千葉マリンマラソンで、後半のランナーが完走できなかったことに対して、サンスポ千葉マリンマラソン事務局から次のような案内が出されました。
『誘導ミスにより制限時間前に完走できなかったランナーの皆様についての対応』
1月21日、本大会ハーフの部において、制限時間前の誘導ミスにより完走できなかった一部のランナーの皆様に、参考換算タイムによる記録書を発行し、後日、個別郵送いたします。現在、今回の対象者と思われる方の選定、またタイムの精査を行っております。改めて皆様には心よりおわび申し上げます。
簡単に言えば、完走できるはずだった人を完走とみなして、記録証を送るということだそうです。
今回の千葉マリンマラソンのRUNNETでの総合評価は42点です。高橋尚子さんがいなければきっと30点台の評価だったでしょう。昨年は低いとはいえ65.1点ありました。
ランナーの評価がすべてではありませんが、事務局は今回の低評価を甘く見ているような気がします。これまで40年以上もやってきたのだから、あえて変化する必要はない。そういう姿勢を取っているようにも感じます。
もちろん、今回は千葉マリンスタジアムを利用できなかったという、イレギュラー要素が入っています。次回同じミスは起こらないでしょう。でもきっと他にミスを犯すかもしれない。ランナーに漂うその雰囲気を感じ取れていないところに問題を感じます。
これはあくまでもわたし個人の感想ですが、スポーツ新聞が冠スポンサーになっている大会は、どれも運営がうまくいっていないように感じます。どの大会も責任者が誰か分からず、現場責任者の顔も見えず、言われたとおりの対応しかできていません。
マラソン大会というのは基本的にトップダウンでないと運営はうまくいかないとわたしは考えています。指揮命令系統がしっかりしていて、なおかつ現場は柔軟に自分の判断で動けることが重要です。
それがスポーツ新聞が冠スポンサーになると、なぜか指揮命令系統が見えなくなります。
もちろん新聞社が悪いと言っているのではなく、それらの多くが40年近い歴史があり、その結果、組織が柔軟性を失っているのが問題の本質ではないかとわたしは感じてます。
今回は制限時間前の誘導ミスということですが、2時間33分台でゴールした人が、その手前で終了だと告げられたそうです。この時間はまだ20kmの関門が閉鎖されていない時間です。
手前の関門よりも先の関門、いやそもそも関門でないところでレースが打ち切られました。現場はそれをおかしいとおもわなかったのか。
道路の封鎖時間を過ぎるとランナーは歩道を走ります。これは毎年のことですのでいいのですが、今年は歩道を走って大会会場に戻ってきたときの、ルートがそもそも用意されていませんでした。
歩道をそのまま走っていくと、走り終えたランナーがドリンクと参加賞を受け取り、チップを取り外すエリアにぶつかります。でも、そこ以外にルートがありません。
そうなると、最初から確信犯的に止めたのではないかという疑いすら出てきます。まさかそんなことはないと思うのですが、そう疑われたくないなら、本来の誘導コースを示すべきですし、どこで何があってそこに誘導できなかったかを説明しなくてはいけません。
それもせずに、推定タイムで完走証を発行するというのは、何の解決にもなっていません。
今回評価が低かった理由としては次のようなものが挙げられます。
・荷物預けが遠いし大行列になる
・5kmの関門閉鎖時間が早すぎる
・給水のコップが不足
・エイドのゴミ箱が少ない
・2日経過しても記録証をダウンロードできない
・チップの回収アナウンスが少ない
・個人的には紫のシューズケースはどうかと…
こんなところでしょうか。とても42回開催している大会とは思えない内容ですが、これをひとまとめにして言えば「ランナー目線が足りていない」ということです。
自分が参加者だったらという視点が不足しているから、動線がめちゃくちゃになってしまいます。今回、おそらくチップの回収率もかなり悪いのではないかと思います。
参加賞やドリンクを必要としていない人は、動線から簡単に外れることができます。そうなるとチップの回収場所にたどり着けません。あのレイアウトをするならチップの回収は走り終えた直後にあるべきです。
ランナーの立場になって考えることができるなら、そういう問題は起きません。歩道を戻ってきたランナーがどう流れるべきなのかすら考えられてなかったとすれば、大会を運営する以前の問題です。
ただ、これくらい低評価でもまた人が集まるのが千葉マリンマラソンです。この時期のフルマラソンの調整レースとしてはコースもフラットでかなりいい大会です。
ところが、その開催すら次回は12月に移ります。それも理由があるのでしょうが、とにかく何をするにしても決定事項だけが伝わってきて、理由などのアナウンスが一切ありません。
きっとその必要性すら感じていないのでしょう。
12月のハーフマラソン。おそらく定員を大きく下回るような気がします。Qちゃんとハイタッチできる。そのためだけに参加してくれる人もいますが、Qちゃん1人できることには限界があります。
アクセスも悪くなく、走りやすいコースがあり、高橋尚子さんもゲストに来てくれる。たくさんの芸能人も走ってくれる。でも本当に大切なものが欠けている。これがわたしの千葉マリンマラソンの評価です。
その「本当に大切なもの」は高橋尚子さんが見せてくれました。大会事務局はそれに気づくことができるのでしょうか?次回大会に期待したいところですが、12月のハーフマラソンは…多分出ないでしょうね。
著者:ロバート・キーガン,リサ・ラスコウ・レイヒー
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