集大成の愛媛マラソン:ランニング人生最大の失敗レースに

今回の愛媛マラソンがシリアスランナーとしては集大成で、ここからはマラソン大会は出るものの向き合い方を変えると宣言してのレースでした。ある意味で引退レースとなるわけですが、結果から言えば、これまで経験したことのない失敗レースになりました。

失敗した要因ははっきりしていて、後悔もなければ、「もう1回チャレンジ」というような女々しいことを言うつもりもありません。失敗レースだからこそすべてを出し切ることができ、そして自分の体の変化というのを感じずにはいられなかったので。どんなレースになったのか、集大成だからこそしっかり書いておきます。

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スタート直後にサブ3ができないことを悟る

今回の愛媛マラソンは、そもそもスタートする以前に失敗レースになることは決まっていました。前日の夜、就寝中に両足を攣っており(攣りきってはいませんが、朝になって痛みが残っている)、レースでまったくスピードを出すことができなくなっていました。

その前夜も左足を攣りかけていて、嫌な予感はありました。実は少し前にも同じように左足を攣っていて、その翌日にレースだったか20km走だったかをして、それほど問題なかったので、今回も「走り出したらなんとかなる」と思っていました。

でも、前回なんとかなったのは、トラブルが発生したのが片足であり、しかも利き足でなかったからなのでしょう。今回は足に体重を乗せたときに、1ミリも反発してくれません。本来なら着地した瞬間にアキレス腱が反発して跳ねて推進力を生み出すのに、それがないから無理やり足を上げないとスピードが出ません。

実際に走り出してみると、キロ4分15秒以内がマストだったのに4分20秒くらいまでしか上がりません。スタート時の気温が2℃だったのも影響していますが、無理にキロ4分15秒に持っていくと、簡単に息が上がってしまい、それを維持することはできませんでした。

その時点でサブ3は断念しましたが、ただ体が動く限界のスピードで走り続けることも決意。もしかしたら気温が上がることで、どこかで足に力が戻って来るという希望もあり、だとすれば集大成のレースで早々に諦めるわけにはいきません。

本当に厄介だったのは呼吸が浅いということ

なんとかしてキロ4分20秒をキープしつつ(そうは言っても愛媛マラソンはアップダウンが多いのでペースが安定しませんが)、走り続けていたのですが、抱えていた問題はそれだけではありませんでした。むしろ本当に厄介だったんはそちらでした。

走り始めてから左胸と脇腹が痛みだして、ただこれはすぐに収まります。ところが、1kmも走らないうちに右胸と右脇腹が痛み始めました。これは結局、ゴールするまで続きました。なんだったらこれを書いているレース後の夜になっても、まだ違和感があります。

両ふくらはぎを攣ったことでスピードを出せないうえに、キロ4分20秒よりも速いペースになると、右胸と右脇腹が傷むわけです。それも数秒と耐えられないくらいの激痛。これを下げるにはペースを落とすしかありません。そして、走っている途中に気づきましたが、しっかり呼吸できていません。

痛いから呼吸ができないのか、呼吸ができないから痛くなったり、ふくらはぎに力が入らないのかはわかりません。ただ、鼻から息を吸ったら肺まで空気が届きません。こんな状態で走れるわけもなく、中間地点を超えたところで走り続けるのをやめました。

このままだとゴールまでたどり着けない。そう感じて、とにかく現状把握と回復のために歩くことに。この時点ではまだサブ3.5の可能性はありました。むしろサブ3.5をするために歩いたのですが、そのときいはもう両足ともに太ももがガチガチでした。

リズムよく走り出すと足が攣りそうになる

ここからは、歩きと走りを交互に入れることになるのですが、走っていると上手くハマってリズムよく走れる時間帯が出てきます。そこまでは抜かれ放題だったのに、前のランナーを追い抜くくらいのペースになります。ところが、そんな時間は長く続きません。

このままならサブ3.5どころか、3時間10分以内が見えるかなと思っていたら、両ふくらはぎの爆弾がアピールし始めます。スピードに乗るとふくらはぎが攣りそうになるわけです。そして、当然のように右胸と右脇腹が痛みはじめます。

なんで集大成のレースでこんなことになるのだろうと思いますが、そんなことを考えても残りの距離が短くなるわけではありません。とにかくゴールを目指すのには十分すぎる時間が残っていたので、できる範囲で走り続けます。スピードは出ていませんが、ベストを尽くそうとしたわけです。

やることはパーソナルトレーニングで教えている内容そのままで、しっかり片足に体重を乗せることと、上半身のフォームを安定させること、そして膝で走りをコントロールすること。これだけに集中したところ、なんとかキロ6分30秒くらいのペースを維持できるようになりました。

ある意味、これは大きな収穫で、筋力がなくても走り方さえしっかりしていれば、キロ6分30秒で走り続けられることの証明でもあり、やってきたことが間違ってなかったことを確認できました。こういう経験ができるのも、私の集大成のレースらしくて面白いところです。

すべてを出し切った3時間49分49秒

いつものレースなら「もっとできたのではないか」という想いが湧いてきますが、今回は自分にできることはやりきったつもりではいます。走れないなりにもサブ3を目指して追い込みましたし、走れない苦しさからも逃げずに、顔を上げてゴールを目指せました。

もちろん、最初からサブ3.5を目標にしていたら結果は変わっていたでしょう。でも、それは集大成のレースですることではありません。無理だとわかっていても夢をあきらめないで突っ込む。それで失敗レースになったところで、後悔は1ミリもありません。

今回はっきりしたのは、もう追い込める体ではないということ。年末年始に体調を崩したのも、今回両ふくらはぎを攣ったのも、もう49歳の体にしたら限界だったということ。いくら気持ちが若くても、体は確実に衰えていく。レース前に追い込むのは今の年齢でやることではないことがはっきりしました。

もっとも、シリアスランナーとしてマラソンを走るのは最後にしますが、しばらくは「追い込まなくてもサブ3.5ができる走力」を維持するつもりではいます。そのために、毎日5km+タバタ式トレーニング、そして毎週2回の筋トレは習慣化するつもりです。

いずれにしても、今回の愛媛マラソンで出した3時間49分49秒が私の集大成。ここがたどり着いた場所であることを受け入れて、前に進むとしましょう。今日からやらなくてはいけないことがたくさんあるので、センチメンタルになっている場合ではありません。

著:クリストファー・マクドゥーガル, 著:エリック・オートン, 翻訳:近藤 隆文
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