ライティングの仕事をしている人同士で話をするときに、なんとなくお金の話になることがあります。わたしは別に隠すことでもないので、あるがままの数字を話しますが、隠さずに話すことを驚かれます。
日本ではお金の話をすることが、美徳ではないという風潮がありますので、「そういう話はしないほうがいいよ」と助言してくれる人もいるのですが、わたしの生き方そのものがライフスタイルの提案でもあるので、隠す必要はないかなと考えています。
こういう生き方もあるんだよ。それに対して収入はこれくらいだよ。将来についてはどう考えてるの?そういう話を包み隠さず話をしたほうがいいかなと思うわけです。
そして今回は確定申告です。会社を辞めて初めて給与所得なしでの確定申告をしました。確定申告はもう何年もしているので、使いづらいe-Taxの取扱は慣れたものです。
それはともかく納税額ですが、昨年1年分の収入による納税額は0円です。
これがフリーランスの現実です。個人事業主で青色申告をするため、65万円控除と基礎控除の38万円を合わせた103万円は控除されます。それに国民健康保険や国民年金保険料を合わせた社会保険控除を行うと、課税される所得金額は0円です。
もちろん仕事として使ったものは経費として申告していますが、生活費も含めたわたしの収入は150万円にも満たない状態です。facebookなどでわたしの活動を見ていると、そんなに少ないわけがないと思うかもしれません。
まったく違う世界に飛び込む現実はこんなものです。手取り収入という意味では会社員時代の1/4くらいといったところでしょうか。わたしに特別な才能があって稼げているというのではなく、ライフスタイルを大きく変えて生き残っているに過ぎません。
例えば会社員時代と同じアパートに住んで、車も維持していたら完全に破綻します。家賃は1/3以下になっていますし、食費も基本的には完全自炊で、無駄遣いもしない生活。
人によってはそんな人生のどこが楽しいのかと思うかもしれませんが、少なくとも会社員時代より自由で、いつもあちこにち出かけて、いろいろな人に会えています。会社員時代にも自由を感じていましたが、その限界も見えていました。
会社員を続けていれば、出会える人にも限界があり出かけられる場所も限られています。中国の奥地にまで撮影で出かけるなんてことはまずありえませんでした。
ただ、そういう光にあたっている場所ばかりではないということも知っておいてもらわないと、真似をして勢いで仕事を辞める人が出てくるかもしれませんので、根本的には貧しいのだということも知っておいてください。
はっきり言えば、よほど用意周到にやらない限り独立なんて簡単なことではありません。しかもまったく知らない世界に飛び込むなんてこと、愚か者のやることです。
ただわたしは愚か者で、なおかつ運が良かったからとりあえず今も生きています。ただ、こんないい状態はいつも続くわけはありません。最高に運がいい状態が今。だからなんとかしてここから抜け出す必要があります。
それでも収入が150万円以下でも生きていけるようになるというのは、とても大きなことです。できることなら、毎月10万円の収入で不自由なく暮らせるようになると、老後の不安なんてものもなくなります。
メディアの計算する「老後には◯千万円必要」なんて煽りに怯える必要がなくなります。60歳以上になっても野山を走れる体力があり、好きな本を読みながらのんびりと過ごせたらそれで十分です。
会社員時代はあれもこれも欲しがっては買っていましたが、いまは「まあとりあえず今のでいいか」という考え方になっています。つまらない人生に思えるかもしれませんが、物欲に流されなくなったことは独立したあとの良い変化のひとつです。
何かと不便はしていますが、不便の中にも学ぶことがあります。
もっとも税金を払わないくらいしか収入がないと公表したことで、バレンタインにもらえるチョコレートの数は激減するのでしょう。もっとも1個ももらってないので、減りようがないのですが。
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