ライターの仕事は基本的に365日休みがありません。休みは自分で決められるというのもあるのですが、自分でサイトを運営していると作業をしない日は基本的に1日もありません。それを大変だと思ったことはありませんし、「こんなにも働いている」とマウントを取りたいわけでもありません。
ただ、それを可能にしているのは、ライティングが心身ともに負担が少ない仕事だったからだと、日雇い派遣で仕事をするようになって気づきました。立ち仕事を5日続けて行うと、仕事内容によっては体がボロボロになります。1晩寝たくらいではリカバリーしきれません。
もちろん睡眠不足は絶対にNGで、6時間睡眠が最低ライン。できることなら9時間くらい睡眠時間が欲しいところです。そこまでしても週休2日が理想なのですが、人類の歴史を考えると、人間は毎日働いてきたわけです。少なくとも農耕民族の日本人に「休み」という概念はなかったはずです。
あえて休みがあるなら、雨の日くらいでしょうか。晴耕雨読という言葉がありますが、外が晴れていれば働くわけです。それが人の営みというものだったはずで、それに対して好きも嫌いもなく、それが生きていくということだったわけです。なのにいつのまにか私たちは、働くことを嫌い始めました。
仕事は大変なもので、適度に休みを入れないと心身ともに悪い状態になる。それに対するエビデンスもあるのでしょう。ただ私がフリーランスになって9年間、基本的にはずっと仕事を抱えている生活をしてきましたが、北海道時代以外は健康そのものでした。
反対に北海道時代は体調を崩したわけですが、それは過労が原因でした。ライティングは1日16時間やっていても何ともないのに、北海道では同じくらいの労働時間で限界を超えました。この2つにどんな違いがあるのでしょう?考えられるのは自分が主体かどうかということ。
ライティングの仕事はクライアントがいるものもありますが、スケジュールなどは自分で決めます。自分が主体になって仕事をするから、生きることが生活になります。でも、正社員でもアルバイトでも、誰かの指示に従って働け場合には、どこかで「自分」を取り戻さなくてはいけないのかもしれません。
ただ、仕事が大変なもの、できればやりたくないものだという考えに関しては1ミリも同意できません。アルバイトをし始めて感じていることですが、私は働くことが好きで、より良い成果をあげることに喜びを感じます。それはマラソンで速く走ったり、サッカーでいいプレーをするのに似ています。
仕事の場合は目先の仕事を上手くやるというのもありますが、私が重視しているのは「クライアントに喜んでもらう」ということです。「またお願いします」と言ってもらえる、他の人とは差のある仕事をすることに対して喜びを感じます。だから手を抜くとか雑な仕事をする人の気持ちがわかりません。
先日、ある仕事をしているときに担当者が現場を離れたタイミングで、自分の範囲の作業が終わってしまうということがありました。初めての現場だったので、勝手に判断せずに担当者を待っていたら、同じエリアで作業をしていた人に「この部分もやってくれないと、私の負担が大きくなる」と言われました。
誰もどの範囲を作業するかはどうでもいいことなのですが(担当者が戻ってきそうにないので言われた通りに作業しましたが)、「私の負担が大きくなる」がずっと引っかかりました。本来なら「ここもやってくれる?」でいいはずです。でも、手を止めている私を見て、イラッとしたわけです。
その根底にあるのは「できるだけ楽したい」という発想なのでしょう。日雇い派遣で働いていると、そういう人が多数派だということに気づきます。できるだけ楽な仕事をやろうとする人がほとんどの世界。きっと仕事の楽しさ、働くことの気持ちよさを知らないのでしょう。働くことはこんなにも楽しいことなのに、もったいないなと。