旅に出る前は必ず部屋の掃除をします。
旅に出るときは戻ってこれないこともいつも考えて部屋をきれいにしておく。何かの本で読んだのですが、昔の日本人の習慣だそうです。
戻ってこれないなんてことは考えませんが、でも100%の安全はありませんし、何が起こるのかわからないのが旅です。そして何よりも帰ってきたときにきれいな部屋だとやっぱり嬉しいものです。
旅好きであっても自分の部屋が一番だということは変わりません。帰ってくる場所、帰りたくなる場所があるからたびが成立します。
ということで、少しだけ作業を終わらせて部屋の掃除をしていました。モノが溢れているわけではありませんが、決してきれいとは言えない部屋。なぜかここ最近はやたらと部屋の埃が目立ちます。
本当は拭き掃除までしたいところですが、さすがに時間がないので掃き掃除で終わらせて、部屋を少し片付けて掃除完了です。きっと掃除機があればものの数分ですが、小さな部屋に掃除機は似合わないからとわたしは箒派です。
学校時代に使っていた、あのT字タイプの箒を以前鎌倉で購入し、それからずっと愛用品。伊達に全国の学校に普及しているわけではありません。掃除のしやすさはピカイチです。
もう少し部屋にモノがなくなれば、掃除も簡単なのですが、モノを捨てるのにもお金がかかる時代です。もう少し豊かになったら減らしていくつもりです。
こうやって少し時間をかけて掃除をしていると、あぁ旅に行くのだなと実感し、気持ちが少しずつ浮かれていくのがわかります。
何度も足を運んでいる北京でも、そこは非日常で特別な時間が流れています。「いつもと違う」それだけで人間はこんなにも開放的な気分になれるのは不思議です。わたしなんてそもそも開放的に生きているつもりなのに。
普通に暮らしているだけでわたしたちは多くのものに縛られてしまっているのかもしれません。
社会のルールだけではなく、自分自身が作り出したルールにも縛られて思った以上にがんじがらめになっているのではないでしょうか。旅はわたしを縛っている鎖から心も体も開放してくれます。
異国の地の空気や、初めて見るもの、初めて出会う人。その全てが美しく、困難さえも笑えてしまう。
戻ってきたときにはまた元の鎖につながれてしまいますが、旅から戻ると繋がれ方が少しだけ変わります。ほんのちょっとだけ拘束力が緩くなる気がします。
きっとその違いは自分だけにしかわからない、ほんの些細なこと。
でもそんな些細な事を繰り返すことで、誰にも気づかれずに違う自分になることができます。そして長い年月をかけて、本当の意味での自由を手にすることができるはず。
旅に出られることを感謝して、また自分の部屋に戻ってくるために掃除をする。わたしにとっての特別な時間。
さあ準備は整いました。あとは旅を楽しむ気持ちを忘れないこと。しっかりポッケに詰め込んで秋の北京を楽しんできます。
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