあります。Jリーグでプレーするのは無理だと分かっていながらも、どうにかしてその世界で生きていこうともがいていた30年前の私。ところがいつのまにか、身を置く場所が違う競技になっていました。
今でも時々、ボールを蹴るイメージが浮かんできます。もう10年もサッカーボールに触れていないのに。それくらい体に染み込んでいたのに、完全にその世界から離れていて、そしてこのタイミングでまた出会ってしまいました。あらゆるものに意味があるなら、これもまたひとつの転機なのでしょう。
サッカーから随分と離れていたのに、試合を観る感覚は変わっていませんでした。かなり俯瞰した場所から見れたというのもありますが、むしろかつてよりも観察眼は上がっていて、たくさんの情報を得られるようになっていました。だからこそ、まだサッカーに希望を感じました。
これ以上やることを増やせる気はしませんが、サッカーに関わる未来があってもいいのかなと。どのような形になるかは分かりません。でも、思ったほど感覚は錆びておらず、やれることがありそうだなと。最優先がランニングであることには変わりありませんが。
