
かつて2DKのアパートの1室の壁面が本棚で埋め尽くされていたこともある私ですが、藤沢から大和に引っ越す段階で断捨離。そして7年前に会社を辞めるタイミングでも、毎日何かを手放すという作業をしていました。10年前に比べると持ち物がかなり減っています。
人間関係もコロナ禍の影響もあって疎遠になった人もいますし、10年間で考えるとそれなりの数の別れを経験しています。半分以上は私の性格のせいなのですが、今回は話が逸れるのでそれについてはスルー。とにかく持ち物も人間関係も「持たざる者」であり、定職すらありません。
持たざる者になって気づいたのは、人間はモノや人に縛られながら生きているということ。かつての私がそうでしたし、今でも完全に自由になったわけではありません。でも、私を強く縛るものは「ランニング」くらいでしょうか。コロナ禍が落ち着いたら「万里の長城マラソン」も追加されますがそれくらい。
本当に何も持ってないから、いつだってどこにでも行けてしまう。会社員時代も比較的自由にやらせてもらっていましたが、やっぱり職場に縛られていましたし、今になって思えば制約が大きかったなと。フットワークもそこまで軽くなかったですし、生活の中心はやはり仕事。
ただ、会社員時代はお金に困らなかったというメリットはあります。今もお金に困ったりはしていませんが、いつどんなタイミングで仕事がなくなるかわかりません。そんな不安定な状態と引き換えに、私は自由を手にしています。なので、私と同じ生き方を誰かに勧めたりはしません。
持たざる者になると、会社員時代から思考を大幅に変えなくてはいけなくなります。まず、起きている時間はすべて仕事に使うことになり、購入するものはすべて仕事で必要になるものばかり。自分の趣味で何かを買うということがなくなります。そして安物にも手を出すようになりました。
会社員時代はユニクロに行くことなんてほぼなかったのに、フリーランスになった当初は、メインのアパレルショップとして活用していました。お金がないから「安いが正義」なわけです。借金を完済した今は、無印良品とsousouという、会社員時代に使っていたメーカーに戻りましたが、以前のように欲しいという欲だけでは買いません。
買い物はいつだって、明確な意志を持って、必要なものだけを買う。必要以上に物を増やさないことを大切にしてきました。これはきっと死ぬまで続くと思います。会社員に戻るようなことがあれば、また考え方も変わるかもしれませんが、今のところはそのスタイルが1番しっかりきます。
それができるようになると、収入が少なくてもそれなりに暮らしていけるようになります。もっとも私は、家賃2万円というアドバンテージがあるので、都会の人より稼ぎが少なくて済むのですが。ただ、この家賃2万円というのも持たざる者になることを予想しての選択。
正直なところ、フリーランス8年目に突入できたのは、この家賃2万円のアパートに引っ越してきたことがすべてだと思っています。それは金銭的な問題だけでなく、お金の使い方に対してのスイッチの切り替えができたという意味でも。あれがなかったら、何度かやってきたピンチを乗り越えられなかったはず。
そして年末に台北マラソンを走ると決めたのも、持たざる者だから「お金よりも信用を取る」という判断をしたから。持たざる者は周りの人に信用されて、初めて生きていくことができます。信頼されない人間は仕事も自然と離れていくので、目先で高額な出費になっても信頼や信用を取りに行く。
この大切さを知ったのも、やっぱりフリーランスになってから、持たざる者になってからですね。持っているといろいろ見えなくなるものです。でも、それは不幸なことではなく、むしろそれが普通。わざわざ持たざる者になる必要もないですし、人間は多少縛られるくらいがちょうどです。
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