うさぎに勝った亀の勘違い【成功したときの原点に戻ることの大切さ】

世界の中で日本だけが経済成長から取り残されている状態にあるのは、すでにニュースなどで把握していることかと思いますが、こうなることは以前からわかっていたこと。このブログなどでも書いたことがありますが、残業規制が厳しくなってから、日本は衰退へと向かっていったと私は考えています。

先に書いておきますが、長時間労働を推奨しているわけではありません。でも長時間労働こそ日本の労働力が持つ唯一の武器でもあります。少なくとも高度経済成長時代はそうやって、敗戦国から経済大国へと成り上がっていきました。ところが成長してしまうと「この働き方はおかしいのでは?」なんて思い始めるわけです。

自分たちは経済的には豊かなのに、生活に豊かさやゆとりが足りていない。幸福感不足しているのは働きすぎているからだと考えたわけです。だから欧米の他の国を真似て労働時間を短くする道を選びました。私が会社員になった頃は三六協定なんて絵に描いた餅でしたが、大きい会社で守っていないところはないのではないでしょうか。

労働時間が短くなると何が起こるか。まず後輩の面倒を見なくなります。限られた時間で自分に与えられた仕事の成果を上げなくてはいけないので、自分のことしか考えなくなります。その結果、若手の育成ができず、若手はここにいても意味がないと思って辞めていきます。

そもそも100時間かけて100の成果を上げていたのに、それを80時間にしろと言われたら、どれだけ効率化を推進しても100の成果を得ることができません。しかも高度経済成長時代の日本は120時間をかけて100の成果を上げていました。繰り返しますが、日本の強みは長時間粘り強く働けることです。

イソップものがたりのウサギとカメで考えると日本はカメでアメリカがウサギです。ウサギに勝つために、とにかく休むことなく進み続けたわけです。面白いものでそれでウサギを圧倒した時代もありました。そのままでいればウサギが追いつけないところまで進めたのに、のんびりしているウサギを見て「休んだほうがいいのでは?」と勘違い。

もしくは自分が前に立ったことで、自分に特別な能力が備わっているのではないかと勘違いしたわけです。日本人は自分たちが経済的に成長したのは自分たちに特別な力があるのだと思い込んだ。でも実際に備わっているのは、コツコツ積み上げていく力だけで、創造力も展開力もありません。

もし日本がまた以前のような勢いのある国になりたいなら、どの国よりも長時間働くしかありません。でももはやそれが許される時代ではなくなってしまい、日本が衰退していくのは必然。自分たちが勘違いをして、その道を選んておいて、結果が思っていた未来じゃないから困惑している。そんな感じが社会から伝わってきます。

繰り返しますが別に長時間労働を推奨しているわけではありません。これを読んだ1人2人ががむしゃらに働いたところで世の中は変わりませんから。社会全体が長時間労働の必要性を感じて変わらないことには、日本は衰退国への道を突き進むだけ。でもみんな長く働きたくないわけで、だったら未来はもう決まっています。

ただ個人としてがむしゃらに働くことに意味がないとは思いません。長時間労働は自分自身のスキルを高めてくれます。フリーランスなら収入が増えます。冬の季節がやってきても、キリギリスのように寒さに震えることはありません。働きアリは休まないことを武器に生き延びます。

残業しないのも労働時間をできるだけ短くするのも個人の自由。それで幸福になる人もいるはずです。でもぬるま湯に浸かったまま成功した人など古今東西どこにもいません。厳しい環境に自分を置いて、追い込まれることで成長していく。そして社会で必要な人になっていくわけです。

楽したいけど必要とされたい。20年後にはそれが成立する時代になるかもしれませんが、少なくとも今はそうではありません。カメはどれだけがんばってもカメ。才能がないことを受け入れて、ウサギのように休まずに前に進む。私たちに残されている唯一の道だと思うのですが、これを主張すると敵しか作らないので、これ以上は言わないでおきましょう。

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