「故郷は遠きに在りて思うもの」変わる故郷もいいけど心の故郷は残したい

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故郷は遠きに在りて思うもの、誰の詩でしか忘れましたが思うだけでは満足できず、ぽっかり空いた一日に故郷の大阪の箕面を訪ねてみました。

箕面は小学4年から高校3年までの9年間過ごした街です。高級住宅街ということになっていますが、わたしが過ごしたのは溜池と田んぼに囲まれた3階建てのベランダから釣りができると評判のマンションです。

箕面の滝は地元の人ぐらいしか行かないような小さな観光地。いまの箕面しか知らない人には信じられないかもしれませんが、箕面は滝よりも箕面の猿のほうが有名でした。自動販売機でジュースを買う猿です。

落ちている100円玉を自動販売機にお金を入れてジュースを買うのです。嘘のようですがこれは事実。問題はジュースが110円にね上がったあとです。当然買えないわけです。猿は大困惑です。こうして自動販売機でジュースを買う猿の話は都市伝説となりました。

そんな箕面も紅葉の季節になるとそれなりに人が集まりました。ただ、いまのように若者がデートで来るような場所とは程遠く…

もみじの天ぷらのお店は昔からありましたが、いまあるオシャレなお店や新しいお店は全部なかったと思ってもらえればどれだけ寂れた観光地だったかわかってもらえるでしょうか。

箕面スパーガーデンにはスケート場があった時代です。もっと昔、箕面には動物園もあったらしいですが、それはもう昔すぎる昔のお話で、らくだやライオンや象という動物もいて、大阪で2番目の観覧車もあったそうです。

わたしが暮らしていたのはそんな箕面駅から30分ぐらい歩いた先。忠臣蔵ファンなら誰もが知っている萱野三平の家の近く。小学校は萱野小学校です。ずい分前に学校は昔の面影がほとんどないほどの改修を経て最新の学校になていました。

箕面第二中学校はほぼ昔のままですね。ただ、街の姿が一変しています。マンションのすぐ近くに大型のショッピングモールが出来て、田んぼや畑がほとんど残っていません。知らないところに道ができています。

数年後にここに地下鉄がやってくるそうです。その頃にはさらに違う街になっているのでしょうね。

街を歩いて思ったのは、自分が思ってた2/3ぐらいの規模の街だったということ。いつも遠くに感じていた道が思ったよりも遠くなかったり、すごい坂だと思っていた坂がそうでもなかったり。高校までいたのですから体格的には変わらないはずなのに、あのころは何もかもが大きく見えていたのでしょうね。

やはり「故郷は遠きに在りて思うもの」実際に目にするよりも脳の中で自分の知っている故郷を再生するほうが趣があります。変わってく故郷もいいのですが、心の中にある故郷はあの日のままにしておきたいですね。

次にここにやって来るのはいつだろうか。元田んぼの上に建った建物の中のカフェで夕日を眺めながらそんなことを考えています。

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