関東の台風、少なくとも神奈川の山の麓では数時間強く風が吹いただけで終わりました。これから西日本に向かう途中で大きな被害にならないことを願いつつ、自然だから願っても祈っても仕方ないのだと思ったり。
こういう状況でイベントを中止にしたり、時間を短縮して開催したりと、マラソンやそれ以外のイベントでも主催者側の対応がかなり大変だったかと思います。
マラソン大会ですと、中止にすれば「お金を返せ」なんて言い出しますし、それを嫌って無理に開催すると今度は「危ないじゃないか」と言われます。どんな世界でもイレギュラーなことが起きたときに、八方美人になるのは無理な話です。
出来ることと言えば、全方面に向かってごめんなさいと言うくらいしかできません。背中を向けた瞬間に刺されないように気をつけながら。
ちょうど1週間前には福井の花はす早朝マラソンが酷暑で中止になりました。なんと参加者全員に町の職員が電話で中止を伝えたそうです。こういう誠意ある対応をしてもらえると、ランナーとしては納得しやすいものです。
ちなみに花はす早朝マラソンは6時スタートの大会。来年はもっと早くスタートして暑さを回避するのだとか。そういう思い切ったことをする大会があったほうがいいですよね。運営側の負担はかなり大きくなりますが。
マラソンなんて命がけでするようなものではありません。それで食べていくトップアスリートは別にしても、わたしたち市民ランナーは人生を豊かにするために走っているはずです。
豊かさの位置づけが人によって違いますが、共通するのは健康であることではないでしょうか。まずベースにあるのは健康で自分の意志で運動できる身体です。
まれに命を削るような追い込み方をする人もいますが、それはその人にとっての豊かさがその先にあるのでしょう。でもやっぱり多くの人にとって大事なのは、今日も明日も笑って過ごすことです。
そのためには無理をしないというのはとても重要です。
ただ、多くの人は無理のラインが分かりません。全然余裕なのに白旗を揚げる人もいれば、完全に許容量をオーバーしてから手を挙げる人もいます。こういうのは何度も失敗した人でないと分からないのかもしれません。
昨日のブログにも書きましたが、やっぱり失敗を経験することはとても大事です。万里の長城マラソンに出てくれているランナーさんの1人が、失敗することを目標に新しいことにどんどん挑戦するためのリストを作っています。
これは本当にすごいことだし、こういうことを学校で教えるべきだと思うのですが、意図的に失敗する。できないと分かっていてもチャレンジする。その中でしか見えないことがあります。
ただ、失敗も度が過ぎると大ケガになってしまいます。この程よい感じを掴むのは正直なところセンス以外の何ものでもないような気がします。料理で言うちょうどいい塩加減のようなもので、教えて上手くなるものではありません。
そういえば、「いい塩梅」という言葉もありますよね。
いい塩梅を見つけられない人のために、世の中には基準というものがあります。「気温が◯℃あるから運動しないほうがいい」「降水確率が◯%だからやめておこう」。
こういう基準というのは、いい塩梅をできる人にしてみれば無駄でしかありません。塩加減というのは、100mlのお湯に何グラム入れると数値化できるものではなく、その日の気温や湿度なども考えて最適な量を入れるのが理想です。
でも料理本などにはそんなことは書いてありません。今日の大さじ1は明日も大さじ1、明後日も大さじ1は変わりません。今日と明日では気温も湿度も違うのにです。
本物の人たちは基準を参考にはしますが、自分の感覚をとても大切にします。
とはいえ、それをわたしたち凡人がそのまま真似てもうまくいくわけがありません。だって「いい塩梅」を判断するセンスが欠けているのですから。
わたしたちにできることは安全となる基準をベースにちょっとずつ冒険して、自分の限界値を見極めるくらいがいいところです。
それにしてもやっぱり必要なのは失敗する勇気です。
他の人は知りません。少なくともわたしに必要なのは失敗することをおそれずに、一歩を踏み出す勇気です。これまではもちろんのこと、これからの日々においてもチャレンジすることは絶対にやめないこと。
さて、明日はいよいよ五街道制覇プロジェクトラストランに向けて京都に移動します。まだスタートのスケジュールなどが決まりませんが、これも大きな挑戦のひとつです。
まずはそのスタートラインに立つこと。後のことはその場その場で考えます。
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