中国SIMの必要性と入手方法:携帯電話番号がないと何もできない

北京にいるときから中国の携帯電話番号が重要だということを、Xにポストしたり、このブログに記載したりしましたが、しっかりとまとめたものを北京旅人の記事にするために、ここで情報をまとめながら自分の頭の中を整理していこうと思います。

とはいえ、これから中国に旅行や出張で行くことになる人にとっては、それなりに役立つ内容になっていますので、ぜひ参考にしてください。中国なんて行かないよという人も、どこかで使えるかもしれない豆知識ですので、ぜひ読んでみてください。

目次

アフターコロナの中国では携帯電話番号が必須な理由

2019年までの中国は、香港SIMを購入してインターネットにつなぐというのが主流でした。その前はVPNを使っている人もいましたが、香港SIMでまったく問題ないので、リスクが高く安定性のないVPNは海外旅行者にとって、すでにオールドテクノロジーになります(中国在住者には必須)。

ちょうど2019年前くらいから、携帯電話キャリアが海外でのカケホーダイのようなサービスを始めたのもあり、そちらを使っている人も増えつつありましたが、ちょっと割高なので、自分でSIMの設定や管理ができないという人向けのサービスという位置づけになります。

中国SIMを使わないのかというと、中国の通信業者のSIMは金盾と呼ばれる仮装壁によって、さまざまなサービスが遮断されているためです。たとえば中国回線ではYouTubeを見ることができません。LINEも使えなく、メールも送受信できないこともあります。

要するに中国SIMなんて購入する人はいませんでした。ところがアフターコロナの2023年に中国に行ってみると、状況が大きく変わっていました。通信のために香港SIMが必要だということは変わりませんが、中国の携帯電話番号がないと何もできないんです。

  • 地下鉄QR決済
  • 頤和園や故宮などの予約
  • 便利なアプリの登録
  • タクシーの予約
  • 出前の注文

これらはいずれも中国の携帯電話番号がないとできません。地下鉄に乗るたびに窓口で行き先を告げて切符を買うことは本当に面倒です。そして何よりも定番の観光スポットの予約ができません。人気スポットでなければ、当日に行って受付の人に「携帯電話番号がない」と伝えて何とかしてもらうことはできますが、故宮は60分以内に売り切れます。

さらに、マップアプリはログインしないと広告だらけだし、グルメアプリも使い勝手が悪いので、ほとんど役に立ちません。でも、中国の携帯電話番号があればこれらは解決します。

中国の携帯電話番号付きSIMを日本で入手する方法

中国の携帯電話番号を取得するなんてハードルが高そうという人もいるかもしれませんが、実際にはそこまでハ難しくありません。なぜならamazonで中国SIMを購入でき、それをスマホに差し込めばすぐに携帯電話番号を手に入れることができるためです。他にもSMSだけできるサービスもあります。

  • Amazonで中国本土SIMを購入する
  • チョコSIMを契約する
  • eSender(易博通)を契約する

この3つが現時点での最適解だと思います。それぞれの特徴について見ていきましょう。

Amazonで中国本土SIMを購入する

1度中国に行ったら、そのあとしばらく行く予定がないという場合には、Amazonで中国本土の現地電話番号付きのプリペイドSIMを購入してください。ここで注意しなくてはいけなのが、「香港SIMではなく中国SIMであること」です。

香港SIMも必要になりますが、香港SIMでは中国本土の携帯電話番号を入手できません。必ず「現地電話番号付き」を購入してください。価格は3,000円くらい。容量は気にする必要はありません。中国SIMの通信でできることは限られてしまうので。eSIMと物理SIMがありますが、iPhoneなどのeSIMに対応しているスマホならeSIMにするのがおすすめです。

購入したら、あとは中国国内でアクティベート(開通)するだけです。SIMを交換すれば自動的にアクティベートするので特に何かをする必要はありません。基本的には期限付きの電話番号ですので、使い終わったらWeChatやAlipayに登録している電話番号を日本の番号に戻しておきましょう。

チョコSIMを契約する

私が契約したのはチョコSIMというサービスで、中国の通信業者チャイナユニコムの子会社でもあるチャイナユニコムジャパンが 運営するモバイルブランドです。日本にいながら、中国の通信回線の契約ができます。プリペイドSIMと違って、解約しない1年間ほど電話番号が維持されます(1年後は解約しない限り6ヶ月自動更新)。

もちろん毎月の費用がかかりますが、1ヶ月で498円しかかかりません。これで中国の携帯電話番号を持てるなら安いものです。しかもeSIMにも対応しているので、私は北京にいながら契約でき、現地で開通作業までできてしまいました。

物理SIMは楽天市場やAmazonでも販売しています。こちらも容量は必要ないので、Sプランでまったく問題ありません。ただ、何度も中国に行く人向けのサービスですので、本当に契約するかどうかはよく考えてください。私は少なくとも年2回ほど北京に行くので、迷うことはありませんでした。

eSender(易博通)を契約する

eSender(易博通)はちょっと変わったサービスで、中国本土の携帯電話番号をもらえますが、通話はできません。通話はできませんがSMSは利用できるので、認証コードの受け取りなどは問題なくできてしまいます。実際に使っていないので詳しくはわかりませんが、WeChatのメッセージでSMSを受け取れるのだとか。

iPhoneもAndroidも専用アプリがあるので、そちらを使ってSMSを受け取ることもできます。ただ、観光スポットの予約ができないという口コミや、デリバリーの注文に使えないといった噂もあるようなので、あまりおすすめはしません。こういうサービスがあるということを覚えておくだけでOKです。

香港SIMは別途用意しよう

すでにお伝えしていますように、中国本土の携帯電話番号がついている回線はVPNを使わないと日本で使っているインターネットサービスの半分近くを利用できません。このため香港SIMも別途購入しておく必要があります。こちらはそれなりの容量が必要です。

スマホのみ:1日1GB
スマホ+PC軽作業:1日2GB
スマホ+PC重作業:1日3GB

これくらい消費すると考えてください。私は7日間で12GBのSIMを2枚購入しています。中国から戻ってきたら12GBが15GBに増量されていました……まぁ24GBを使い切らなかったのでいいのですが。途中で使えなくなるのは困るので、少し余裕を持って購入するのがおすすめです。

基本的にはこのSIMをメインで使い、日本の回線を副回線にしていました。日本の携帯電話番号に電話がかかってくる可能性があったので。ただ、チョコSIMをアクティベートしてアプリの設定をするときだけ、日本の携帯電話番号をオフにして、チョコSIMを副回線にしました。

設定が終わったら日本の携帯電話番号に戻します。eSIMにしておくとこういう作業が楽でいいです(チョコSIMも楽天回線もeSIMにしています)。こんな感じで中国の携帯電話番号を入手できます。お金はかかりますが、仕方ないです。中国で携帯電話番号がないとあまりにも不便すぎるので。

おそらくこの状況はしばらく変わらないと予想されます。ですので、改善されるのを期待するのではなく、あらかじめ中国の携帯電話番号を取得したうえで中国に行くのがおすすめです。

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