金沢からの500kmを5日で走るというランはとりあえず延期です。1人24時間のダメージが抜けきっておらず、この状態で走るのは賢明ではないので、秋開催を目標にカラダづくりしておきます。
日曜日にピラティスを久しぶりに行いましたが、前よりもできていることと、できていないことがありました。でも、はっきり分かったのは今の方向性で合っているということです。
昨日の夕方ランでは、ピラティスで感じたことをフィードバックさせながらのジョギング。久しぶりに10kmを走ったので、最後はバテてしまいましたが、背筋を使った狙い通りのランができました。
力を入れずに、背中の筋肉のバネを使って走るというのをこれまでやってきましたが、今回やってみたのはそのバネをもっと大きく使うということ。背面が反ったときに元に戻ろうという力を推進力にする。
言葉にするとこれまでと同じことですが、今回はもっと意識的にハネさせてみました。悪くなさそうです。まだまだ意識しなくてはできないので、これを無意識でできるようにするのが今の課題です。
裸足ランニングについての説明でも書きましたが、走れる体になるのには3年はかかります。体が動きを覚えるのだけでも1年はかかります。
ランニングで「こういうフォームにすればランニング効率がよくなる」みたいなことを教えている人がいますが、それ自体は正しかったとしても、そこからフォームを無意識にできるようになるまで1年はかかります。
ランニングフォームを教える仕事というのは、言葉は悪いのですが詐欺師の仕事だと思っています。
それで走りが良くなったという人の大半は、以前よりも練習量が増えて走れるようになっただけです。フォームを変えたときに「ちゃんと練習しないと変わらないですよ」と教えるわけです。
そうすれば、練習しない人が変わらないのはその人の責任ですし、練習をきちんとすれば走り方なんてどんなものでも走れるようになります。
詐欺師にもいい詐欺師と悪い詐欺師がいて、フォームを教える詐欺師はいい詐欺師かなとは思っています。フォームを変えることに意味があろうがなかろうが、走れるように導いているのですから。
わたしが教えるのを止めたのは、いくら型を教えても練習してくれないと意味がないから。わたしは心優しい人間なので良い詐欺師にも悪い詐欺師にもなれないと思い、走り方を教えることを止めました。
いろいろな人の名誉のために言っておきますが、走り方を変えることに意味がないと言いたいわけではありません。でも、いつも言っていることですが、人によって骨格や筋肉の付き方が違うのに、同じ走り方が正しいなんてことはありえません。
少なくともトップアスリートでも、それぞれの走り方を尊重しています。ただ、ナイキの魔法のシューズのように「こう走らないとポテンシャルを引き出せない」という走り方はあります。
それはともかく、絶対的なものなどないのに「これが正しい」と断言して教えるわけです。「もしかしたら正しいかも」なんていうあやふやな言い方をされたら習う方も不安ですから、自分の軸をしっかりとさせることは大事です。
これはマラソンだけの話ではありません。自分の考え方というのは1本筋が通っていて、簡単には曲げないという信念の強さがあるほど人は集まってきます。
でも、それは自分の道においてだけ通じることで、他の人は他の道を進んでいます。
他の道がどうなっているか知るために、一緒に行動をするというのはいいことだと思います。ランニングにおいては一緒に走ること。でも、この一緒に走るときに「こうした方がいいのではないか」というのはNGです。
頼まれてもないのに、アドバイスを送るというのはただのお節介です。
だからわたしは聞かれれば答えますし、いつでも答えられるように常に観察をしています。でも、何も聞かれなければ何も言いません。そこは自分の道ではありませんから。
人間はなぜか自分の道を継ぐものが欲しくなるようです。世の中にある道場というのがまさにそれに当たります。自分の技を次世代に継いでいきたい。でも本来は自分の道は自分だけのものです。
その道に誰かを誘うことは、その人の道を途絶えさせることになります。
今どきそんな重たいことを考えて、何かを教えているという人はいないのかもしれませんが。教えているのは技であり道ではないというのが現代の「教える」ということなのでしょう。
でも、道があっての技です。すべての技は道に繋がっってからこそ活きてきます。何のためにその技を習得するのかが抜けていると、その技を習得してもただのモノマネでしかありません。
ここまで書いて、やっぱりそこまで考えて教えるというのは現代にはそぐわないんだなと、1人で納得してしまいました。どうもわたしは考え方が古臭い。でも、そういう人間が1人くらいいてもいいじゃないですか。
わたしはそもそも現代に馴染めずに、走って時間を浪費しているだけの人間なわけですし。
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