新しいiPhoneの価格設定から見えてくる日本の未来

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新しいiPhoneが発表されて、その値段を見て愕然としました。そのほとんどが10万円以上という値段設定。高いものですとうちのアパートに8ヶ月も住むことができます。

もはやスマホはなくてはならないアイテムのひとつで、わたしの場合はMacを使っているのもあってAndroidよりもiPhoneのほうが使いやすいのですが、これではとても新しいモデルを買うことはできません。

ただ2世代前のiPhone7は定価を下げて販売を継続していて、こちらなら5万円台で購入できます。中古の価格も今回の発表でかなり下がりました。iPhone SEもお手頃価格です。

身の丈を知って、それに合った商品を選べということなのでしょう。わたしの場合は、非課税所得帯ですので最新のものを使うのは身の丈に合っていないということです。

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わたしは写真を撮るのが好きなので、スマホのカメラにはちょっとこだわりたい派です。そうなるとやっぱり新しいモデルは魅力的です。でも新しいiPhoneの値段で、手を出せなかった高級レンズが買えてしまいます。

物の値段、物の価値というのは妥当性判断するのが難しいところですが、あれもこれも買えるわけではない身になって、物の値段というのをよく考えるようになりました。

それは本当に適正な価格なのか?誰にとって適正な価格なのかを考えるようになりました。

世の中はだいたい平均値の半額でなんでも買えますし、サービスも受けられます。例えばわたしの住むアパートの家賃は共益費込みで2万円です。新宿から乗り換えなしで1時間。

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台湾に行く飛行機は安く買えれば、空港利用料込みで1万5千円以内。LCCは飛行機の値段を大きく変えました。北京にはLCCが飛んでいないので、そのときだけANAなどを使いますが、両者に価格ほどの差は感じません。

外食だって、蕎麦や牛丼ならワンコインです。生ビールだって立ち飲み屋ですとかなり安く提供してもらえます。居酒屋だって格安でアルコールを提供してくれるお店が増えてきました。

ガジェット類も中国メーカーのものなら半額以下で、それなりのものが揃います。もちろんスマホも格安で手に入れることができます。

ブランドを重視する人ですと、このような格安のサービスとは縁がないのでしょうが、名よりも実を取るなら、どんなサービスも半額で済み、収入だって半分でいいわけです。

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東京で生きようとするから、辛い仕事をストレス溜めながら続けなくてはいけません。場所を選べば仕事量を大幅に減らすことができます。

ただ、こういう状態が日本の成長を停滞させているんだなとは思います。2010年からアメリカはほぼ毎年2%のインフレが起きています。2%のインフレは8年間で17%も物価を上げます。

それだけ給料も上がっているわけで、そこで暮らす人たちはそれほど不便を感じません。ところが、インフレも成長もない日本からすれば、同じ物の値段が17%も上がっているわけです。

iPhoneが高いというのは、実際に値上がりしているのもありますが、このようなインフレ率の違いもあります。

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今回は多くの人がiPhoneの値段を高いと感じていますが、日本はもう何十年も物価がほとんど変わっていません。10万円の価値が1990年代くらいからまったく変わっていません。

もし20年の間に毎年2%のインフレが起きていたら、現在の15万円が20年前の10万円と同じ価値ということになります。

日本国内だけで経済も物流もクローズしているなら問題はありませんが、日本は世界の中にあります。周りはどんどん成長していくのに、完全に取り残されていく未来。

20年後にまだスマホというものがあるなら、おそらく中華スマホですらわたしたちにとっては高級品に感じるのかもしれません。グローバルな資本主義経済で成長を止めるというのはそういうことです。

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もっとも日本がどうなろうと、わたしの知ったことではありませんが。日本経済を、日本という国を憂いでいる余裕なんてわたしにはありません。余裕があっても考えませんが。

日本がこれからどんどん貧しくなっていく。そういう時代に個としてどう生きていくのか。わたしの興味はそこにしかありません。


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