人生はひとつ叩けばひとつだけ鳴る鐘があればいい

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お得になることに対して、子どもの頃から無頓着でした。それはいまでも変わらず、ときどきお得だからと思って始めることはあってもことごとく続きません。途中でお得であることがどうでも良くなってしまうのです。

例えばポイントカードですが、TポイントカードはTSUTAYAをもう使わないと思った時点で捨てましたし、ローソンのポンタカードは横浜マラソンのエントリーなどで作らされたのを持っていて、また必要になるかもと思って持っていますが、持ち歩いてはいません。

スーパーのポイントカードなんかも持っていません。持たないというポリシーがあるというわけではなく、持つのがめんどくさいだけなのですが、ポイントカードを持たないようにすると、お得はなくても気持ちが楽になります。

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家電関係はさすがに10%は大きいので、さすがにビックカメラとヨドバシカメラのポイントカードは持っていますが、たとえば急ぎでヤマダ電機で買い物するときはポイントカードを作ったりはしません。そういえばビックカメラもヨドバシカメラも1年近く使ってない気がするけど大丈夫なんでしょうか。

世の中にはたくさんのお得が溢れています。お得に乗っからないと情弱(情報弱者)として馬鹿にされることもあるのですが、情弱側からするとみんな踊らされてるなぁと思うわけです。別に自分が踊らされてないと自慢したいわけではありません。わたしはただ面倒なのが嫌なだけですので。

自然な流れでお得になるならいいのですが、お得になるためになんらかの行動をする。その一つひとつの行動は小さくても、一事が万事であれもこれもお得になるための情報を集めて利用して、そうするのはエネルギーが必要になります。

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わたしたち人間が持つことが出来るエネルギーには限りがあります。そのエネルギーを何かに使えば、他のところでエネルギーが不足します。そんなことあるわけがないと思うかもしれませんし、信じる信じないは自由です。1人が人生で出来ることには限界があり、すべての人にとって1日は24時間しかありません。

今日何かをすること、いま何かをするということは、今日何かをしないこと、いま何かをしないことを選んでいるのと同じことです。フリーで働くようになってそのことをこれまで以上に実感しています。1日は24時間しかなく、夜になると眠くなり、眠らないといいものが作れません。

そんな限られた時間とエネルギーを得するために使うのは、どこかもったいないなというのがわたしのスタンスでもあります。お得を追う人は時間とエネルギーではなくお金がもったいないと思うのかもしれません。そういう意味ではわたしはけっこうお金に無頓着です。

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それなりに裕福な家に生まれ育ち、欲しいと思ったものはだいたい手にすることができました。欲しいと思ったもののほとんどはバットやグローブ、サッカーボールやスパイクなどのスポーツ用品だけですが。

わたしは高校1年の終わりからアルバイトをしていました。父の仕事関係で、雑貨やアクセサリーなどを売っていたお店です。アルバイトをするとお小遣いよりも大きなお金が入ります。ですのでわたしはアルバイトを始めてから、お小遣いをもらうのをやめました。

父のおかげでアルバイトができて、自由になるお金も同級生よりも多く持っていますので、その状態でさらにお小遣いをもらうのはおかしい。そういう感覚で「もうお小遣いいらない」と両親に伝えました。

大学に入ってもまずしたのがバイト探しです。いや、バイト探しは1時間もしていません。家から徒歩5分のところにあるセブンイレブンでバイトを募集していたので、すぐに面接を受けて採用してもらいました。

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お金には無頓着ですが、お金は稼げばいいという考え方がわたしには根付いています。1年前に会社を辞めたときも不安はありませんでした。本気になれば生きていく程度にはどうやったって稼ぐことが出来ると知っているからです。

そして本気になることと「お得」は相容れないことも知っています。

必死のパッチで働くためには「お得」というのは甘い誘惑といいますか、悪魔の囁きのようなものです。ちょっとでも楽しようとしたり、損しないように行動をすると、まず間違いなく神様が足払いを食らわせます。「本気で向き合うんじゃないのか」と叱られることになります(一応言っておきますが、わたしは無宗教で神様も仏様も信じていません)。

そういえば小さな頃から楽をすることに興味がなかったような気がします。努力して一歩を進むことの大切さを両親から学んできました。成長することの楽しさも、スイミングや少年野球、書道などを習わせてくれることで、間接的に教わっていたのだと思います。

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そういえば進学塾のようなところには通えと言われたこともありません。高校受験前の冬休みにあまりに勉強しないので、無理やり塾に入れられたことはありましたが、基本的に勉強ができないことを叱られることはありませんでした。勉強しないことを叱られることは多々ありましたが。

学校の勉強のように効率的に情報を詰め込むだけの「お得」な学習と無理やり向き合わされなかったことも、いま「お得」をどうでもいいと思えるようになっている要因のひとつかもしれません。

それがいいことなのか悪いことなのかはわかりません。ただ少なくともわたしの人生に「お得」はなくてもいいかなというふうには考えています。ひとつ叩けばひとつだけ鳴る鐘があれば人生は大体いい感じです。

湖に落としてしまった古い斧が返ってくればそれだけでハッピーで、金の斧も銀の斧も必要ありません。そんなものを手にしてしまったら、人生を楽しめなくなってしまいそうです。

苦しさも辛さも悲しさも全部揃って人生ですから。お得に生きないほうが少なくともわたしの人生は豊かになります。賢い人たちにしてみれば、愚か者に見えるかもしれませんが。

大して賢くもないのに賢そうに生きるよりは、良寛さんのように笑われながら生きられる自分でありたいわけです。


ヘタな人生論より良寛の生きかた
著者:松本 市壽
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