この3連休でずいぶんと人の動きがあり、さらにはK-1が開催されたり宝塚が再開されたり。ちょっとずつ緩んできている感じがありますが、新型コロナウイルスがいなくなったわけでなく、もう耐えられなくなったんでしょう。興行を主催する側も、それを楽しみにしている側も。
人間ですから息抜きは必要です。でも人間だからもっと理性的に行動するもんだと思っていました。特に日本人はそれなりに自分をコントロールできるタイプだと思っていましたが、どうやらわたしの思い込みだったようです。
どこにリスクがあるかはすでに見えている
そろそろみんな気づいているかと思いますが、どうやら新型コロナウイルスは満員電車を使ったくらいでは感染が大きく広がることはないようです。もちろん感染者が隣にいたら感染する可能性はありますが、同じ車両に乗っている人が全員感染するなんてことはなさそうです。
そんなことがあったら、すでに日本は大パニックになっているはずです。
ただ感染者が咳をして、それを手で受けたとします。その手で電車やバスのつり革、ドアノブ、エスカレーターの手すり、スイッチなどに触れたらそこにウイルスが付いてしまいます。そこを触れたら感染する可能性はあります。
また、スポーツジムで感染するというのはこのパターンなのでしょう。
ライブハウスなどの感染は、閉鎖空間において近距離で多くの人と会話することで広まった可能性があります。この場合は感染者がマスクをしていればある程度は防げたかもしれません。いずれにしても、ここまでの答えが出ているのでわたしたちが何をすべきかは明らかです。
- 不特定多数が出入りする閉鎖空間に出入りしない
- 人が集まる場所に行かない
- 手洗いうがいをしっかりと行う
この3つを守ること。それだけでパンデミックになるリスクを抑えられることは、ここまでの実績で明らかです。
興行は開催されるが行くのは愚かな判断
もう、どの興行主も限界です。抱えている関係者に支払うお金もないのでしょう。興行というのはいわゆる水商売なので銀行も積極的な融資はしてくれません。いかんせん先が見えないので貸したって返ってくるかわかりませんから。
待っていても潰れるのを待つだけですから、興行は周りから批判されようが開催します。国が保証しない限り、それを止めることはできません。大事なのはここからです。いくら興行が開始されても「行かない」が正解です。
特に室内で開催されるイベントは最悪です。
その興行のファンだと支えたいという想いもあるのかもしれません。だったらチケットだけ買って観に行かないという選択肢もあります。でも「それはもったいない」となりますよね。自分だけは大丈夫と思うかもしれません。
ではひとつ質問です。
100の弾倉に1つだけ実弾が入っている銃があったとします。引かないという選択肢があるのに、銃口を自分に向けて撃つ勇気がありますか?
いま人が集まる密閉空間に行くというのはそういうことです。引かなくてもいい引き金を引く。明らかに愚者の選択です。興行主はそれしか選べなくて開催しています。でもわたしたちは選べます。行かないという選択肢を。
危機感を持って自分で決める
学校が休校になっている期間を利用して家族で海外旅行に行き、新型コロナウイルスに感染して帰ってきた人がいるそうです。琉球朝日放送のニュースになっていたので、デマではなく事実なのでしょう。特殊なケースを挙げて、それがすべてのように言うのは良くないことですが、日本人はそこまで平和ボケしているんだなと。
宮城の聖火イベントに5万人集まったというニュースもありました。みんな実弾が入っている銃の引き金を引くという選択をしたわけです。引かないという選択肢があるのにも関わらず。どういう心理でそうなるのかは理解できませんが、「主催者がやるっていうなら安全なんだろう」くらいに考えているのでしょう。
自分の身は自分で守れ。
自然界で生きていくための基本中の基本です。危ないと感じたものには自分から近づかないようにすること。逆に危険でないと感じたら、平然と突き進むことも必要ですが、どうも危険を嗅ぎ分ける能力が著しく低下しているような気がします。
日本は幸運にも日常生活には支障がない程度の被害で済んでいます。
でも、それはみんなが怯えて自粛を続けていたからです。自粛が続いて「もう大丈夫なんじゃないか」と思い始め、気の緩みが発生しています。いや、そう思い込みたいという心理が働いて、正しい判断ができなくなっています。
かなり良くない方向に向いています。こういうときは誰かに頼るのではなく、きちんと危機感を持って自分で判断しましょう。いまやるべきこと、いまやってはいけないことを感じ取る。これは全員でしなくてはいけないことです。
ただし経済活動は止めないこと
これは何度も言っていることですが、経済活動だけは止めてはいけません。それも悪手のひとつです。もうどの業種もノックダウン寸前です。ここでビビってお金の流れを止めたら、連鎖的に経済が崩壊していきます。
そうなると体力のある会社しか生き残れません。シンプルに言いましょう。みんなが職を失います。
もちろんリスクもあります。お金を使ったのに職を失う可能性だって考えられます。でもそこで引いたら負けが確定します。もうアクセルを踏み続けるしかない状態です。これを書くと「おおげさなことを書いて煽るな」とメッセージを送って来る人もいるかと思いますが、それこそ危機感の欠如です。
この状況ではお金は使わなくてはいけません。ただ、すべてを救うのは無理でしょう。観光業は手の施しようがない状態ですし、この騒動が終わるまでは改善することは不可能です。そこにお金を投入する意味があるか。
残酷なことを言いますが、すべてを救うことはできません。もうそういう状況になっています。ただ経済の混乱はもっと後に発覚します。企業の決算が発表されて、想定をはるかに上回る損失が出ていることが分かってから株価がさらに下がります。
いま下がっているのは想定内の分だけです。ここから想定以上の損失が判明したら株価はさらに下がり、経済は縮小します。国は1.2万円くれるなんてことを検討しますが、ほとんどの人は数十万円の賞与カットが待っています。
勘違いしないでほしいのですが、わたしは煽っているわけではなく現実を見なくてはいけないと言っているだけです。状況は刻々と変わっています。少なくともいま楽観視できる要素はひとつもありません。
個人活動の自粛は不要だが控えめに
仲間と飲み会をする。友人とカフェでお茶をする。それくらいなら自粛するようなことではないと思います。むしろ経済を回すという部分ではとても重要な個人活動になります。羽目を外すような飲み方はNGですが、親しい仲間と笑ってお酒を飲むのはポジティブな行動だと思います。
カフェでお茶をするのもいいでしょう。ただ電源のある狭いカウンターで仕事をするのはやめておいたほうがいい。あれは明らかに危険な場所です。不特定多数が出入りするし閉鎖空間です。自分が使う前に誰が使っていたのかもわかりません。
テレワークの人が家では集中できないからとカフェで仕事をしているのでしょうが、それでは休校中に海外旅行に行ってしまう家族とやっていることは変わりません。なぜわざわざリスクのある場所に乗り込んでいくのか。
座席間の距離が十分にあるカフェで、お客さんが帰ったら、テーブルなどを除菌しているようなお店なら問題ありません(お店にとって負担かもしれませんが)。神経質になる必要はありませんが、火中の栗を拾う必要もありません。
いずれにしても個人活動はこれまで通りでいいというのが、わたしの総合的な判断です。ただ人が集まる場所への出入りはできるだけ避けることです。これがどこまで続くのかはわかりませんし、1週間後には違うことを言っている可能性もあります。
今は耐えるとき。ここで耐えないと今までのガマンが全部無駄になります。人間は耐えなくてはいけないときが一生に数回あります。そして今がまさにそのときです。これ以上の混乱が起きると個人活動すらできなくなります。そうならないために耐えること。自分のために、自分の大切な人のために。