万里の長城マラソンが紹介されているということで、普段まず買うのことのない雑誌「Safari」を購入しました。わたしの勝手なイメージですが、Safariはちょっとだけ道を外れたい大人の男性の雑誌でした。
ところが雑誌を開いてみると、昔懐かしいPOPEYEの雰囲気が漂っています。
「これは絶対買いでしょ!?」
「ロマンチックな夏も夢じゃない!」
POPEYEと違うのは並んでいる商品の値段が1桁多いといったことでしょうか。よく考えてみれば、Safariの購読者はみんなPOPEYE世代なわけです。
若いころは気づきませんでしたが、この手の雑誌は基本的にはカタログなわけです。購買意欲をいかにしてかき立てるかが重要で、その内容はそれほど重要ではありません。
別にそれが悪いと言っているのではなく、こういう雑誌がいまでも生き残っていることにただ驚いています。これだけ情報入手が簡単な時代においてファッション雑誌が売れているという事実。
物書きとして生活しているのにこの業界のことはまったく疎く、Safariが日本で一番売れているメンズのファッション雑誌だということはつい最近知りました。発行部数は19万部ですので、返品率が40%なら11万人が購入しています。
ということは11万人が万里の長城マラソンの存在に気づいたわけです。その中にランナーがどれくらいいるかは別として、かなりの広告効果です。
ちなみにSafari1ページに広告を出そうとすると定価で160万円かかります。万里の長城マラソンは別紙だったとはいえ、1/2ページですので80万円くらいの広告なわけです。もちろん1円も出していません(1時間くらい捧げましたが)。
わたしもPOPEYE世代です。高校大学くらいまではファッション雑誌を発売日に購入して、隅から隅まで読んでいました。それをしなくなったのはいつ頃からでしょうか。
気がつけば地下足袋を履いたり、みんなが「変な服装」と笑う服を自分の感覚で選ぶようになっていました。間違ってもファッションセンスがいいとは言えないわたしですが、個人的にはこれでいいと思っています。
良いか悪いかは別として、わたしは目立ってなんぼな働き方をしています。一度会ったら忘れられない人であることが、次につながります。そういうとき内面はもちろん大事ですが、見た目もかなり重要です。
そういう意味では河童の被り物にも意味があるわけです。一度会えば「あのときの河童」になるわけですから。わたしなりのファッションも河童もセルフプロデュースの結果です。
そうした自分なりのスタイルが見えだしたころから、どこかでファッション雑誌が自分にとって参考にならないことに気づいたのでしょう。
そして遅かれ早かれみんなそうなるもんだと思っていました。でも、40代になってもファッション雑誌を必要とする人が現実としているわけです。そして1枚数万円もするシャツを買っていきます。
少なくとも自分の周りにはそういう人たちはいない気がします。わたしがファッションに疎すぎて、こだわりに気づけていないだけかもしれませんが。
いや、きっとそうなのでしょう。周りの人はトレンドを取り入れたおしゃれをしているのに、わたしはそれにまったく反応できていないわけです。そう考えると申し訳ない気がしますが、いまさらファッションに気持ちを注ぐ気にはなれません。
誰もわたしにそういう部分を求めてはいないでしょうし。
ただわたしは何も知らないのだなということを感じずにはいられません。世の中で知らないことのほうが多いわけです。興味のあるところにはどんどん入っていくのに、そうでないところは完全にほったらかし。
あれもこれも手に入れるのは無理なのでそれでいいとは思いますが、そうすると会える人というのも偏ってしまいます。会社員ならいろいろな人に嫌でも接することになります。趣味や価値観がまったく違う人が隣の席にいたりします。
ところがわたしのような個人事業主は、会う人がかなり偏ります。わたしは基本的に好きな人にしか会いませんので、違う世界の人たちとの接点がほとんどありません。
その点に関してはもったいないなとは思いますが、世界中の76億人と繋がれるわけでもありませんし、これもひとつのスタイルです。
こんなわたしだから会ってくれる人もいるわけですから、自分らしいスタイルを積み重ねていけばいい。そう自分に言い聞かせておきます。
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