ハダシスト真夏の挑戦「第8回宮ヶ瀬湖24時間リレーマラソン」

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1週間前に甲州街道を走っていたというのに、その翌週には24時間リレーマラソンに参加している。これがどれくらい普通じゃないのかはわたしには分かりません。少なくともわたしの中では特別ではありません。

ただ、わたしの中ではひとつのチャレンジではあります。疲労を負った状況でどれくらいまでパフォーマンスを維持することができるのか。できるだけ24時間のパフォーマンスを落とさずに走るという挑戦です。

宮ヶ瀬湖24時間リレーマラソンに出場するのは3年連続3回目です。さすがに勝手知ったるコースですので、安定した走りをするには何の問題もありません。

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もちろん24時間もありますので、コンディションは刻々と変わっていきます。そんな中でどのような走りができるのか。この夏はそれなりに走り込んできたつもりで、体重も予想以上に落ちています。走れないわけがありません。

スタートは午前10時。あみだくじの結果、わたしは3番走者です。気温は30℃を超えるくらいでしょうか。日差しがなければまだいいのですが、なぜか宮ヶ瀬湖周辺だけ雲がありません。

コースは1周1.8㎞となっていますが、GARMINでの計測では1.75㎞です。自分に厳しく、ここは1.75㎞で計算するとしましょう。

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スタート直後に上り坂があり、その後一気に下ります。この坂道をどう攻略するかが、このコースのポイントです。ここで一気に心拍数を上げてしまうと、1㎞過ぎから一気に苦しくなります。

心拍数を上げすぎず、それでいてスピードを落としすぎない調整力が必要です。

結果的にはわたしは13本で22周を走りましたが、そのラップは次のようになっています。

01 4:12/km 07:20
02 4:06/km 07:15
03 4:29/km 07:42 / 07:49
04 4:30/km 07:43
05 4:30/km 07:51
06 4:22/km 07:40
07 4:47/km 08:17 / 08:26 / 08:09
08 6:10/km 11:19 / 10:13
09 4:58/km 08:42 / 08:28
10 4:53/km 08:27 / 08:28
11 4:41/km 08/24 / 08:04
12 4:03/km 07:05
13 5:00/km 08:00 / 08:20 / 10:22

ツッコミどころ満載なのはいろいろ許してもらいたい。さすがに24時間にもなると思わぬことが起きますし、これでも我ながらしっかり走ったほうだと思っています。満足はしていないが、ひどすぎるとも思いません。

リレーマラソンで重要なのは最初の1周です。この1周でこの大会を通じてのペースが決まります。

スピードを出しすぎると、確実に後半に潰れますが、ここでゆっくり走るとずっとそのペースを維持しようとして、それ以上のスピードを上げられなくなります。

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最後まで淡々と走りきれるスピード。これを1周目で決めなくてはいけません。

天気は生憎の青空。とてもじゃないですが、いきなりトップギアに上げられる気温ではありません。心拍数を上げすぎないように注意しながら、足を速く回します。

疲労がない分だけまだ上りで頑張れますが、フォームもバラバラで走りは最悪です。できるだけ力を入れずに流す感覚を意識しながら後半を流して7分20秒。1周目にしては悪くない数字です。

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その1時間20分後くらいに2本目が回ってきます。体がほぐれたこともあって7分15秒。これくらいで走り続けられたらいいのですが、3回目の順番が回ってきたときに2周走ることにしましたが、これが失敗です。

まだ気温は上昇中の時間の2周目は一歩走るたびに体力を奪われていきます。

1本で2周走る時間帯ではないという判断で、次からまた1本で1周に戻しましたが、奪われた体力を取り戻すことはできずに、きつい走りが続きます。

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そこにきて、会場にはテントが壊れるのではないかと思うほどの大雨が降り始めます。このままだとみんなのモチベーションが下がってしまいかねないと思い、わたしの番には3周走るという宣言。

わたしは口が上手なほうではありませんので、態度で示します。雨の中走るのは決して苦痛ではなく楽しいことなのだと、実際に走って見せるのが一番です。

ただし、日は落ちてコースは見づらいのもあって、ペースは大幅に落とします。安全に走ることもリレーマラソンでは重要です。ケガをして自分の順番をスキップすると他のメンバーに迷惑がかかります。

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雨の中のシャワーラン。実際にはわたしが走っているときだけ雨粒が小さかったので、走るにはちょうどいい感じでした。日中の暑さがウソのような快適なランです。

ところが、その次のわたしの番になる直前に、運営側からの中断の指示が入ります。そのときにはまだ小雨だったのですが、数分後には土砂降りに変わります。

雷注意報が発令されているのもあり、全参加者が屋根のある建物に移動するのですが、そこはもう押しくらまんじゅうの世界。なんとかして座る場所を確保して、少しでも体を休めます。

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すると1時間くらい経過してから、避難回避の連絡があり緊急のリーダーミーティングを行うとのこと。このときはみんな、終了なのか続行なのかわからず、気持ちは半々の状態です。心のどこかで「終わってくれてもいい」と思っていたのはわたしだけではないはずです。

ところが運営側の判断は「30分後から続行」、このときのわたしのモチベーションはひどいものがありました。

とはいえ、順番はわたしからですし、他のメンバーも集中力が切れて、眠りに入っています。その時が8本目で、ひどいラップが出ています。足が固まったのもありますが、何よりもメンタルがひどい状態です。

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それでも6:10/km出ているのは正直かなり驚きです。気分的には歩いているようなスピード感でしたので、7〜8分/kmくらいの感覚でした。ただ、ランニングはメンタルが重要だということがはっきりとわかりました。

この後は少しスピードを取り戻したものの、真夜中のランはどうしても走りが伸びません。ですので、意識したのは安定した走りだけです。雨が降り出す前はアディダスのCSを履いていましたが、雨が降ってからは和紙布に変えています。

マイロード靴総合設計のシューズはスピードが出ないものの、安定した走りを取り戻せます。関節がブレることもありませんので、疲労もたまりにくいというメリットがあるため、このナイトステージは回復期間だと自分に言い聞かせます。

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実際に空が明るんできてからはスピードを取り戻しつつあります。11本目にはもう少しで7分台に届きそうになります。体は疲れているのにしっかり走れる体が整いつつあるのを感じます。

そして、計算上は次がラストと判断して、ここで全力を出し切る作戦に出ます。そこで7分5秒/kmのベストラップを叩き出します。終わりよければすべてよし。いい感じにまとまったと思いきや、想定外の事態が発生しました。

ここにきて他のメンバーのスピードも上がったことで、どうやらわたしにアンカーが回ってくるようです。

実は初めての参加のときもアンカーで、昨年もギリギリでアンカーを回避しました。どうしてもこの大会ではアンカーに縁があるようです。とはいえ、すでにわたしはオールアウト状態です。

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1時間ちょっと、しっかり体をほぐします。リレーゾーンの閉門は9時45分ですので、15分は走ることになります。この15分で2周は走っておきたいところですが、それだけの体力が残っているのか。

実際に最後の襷を受け取ったのが9時40分。20分ありますがどうあがいても3本は走れませんし、2本は余裕を持って走れます。できるだけ速く走るものの、無理をする必要はありません。

この1本前からアディダスのCSに履き替えていましたので、ケガをしないことだけに集中しながら、コース沿道で応援する人たちのハイタッチを楽しみながらゴールを目指します。

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そして難なく2周を終えて、全員でゴールをするための3周目に入ります。この1本は計測されませんので、好きなペースでかまいません。今回は靴を脱がずに走ろうと思っていましたが、好きに走っていいならやはり裸足で走りたい。

この夏の練習や旅ランをしっかりと耐えてくれた自分の足への感謝の気持ちと、ここま襷を繋いでくれた仲間たちへの思いを走りに乗せるには、シューズではなく裸足が最適でした。

自分の足で24時間を戦ったロードを踏みしめ、一歩前に進む。いろいろあったが、やっぱり今年も楽しかった。そう思いながら、ゴールを目指します。

そして、ゴール前で待っていた仲間たちと一緒にゴール。

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この瞬間はいつだって嬉しくも寂しいものです。1人だけの24時間マラソンなら「やっと終わった」となるのですが、仲間と走った24時間はやっぱり終わるのが寂しいものです。同じチームで走るのはまた1年後になるのでしょう。

そのときにはまたメンバーも変わっているのでしょう。だから今回の走りは、今回のメンバーだけのもの。

チームの記録は140周で252㎞、43位(115チーム中)でした。2時間の中断があったことを思えば上出来です。

個人的にはモチベーションが下がったとき以外には、上手に自分をコントロールできたように思います。ただ、3分/kmで駆け抜けていく学生たちを見ていると、自分がいかに走れないのかが伝わってきます。

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いい刺激になりました。次のステップに向かうためには、今の自分では足りていない。それがはっきりわかったのも大きな収穫です。今回のリレーマラソンで夏の体づくりは一旦終了。

これで、いつでも24時間テレビの24時間ランナーのオファーが来ても対応できます。

ただきっとオファーはこないでしょうから、今週はリカバリー週間に当てて、万里の長城マラソンとハルカススカイランに向けての本格的な練習を9月から開始します。練習の質をもう1段アップさせて、戦える心を鍛えあげます。

以上、ハダシストの宮ヶ瀬湖24時間リレーマラソンレポートでした。


野生の教育論――闘争心と教養をどう磨くか
著者:野村 克也
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