東北・みやぎ復興マラソンの業務用パソコンの紛失に思うこと

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今日、東北・みやぎ復興マラソンから、仙台放送の社員が大会参加者の個人情報が入ったノートパソコンを紛失させたと連絡がありました。

青天の霹靂というべきか踏んだり蹴ったりというべきか。すでにわたしの中では大会は過去のことで、来年以降の開催は大変だろうなと思っていたところに追い打ちをかけるような事態が発生しました。

パソコンにはパスワードがかかっているため、ただちに個人情報が流出することはないとしていますが、それはあまりにも認識が甘すぎるように感じます。

これは断言しますが、意図的に盗まれたものなら、パスワードを解析してログインすることはそれほど難しいことではありません。

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もっとも、まだ盗まれたと決まったわけではありません。あくまでも紛失ですので、どこかに置き忘れた可能性もあります。そして、個人情報の中にはクレジットカード情報は含まれていません。

このため、情報を盗まれたとしても個人の住所や電話番号、メールアドレスくらいです。こんなものはすでにネットで買物をしていれば、世の中にすでにストックされています。迷惑メールが無限にやってくることからも、分かるかと思います。

仙台放送は従業員の教育・指導を徹底して行うということですが、これもあまり意味がありません。人間はミスをするものです。これだけの規模の大会になると、こういうことがあってもおかしくはありません。

そして起きてしまったことは仕方ありません。大事なのはこのあとどう対応するかということです。問題なのは、仙台放送が「起きないようにできる」と思っていることです。

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こういう問題は、紛失が発生する前提で考えなくては本当のリスク管理はできません。いくら防衛戦を突破されないようにしても、そこを突破されると手も足も出なくなります。リスク管理は常に最悪の状態を想定して、行わなくてはいけません。

何よりも大きいのは、今回起きたことは、来年以降の開催についても影響を与えるということです。現段階でのRUNNETでの評価は76.7点です。これはフルマラソンとしてはやや低い評価です。

ただし、20点分くらいは「復興マラソン」だという嵩上げがあります。今年走った人で、また来年も走りたいと思った人は少ないような気がします。もちろんまったくいないとは言いませんが。

そんな状況で、1万5千人もの情報を流出させてしまったかもしれないという事実。

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自分の情報が流出されるかもしれない大会に、積極的に出たい人はどれくらいいるのでしょう。わたしなんかは、個人情報がダダ漏れな状態で生きていますので、それほど気にしませんが、女性ランナーは「絶対に走りたくない」と感じた人も多いかもしれません。

大体のことは復興という御旗のもとに許される雰囲気がありましたが、今回ばかりはさすがに苦しいかと思います。復興は大事でも、わたしを含めてみんな自分のことのほうが大事ですから。

ただ、今回の件はすべてのマラソン大会において、対岸の火事とは言ってられません。目の前に広がる大火のような出来事で、それぞれが個人情報をどう扱うのかについて、しっかりと考えなくてはいけません。

デジタルデータというのはとても便利なのですが、デジタルデータは常に拡散されるリスクがあります。だから管理を徹底しなくてはいけません。これは参加者との信頼関係の問題です。

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個人情報が入ったパソコンを大会関係者の1人が持ち歩ける。危機感の欠如と言われてもおかしくありません。

今回の件で、東北・みやぎ復興マラソンと主催である仙台放送がどのような対応をするのか。ただ謝ってあとは北風が止むのをただ待つだけなのか。それともこのピンチをチャンスに変えることができるのか。

来年以降の存続にも関わる問題ですので、慎重かつ守りに入らない姿勢を期待したいところです。

東北・みやぎ復興マラソンは、宮城県がもう一度元気を取り戻すために、小さくない役割を果たした大会で、これからも継続していかなくてはいけない大会です。

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一時が万事ではありませんが、このような杜撰な管理が、大会の評価がいまいちになっていることにつながっているとわたしは思います。「これくらいで大丈夫」この感覚が、会場内でのアナウンス不足ガイド不足につながっています。

素晴らしい大会のほとんどが、「これがうまく伝わらなかったらどうしよう」という感覚を持っています。失敗するかもしれないことを常に想定して、様々な準備をしています。

もちろん東北・みやぎ復興マラソンは今回が1回目です、すべてを完璧に行うことはできません。

でも少しだけ、力を入れるところを間違っているんじゃないかなと感じるところが所々で見られます。主催者の理屈ではなく、ランナー目線に立てるかどうか。参加者の気持ちを汲み取れる運営ができるのか。

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第1回大会を終えたばかりのところで、いきなり大きな試練がやってきました。

わたしの立場から言えるのはひとつだけ。失った信用を取り戻すには10年間は地面を這いつくばる思いで、誠意を持って地道に改善していく。これしかありません。

東北・みやぎ復興マラソンの事務局や仙台放送にその覚悟があるのか。ここから来年の開催に向けて、その点に注目して見ていこうと思います。


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著者:辻 伸弘
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