明日は勤労感謝の日ということで、日々の勤労に感謝して会社が休みになる日。サラリーマンの立場だと感謝されて仕事を休むことになるのですが、フリーの立場だと働けることに感謝していつも通り働く日になります。
貧乏暇なしと言いますが、それを実感中ということで。
ただやっぱり普通に働けていることには感謝しなくてはいけないなと、適当に生きてきたわたしでもそう思うわけです。大富豪の家に生まれたわけではないので、働かざる者食うべからずです。
反対に働いてさえいれば食べていけます。世の中にはいろいろな仕事があり、自分で「これは無理だ」と決めつけなければ、可能性はいくらでも広がっていきます。自分にブレーキを掛けているのはいつだって自分自身です。
もしわたしが会社を辞めて、ランニング関係だけで生きていくとこだわっていたら、いまのように好きな場所に好きなように行けることはなかったでしょう。
そういう強いこだわりを持った人が世界を変えていくのかもしれませんが、わたしはこだわらないことにこだわっているので、あまり頑固に生きることができません。柳のようにフワフワと生きていたいタイプです。
話は戻って働き方の話。
世の中にはいろいろな仕事があって、なぜかはわかりませんが、わたしはどんな仕事でもそこそこ適応できます。職人芸のようなものを求められると流石に無理ですが、「これできる?」と聞かれれば、だいたい何でもこなせます。
この国ではそれを器用貧乏とも呼ぶらしいですが、器用貧乏で八方美人なので食べていくだけには困らないだけの仕事にはどうにかこうにかありつけます。狙ったのかどうかは知りませんが、そういうふうに育てられた結果です。
でもビジネスの基本なんてどれもそう変わらないもんだと思います。プラズマを発生させる機械の設計もトイレ掃除も同じです。根っこの部分に違いはありません。技術云々はその根っこの部分に乗っかるだけなので、根っこさえしっかりしていれば同じです。
その根っこがわからないから難しいのだと思うかもしれませんが、根っこはそんなに難しいことではありません。仕事を依頼してくれた人に喜んでもらうこと。これだけです。
仕事だからやるのではなく、喜んでもらいたいからやる。これがわたしのスタンスです。
きれいごとの世界と言えばそれまでですし、それで上手くいけているのはただ運がいいだけかもしれません。でもやっぱり、その基本を忘れてはいけないというのは強く感じます。
わたしが前の会社を辞めた理由はいろいろありますが、会社の経営状態が悪化したときに、きれいごとの世界を続けさせてもらえなかったこともひとつの理由です。
景気がいいときはみんながみんな「お客さんのため」と言いますが、景気が悪くなると「儲けにならないならしない」という方向性に変わります。気持ちはわからなくはないけど、その姿勢がさらに悪い方向に向かわせるのになと思うわけです。
きついときこそ水面下でバタバタしながらも、喜んでもらうための仕事ができるかどうか。企業でも個人でも強がってでも誰かのために頑張れるかどうか。そういうところが大事なんじゃないかと感じています。
そういう意味では会社という組織そのものも、やっぱり難しいところです。会社の規模にもよりますが何十人もの人がいたら、当然足を引っ張る人もいれば、上司というだけで上からものをいう人もいます。
難しいのはそういう人たちもそれぞれの正義のなかで働いているということです。自分が正しいと信じて足を引っ張ったり、上からものを言ったりするわけです。でもそれでは組織は上手くはいかない。だからトップが重要になります。
わたしはそういう世界にいることに疲れてしまい、会社員の世界から逃げ出しました。
本当なら仕事を依頼してくれた人に喜んでもらうだけでよかったものが、それだけでは許されなくなります。1個100円の部品でも、なくて困っている人がなら届けるというのが仕事です。
でも「そんなんじゃ仕事は成り立たないんだよ」とみんな思っていますよね。
会社という組織で動くときにはそれでいいのかもしれません。でも個人として仕事をするときは、1個100円の部品でもなんとかして届ける姿勢がなければやっていけません。
部品というのはひとつの例です。「これで困ってる。何とかして欲しい」それに応えるというのが本来の仕事のあり方何じゃないかなとわたしは思うわけです。
それがなぜか複雑になって、困ってない人に対しても「とにかく買ってもらえればいい精神」で売りつける。利益が上がればそれで評価される。この国ではいつからかそんな歪みがあたり前になってしまいました。
勤労感謝の日。わたしはやはり働けることに感謝し、必要としてくれる人がいることに感謝しながら働きます。そして夜に少しくらい美味しいお酒を飲むとしましょう。
美味しいお酒を飲むことも頑張って働くためのひとつのモチベーションですから。
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