3Sの壁【一目を置かれる存在になるための手順】

どんな仕事をするにしても、どんな競技に打ち込むにしても、習熟する過程は共通しています。私はそれを3Sの壁と名付けました(ついさっき)。ある技術を習得するのに、ひとつずつ越えていかなくてはいけない3Sの壁。今日はそれについて話していこうかと思います。

ランニング、ライティング、UberEats、機械設計と、これまでいろいろな事をしてきましたが、3Sの壁という考え方はいずれにも当てはまり、あらゆることに応用が効く考え方だと思うので、これから何かを始めたい人や、何をやっても中途半端になってしまうという人は、ぜひ参考にしてください。

目次

乗り越えていくべき3Sの壁

  • Skillの壁
  • Senseの壁
  • Smileの壁

これから取り組むことが何であっても、一目を置かれるレベルに到達したいのであれば、この3つの壁を越えていく必要があります。頭文字がSなので3Sの壁と安直なネーミングをしました。そのあたりはいずれ修正するとして、大事なのはこの3つの壁を意識することと、順番を間違えずに乗り越えていくということです。

乗り越える順番はSkill、Sense、Smileの順です。まずはスキルを磨き、スキルが身に付いたらセンスを磨く。そして最後に笑顔で楽しむ。この順番を間違えると、何をやっても中途半端になります。世の中には天才と呼ばれる人がいて、時々この順番を無視して成功しますが、そんな人は無視してください。私たちは天才でないから。

天才と同じやり方をなぞっても、凡人は永遠に天才の背中すら手が届きません。ただ、正しい手順で自分を高めていけば、どんな世界でも一目を置かれる存在にはなれます。もちろん簡単ではありません。でも、間違った手順で始めるよりも自分の成長を実感できるはずです。

前置きはそれくらいにして、それぞれの壁について詳しく解説していきます。

Skillの壁

何に取り組むにしても、まずやらなくてはいけないのが、基本技術を身につけるということです。市民ランナーやUberEatsの配達員はこの基本を無視している人が多く、だから伸び悩んだり、途中で挫折します。基本を学んでいないということは、ドリブルもできないのにバスケットボールの試合に出るようなものです。

何が基本になるかは、仕事や趣味によって違います。機械設計の仕事なら製図法やCAD操作などが必要となるスキルですが、UberEatsの配達では自分で決めた配達エリアの道を覚えたり、時間帯ごとの傾向を把握したりして、効率よく配達できるスキルを磨きます。何に取り組むかによって違うので、ここでは細かなことは書きません。

ただ、このSkillの壁というのは想像しているよりも遥かに高く、越えていくのにかなりの時間が必要です。それでいて退屈です。だから、多くの人が投げ出してしまうのですが、基本技術なくして上手くいくものなんてこの世の中にひとつもありません。にもかかわらず、Skillの壁を越えずに楽して成功を手に入れようとする人が多すぎます。

基本技術を身につけるには反復しかありません。退屈なトレーニングを何度も何度も蹴り返して、数年かけて自分のものにしていきます。あらゆるもののスピードが早くなった現代ですが、人間の習熟するスピードは太古の昔からさほど変わっていません。いくら効率化を追求しても限度があります。とにかく、繰り返して体や頭に染み込ませましょう。

取り組む分野での基本がわからないという場合は、その道の信頼できる人に聞いてください。ただ、その人も「基本」という考え方をしたことがないかもしれないので、上手く導いてくれるかどうかはわかりません。それでも自分でやり方が分からないなら、教わる以外に道はありません。

Senseの壁

基本技術を身につけたら、次に行うのが自分のセンスを磨くということです。センスは持って生まれたものだと思っているかもしれませんが、もちろんセンスには個人差があります。でも、センスがいい人も生まれつきセンスがいいわけではなく、良いものに触れ、学んできたからこそ高いセンスを備えています。

断言しますが、センスは磨くことで向上します。その磨き方を知らないだけ。誰だってセンスのいい人になれます。ただし、センスの磨き方に教科書はありません。スキルは決められたルールを覚えて実行するだけなので、誰だって磨くことができます。ところがセンスは個性のような一面もあり、「こうすれば身につく」という法則がありません。

あえて言うなら、質の高い本物に触れるということくらいでしょうか。ライティングなら、たくさんの文章を読むことです。小説やエッセイなど、自分の好きな作家さんの作品を、片っ端からすべて読んでください。私たちは模倣する生き物です。ただ工夫する生き物でもあります。最初は本物の影響を強く受け、ただの模倣になりますが、繰り返していれば自分らしさが出てきます。

もちろんライティングに限ったことではありません。UberEatsだって他の配達員を見て学べることが沢山あります。ランニングなら今はトップランナーがSNSなどでどんどん情報を公開しています。以前よりも本物に触れやすい時代ですので、それを活かさない手はありません。

積極的に本物に触れて、Senseの壁を越えていきましょう。大抵のところでSenseの壁を越えたくらいで「あの人はすごい」というレベルには到達します。ただ、スキルがないと本物を見ても何がすごいのか、どこを真似ればいいのかがわかりません。だからまず、Skillの壁を越えておく必要があるわけです。

Smileの壁

スキルを磨いてセンスを高めたら、ほとんど怖いものなし状態なのですが、この状態になっても失敗する人がいます。スキルとセンスがあっても、メンタルが弱かったり、心が未熟だったら大きな失敗をします。これまでそういう人をたくさん見てきました。スキルとセンスがあるから余計に傲慢になり失敗します。

そうならないために最後に越えるのがSmileの壁です。常に笑っていられるかどうか。どんなに上手くいかなくても、笑って乗り切れる自分を目指す。そのためには、自分のすることを心から楽しむことです。ランニング、仕事、家事、人付き合い、全部楽しむ。それが初めての体験であるかのように夢中になれれば、笑顔になるのは簡単です。

間違ってはいけないのは、Smileの壁が最後にあるということ。時々、楽しむことが1番大事と教えるトレーナーがいます。間違いではありませんし、Skillの壁もSenseの壁も笑顔で乗り切れればそれが理想です。でも、心が未熟なのにずっと笑っていられるとは思えません。

2つの壁に挑んでいるうちは、壁にぶつかったり、誰かに邪魔をされてイライラすることもあるはずです。最初の2つの壁を越えていくときに、それらは仕方がないことです。ただ、そうなったときに「いずれ乗り越える」という気持ちは持っておきましょう。

また「楽しむ」を優先すると、人間は楽な方に進もうとします。そして「楽しければいいじゃない」と嘯きます。別に本気で取り組まないなら、人生の暇つぶしをしたいだけならそれで構いません。でも、本気で取り組みたいと考えているなら、楽しむを言い訳に楽な方に逃げるのはなしです。

苦しさや辛さを感じながら、そして時には大切な何かを手放しながら最初の2つの壁を超えて、そこから笑顔であることを強く意識してください。取り組んでいることを全力で楽しんでください。そうなれば、周りの人が勝手に持ち上げてくれるようになります。

まとめ

大抵の人は絵に描いた餅だと思うでしょう。もっと具体的に示せとも言うかもしれません。でもそれを全部書いていったら、1冊のビジネス書が出来上がります。ブログですべてを書くことはできません。ただ、ここで紹介した考え方は、私が何かを始めるときに実際に行ってきたことばかりです。

社会人になりたてのころ、睡眠時間を削って機械設計の基本技術を習得し、それなりの設計者になることができました。UberEatsの配達でそれなりに安定してかせているのも、最初に稼ぐために必要なことを調べ、自分なりに試行錯誤して基本的なノウハウを身に着けたからです。

裸足で走れるのも、経験ゼロからライティングで生活できたのも、正しく手順を踏んで壁を越えてきているからこそです。信じるか信じないかはもちろん自由ですが、これから何かを始めようとしているなら、頭の片隅にでも置いておいてもらえればと思います。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次