マスコミは会社の利益のために情報を発信していることに気づいてほしい

世の中は東京五輪・パラリンピック組織委員会の森会長の話題で持ちきりですが、みんな暇を持て余していて、そして日本は平和だなということだけはわかりました。なぜ誰も「どうでもいい」と言わないのでしょうか。組織委員会の会長が誰であっても、何を言おうとも私の人生にはさして影響はありません。

そんなことよりも、クライアントが望んでいるクオリティで依頼品を納品するほうが大切ですし、最近取り組んでいる走り方を定着させるための時間を使いたいし、やらなくてはいけないことは山のようにあるし、どんな偉い人が何を言おうともどうでもいいわけです。

基本的に私は「人間は自殺以外だったら何をしてもいい」と思っています。どんな言葉を発してもいいし、人を殺めるということだって絶対にしてはいけないとは言えません。以前から何度か言っていますが、最愛の人を殺された人に、復讐するななんて私は言えません。

自殺はダメです。それはどんなことがあっても許しません。どんなに深い関係にあっても葬式にもお墓参りにも行きません。この話をすると長くなるので、これ以上は語りませんが、自殺以外だったらどんな行動も「あり」だと思っています。

だから森会長の言葉をマスコミが切り取ろうが、そもそもの発言が不注意だろうがどうでもいいことです。ただ、物書きとしてひとつだけ伝えておきたいことがあります。それはマスコミが情報を正しく伝えるために存在するのではなく、会社が利益を得るために情報を発信しているということです。

新聞社にしてもテレビ番組にしても株式会社です。資本主義の中で利益を上げることを最優先しています。それは他の会社と同じです。利益を上げなければ社員に給料を払うことができません。株主に叱られてしまいます。だから彼らはまず利益を上げなくてはいけません。

そのために何をするかというと、大衆が喜ぶように情報を加工するわけです。これは今に始まったことではありません。ずっと昔からやってきたことです。みんなが注目して雑誌や新聞が売れたり、テレビの視聴率が上がるように、面白おかしく情報を加工します。

なぜ最近になってそれが問題になることが増えてきたかというと、芸能人や識者と呼ばれる人たちが自分で情報発信できるようになったためです。自分の言葉を捻じ曲げられたら、SNSやYouTubeなどで反論できる時代になり、メディアと良好な関係を築かなくてもいい人たちが、情報を加工していることをバラすようになりました。

マスコミ側もそれは分かっていますが、いまさら方向転換をして収益が下がったら大事なわけです。フィクションを作り上げて批判されようと、それで利益が出ているなら続けるしかありません。良いも悪いも、それを仕事としてやってきたわけですから、ただ同じように仕事をするだけです。

正直、発言を捏造したり捻じ曲げるくらいならまだ可愛いほうだと私は思っています。個人的には言葉の組合せて、嘘をつかずに誤解させるというテクニックのほうが悪質だと思います。言葉巧みにという表現がありますが、まさにそのような文章が世の中に溢れています。

例えばRUNNING STREET 365で昨日、3本指ソックス「Three grips(スリーグリップス)」を紹介しました。このアイテムを紹介するプレスリリースでは下記のような紹介文が掲載されています。

新春大学駅伝で実際に選手が着用

駅伝強豪校の創価大学、國學院大學、東京国際大学の3校の選手たちに開発協力してもらったところ、「グリップ感がすごく、シューズ内での安定感があった」「シューズ内でのズレがなく、走りやすい」「脚全体に力が入るような感覚があった」などのうれしいコメントが続々届きました。2021年新春大学駅伝では3校で計15人が実際にそのソックスを着用し、チームの連続シード権獲得に貢献する快走を見せています!

これに加えて販売サイトであるMakuakeでは「2021年新春大学駅伝にて、往路1位総合2位の創価大学チームにThree gripsを着用いただき、その成績に貢献する事ができました。」と書かれています。ここでいう新春大学駅伝は箱根駅伝のことで、箱根駅伝はオリンピックと同じ登録商標で宣伝などに使えないので、このような表現になっています。

それはともかく、この2つを合わせると箱根駅伝2位の創価大学の選手が履いていたソックスというインパクトを与えます。でも、創価大学の何人が履いていたのかはわかりません。そもそもこの書き方を細かく分解していくと、創価大学の選手が箱根駅伝で履いたかどうかすらわかりません。

2021年新春大学駅伝にての「にて」が、「往路1位総合2位」にかかるとも取れますし、「着用いただき」にかかるとも取れます。前者なら箱根駅伝で履いていない可能性があります。後者なら実際に履いたことになりますが、このあたりを言葉遣いで濁しているわけです。

創価大学の選手が練習のときに履いただけかもしれません。1人しか当日着用しておらず、残り14人は國學院大學と東京国際大学の選手かもしれません(それはそれですごいことですが、創価大学とはインパクトが違います)。もちろん創価大学の選手全員が履いていた可能性はありますが、それならそうと書くはずです。

でも言葉巧み、創価大学の2位を支えたソックスという印象を与えることに成功しています。もちろん、個人的には誰か作ってくれないかなと思っていたソックスなのでいいものだと思ったからRUNNING STREET 365で紹介しました。でも、こういう言葉巧みな宣伝方法は好きではありません。

いまからちょっと恐ろしいことを書きます。

ここまで読んで、ランナーの方は3本指ソックス「Three grips(スリーグリップス)」が少し気になったかと思います。あとでチェックしてみようと思った人もいるはずです。実はこのブログ記事の狙いがそこにあったらどう思いますか?これがステルスマーケティングの手法のひとつです。

森会長やメディアの話のように見せかけて、実はThree gripsを紹介している。それもThree gripsの紹介方法を叩いているので、紹介しているように感じなかったかと思います(勘のいい人なら気づいたかもしれませんが)。でも結果的にThree gripsが気になるわけです。

このようにまったく宣伝ではないように見せかけて宣伝するという手法をメディアはよく使います。彼らはステルスマーケティングのプロです。本質を隠して情報発信するので、知らないうちに彼らの手のひらの上で踊らされているわけです。

なぜそれをするかというと、ここで話が戻りますが、自分たちの利益が大きくなるように情報を操るわけです。今回はメディアが民衆を煽り、森会長を下ろしたみたいな構図になっていますが、おそらくメディアはもっと深い狙いがあって今回の捻じ曲げ報道をしています。

このタイミングで考えられるのは、オリンピックの放映料の問題といったところでしょうか。JOCから放映料を上げると言われたか、メディア側が放映料を下げろと要求したのかわかりませんが、いずれにしてもJOCとメディアの関係が悪化し、見せしめとしてメディアが森会長を下ろした(100%私の推測です)。

メディアに協力しないなら、こんなこともできるという見せしめです。でも一般人にはそんな部分は見えません。民衆がメディアの横暴に気づいても、叩くのは情報を捻じ曲げた部分であり、JOCに圧力をかけているという部分は気づかれません。ステルスマーケティングの応用です。

恐ろしくも面白いと思いませんか。メディアはこういうことを毎日のようにしているわけです。だからマスコミの情報なんて1ミリも信用できないわけです。そしてそんなものに踊らされているのは暇なんだなと思うわけです。マスコミが作ったフィクションに踊らされて、本質を見失う。

そうならないように、自分の考え方の軸はきちんと自分で持っておいてください。そして興味のないことにまで首を突っ込まないことです。興味を持ったことでもエビデンスのないことや、引っ掛かりのある文章を鵜呑みにしないことです。まぁ騙されて踊るのも人生ですけどね。

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