みにくいアヒルの子

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芸能人は大変だなと思います。既婚者の男女で仲良さそうにしているだけで写真を撮られて不倫だと騒がれ、若者同士がハグをしたら謝罪しなくてはいけない。芸能人はみんなのお手本になるように、品行方正でいなくてはいけないのでしょうか。

いや、そもそもわたしたち一般人でも、ちょっとしたことですぐにSNSが炎上するわけです。このブログだってコメントできるようになっていたら、すぐに炎上しているかもしれません。

なぜ人のすることにもう少し寛容になれないのでしょう。わたしの場合は寛容というよりは無関心なので、それはそれでどうかと思うのですが、自分の考え方に合わないものを無視できない人たちを見てると、ちょっと残念な気持ちになります。

もちろん、みんな仲良くする必要なんてありません。誰かのことを嫌いになる権利は誰にでもありますし、誰かを嫌いになれるから誰かを好きになることができます。

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誰かのことを嫌いになるのは構わないのですが、その人を傷つけたり、陥れたりする権利までは与えられていません。嫌いなら関わらなければいいだけ。

わたしが裸足ランナーと距離を置いているのも、自分の考え方に合わないものを無視できず、すぐに叩こうとする人たちがいて、居心地の悪さを感じるためです。

「裸足はすごくいい」これは分かります。「シューズは嫌い」これも個人の自由です。「シューズはランナーをダメにする」このあたりから、この人は何を言っているのだろうかと思い始めます。

「シューズ履いているのは愚か」「シューズメーカーは悪」こうなってくると、わたしは耳を塞ぐしかありません。

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勘違いしないでもらいたいのは、発言そのものを批判しているわけではなく、わたしにとってそのような人たちを受け入れられないから、関わらないようにしているという話です。

自分が正しいと思うものを追求することは素敵なことだと思います。裸足がいいと思うなら、どんどん裸足で走ればいい。その考え方を広めるのもいいでしょう。

ただ、そのときにシューズを叩くことで裸足を持ち上げようとするやり方に、苛つく自分がいます。

「シューズを履いたらケガをする」なんてことを本気で言っている人もいまだにいるようですが、ランニングのケガの原因がシューズにあるという因果関係を正しく説明できる人はほとんどいません。

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少なくともわたしは、シューズを履いてもケガをしません。距離もそこそこ走っているのにです。1度も履いたことのないシューズでいきなりフルマラソンを走ることも何度もしています。でもケガはしません。

事実としてあるのは、「シューズを履いてケガをした人が、裸足ランニングを始めたら走れるようになった」ということくらいではないでしょうか。それはわたしも経験したことなので理解できます。

でも、「シューズを履いてケガをした人が、裸足ランニングを始めたら走れるようになったから、シューズが悪い」というのは、論理的に正しくはありません。

まぁそれはいいとしましょう。わたしが伝えたいのは、自分の立場を持ち上げるために何かを叩くのはやめたほうがいいということです。

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そのやり方で味方が増えても、それ以上に敵を作るだけです。

正しいと思えば、その道を進めばいいだけ。なのに他の道を進んでいる人を指さして笑う。そうでもしないと、自分が間違っているのではないかと不安になってしまうから。

自分だけが違う色だからといって気にする必要はありません。その色は自分だけのもの。どっちの色が正しいかなんて議論することに意味なんてありません。みにくいアヒルだと思ったら、白鳥だったという可能性もあるわけですから。


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