2019年から東京マラソンが3がつ第1週に変更されるというニュースがありました。多くの人が気になっているのが、それによって何が変わるのかということですよね。
まず、そもそもなぜ3月に変わるのか。ニュースを読んでいない人もいますので、その簡単な説明をしておきましょう。
簡単に言えば、新天皇即位にともなって「2月23日」が、2019年から天皇誕生日になります。東京マラソンは毎年2月の最終日曜日に開催してきました。このため、東京マラソンと天皇誕生日が重なったり、近くになる日が出てきます。
2019年 2月24日→3月3日
2020年 2月23日→3月1日
2021年 2月28日→3月7日
2022年 2月27日→3月6日
2023年 2月26日→3月5日
天皇誕生日は皇居で一般参賀などのイベントが行われます。東京マラソンはマラソン会場の設置や撤去に数日かかります。東京マラソンと天皇誕生日が数日しか変わらないというのはいろいろ不都合が生じます。
そのため、東京マラソンを動かす必要が出てきたのですが、問題は前に動かすか、後ろに動かすか。それとも大幅に変更するのか。
東京マラソンはアボット・ワールドマラソンメジャーズという、世界6大大会に組み込まれていますので、大幅な変更はできません。タイムを出したいと思うと、気温の低い2月前後が理想です。
ちなみに、直近5年間の東京マラソン当日と1週間前後の天気と気温を見ていましょう。
1週間前
2017年2月19日 晴 12℃/2℃
2016年2月21日 晴 16℃/7℃
2015年2月15日 晴 12℃/0℃
2014年2月16日 晴 10℃/5℃
2013年2月17日 晴 8℃/0℃
東京マラソン当日
2017年2月26日 晴 14℃/3℃
2016年2月28日 晴 15℃/4℃
2015年2月22日 曇 8℃/4℃
2014年2月23日 晴 8℃/3℃
2013年2月24日 晴 8℃/1℃
1週間後
2017年3月5日 晴 16℃/5℃
2016年3月6日 曇 17℃/9℃
2015年3月1日 雨 9℃/6℃
2014年3月2日 雨 7℃/5℃
2013年3月3日 雨 10℃/4℃
多少の違いはありますが、基本的には1週過ぎるごとに気温が上がる傾向にあります。なおかつ3月1週目のほうが天気が安定しないという傾向もあります。毎年3月1周目に開催される三浦国際市民マラソンは、いつも雨に降られているという印象を持っている人も多いかと思います。
これだけのデータで確定するのもやや問題ありですが、東京マラソンは3月第1週に開催されることで、気温がやや高めになり、雨が降りやすくなります。
1週前であれば晴れになる確率はぐんと上がりますが、そうなるとスタート時の気温が低すぎて、低体温症になる人が続出する可能性があります。特に東京マラソンは30分以上日陰で待機しますので、ランナーには酷です。
じゃあ3月の雨はいいのかというと、トップランナーでもない限り、あまり嬉しい天気ではありません。6時間も雨の中走るというのはかなり体力を消耗します。雨によって低体温症になる人も出てくるかもしれません。
それよりも心配なのが手荷物です。
今年は多くのランナーの荷物が日比谷公園に置かれていました。まず、ゴールから日比谷公園までレース後に濡れながら歩くというのは、かなり危険です。そして更衣室内が混雑することも予想されます。
来年以降も日比谷公園が手荷物置き場になるのかが分かりませんが、これまでは「晴れるだろう」くらいの感覚でいたかもしれませんが、2019年以降は「雨が降るだろう」で準備をする必要があります。
もちろん、天気ですので降らない可能性だってあります。でも運営というのは常に最悪の状態も考えて運営します。東京マラソンくらいであれば、大雪で電車が動かないことも想定しているはずです。
その想定の前提が1週間ずらしただけで、これまでとは大きく変わります。
これによって他の大会がどう影響を受けるのか?基本的にはどの大会も影響は受けないはずです。ちょっとマニアックなところでは、大江戸小江戸200kがどうするかといったところでしょうか。
他の大会が天皇誕生日周辺を避ける理由はありません。ただし、日曜日が新しい天皇誕生日と重なる2月23日には、都市マラソンの開催は難しいかと思います。おそらく自治体がいい顔をしません。
東京マラソンが1週ズレたことで、玉突き状態になるのでしょうか?
篠山ABCマラソン
鹿児島マラソン
静岡マラソン
淀川寛平マラソン
三浦国際市民マラソン
2018年の3月1週目で人気があるのはこれらの5大会です。鹿児島マラソン、静岡マラソン、三浦国際市民マラソンは開催日を変更するかもしれません。いずれも1週前に変えれば大きな計画変更なしで開催できます。
これらに加えて、名古屋ウィメンズマラソンも動くかもしれません。直接関係はありませんんが、大きな大会が続くのは陸連としても好ましくはないはずです。
たった1つのマラソン大会の開催日が変更されるだけで、ここまで影響しそうだというのは、東京マラソンがいかに大きな存在なのかということですが、それはそれであまり喜ばしいことではありません。
いつの時代も1強というのは必ず衰退していきます。栄枯盛衰が当てはまらなかったことは歴史上一度もありません。
こういうところから、盤石の体制というのは崩れていったりするものです。開催日変更は仕方ないことですが、それでもどっしりと構えることができるのか、横綱相撲の開催ができるのか(最近は横綱という言葉がネガティブな印象になっていますが)。
とりあえず、わたしたち市民ランナーは「雨が降りやすくなって、気温も上がりそう」くらいのことを覚えておいて、忘年会の話のネタにでもするとしましょう。
どの日に変わっても、きっとわたしは東京マラソンを走ることはありませんしね。
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