夢の島24時間マラソン前になんとか膝を治しました。治ったのではなく治しました、自力で。今はもう痛みはありません。レースではほぼ影響なく走れることかと思います。
歩くのも困難な状態でしたが、基本的には毎日走っていました。最初は歩いている人と同じくらいのスピードでしたが、治すためには走らる必要があると感じましたので。
普通に考えれば安静にしておくべきなのでしょうが、ケガというのは安静にしていれば治るとは限りません。もちろん痛みは少なくなりますが、根本の部分を治さないと再発します。
打撲や捻挫といった症状なら、痛めた部位が回復するまでは休んだほうがいいのでしょう。今回のわたしの膝が痛くなったのは、激しい動きをしていた結果ではありません。
基本的には、どこかがズレたのだと判断していました。ズレたなら元の位置に戻さないと治りません。元の位置に治すには安静にしていては無理です。動いてズレを治すしかありません。
もちろんこれは素人判断ですので、同じようなことはしないほうがいいと思います。わたしは基本的にお医者さんを信じていない(知り合いの先生、申し訳ありません)ので、自分の体の声と経験を信じて自分で治す道を選びました。
お医者さんに行っても「安静にしてください」と言って、湿布を渡されるだけですから。
もちろんすぐに治ったわけではありません。治ったと確信したのは月曜日の朝ランのときでした。裸足で公園を走っていたのですが、路面に映る自分の影があまりにも普通のランナーの動きをしていました。
その影を見たときに、なんだかとても情けなくなり、すぐにフォームの矯正をしました。頭頂は高く、肩甲骨周りはリラックスして腕は振らない。そうこうしているうちに、ストンとハマるような感覚がありました。
それは元に戻ったというよりも、かつて経験したことのない安定感でした。もちろん膝は痛くありません。それどころか、ものすごく呼吸が楽になり体がどんどん前に行こうとします。
その感覚を覚えるまで走ろうと思ったのですが、この段階ではまだ膝が不安でしたので、いい感じで走れたところで終了。その日の夕方に坂道ランをするときに、フォームを確認しました。
ポイントは顔の向きで、まっすぐよりもやや上を向きます。でも顎を上げて首を反らすのではなく、頭をまっすぐ後ろに引いて、肩甲骨と肩甲骨の間に頭の重さを乗せる感覚。
そうなると首が固定されて、まったく動かなくなります。
左右を見ようにも、首は5°も回りません。上下も5mmくらいしか動かすことができません。ただ、違和感はありませんので、その状態を守ったまま走ります。
これまで使っていない箇所に負荷をかけていますので、肩甲骨と肩甲骨の間にある筋肉だけは疲れていますが、これはただの筋力不足。
昨日もそのフォームを意識して走りましたが、きっとわたしが追求してきた走りに一歩近づいた気がしています。
古来の日本人特有の走り方。人によってはナンバ走りというのかもしれませんが、わたしはナンバ走りを見たことがありませんのでそう呼びません。ただ、この走りならどこまでも走れそうな気がします。
腕は振りません。いや、振れません。頭の重さを肩甲骨周りにかけたことで、背中から後頭部にかけて1枚板の固定されるため、腕を振りたくても振れません。
ケガの功名とはまさにこのこと……と言いたいところですが、まだまだ実験途中ですのでこれが結果につながるかどうかは分かりません。24時間マラソンで試してみますが、大失敗に終わるかもしれません。
ただ、走りの効率という視点だけで考えれば、確実に効果はあります。それも長い距離になればなるほど活きてくるような感じはあります。また背中の筋肉痛と戦うことになるのでしょうが。
この首固定フォームの唯一の難点は足元がまったく見えないということです。首を動かすことができませんので、裸足で荒れた路面を走るときでも、まったく足元を見ることができません。
見えないものだと思ってガマンしていますが、ひとつだけ面白いことに気づきました。足元が見えませんので、当然小石をたくさん踏みます。でもその痛みが蓄積されません。
わたしたちの体は痛みを感じると首周りの筋肉が緊張して固くなります。詳しいメカニズムは省きますが、首周りの筋肉が緊張して固くなると、痛みにどんどん敏感になっていきます。
ところがこのフォームですと、完全に首が固定されているため、首周りの筋肉を緊張させることすらできません。そのため、小石を踏んでもその瞬間に痛いだけで、足を上げれば痛みはなくなります。
それも限度があるかとは思いますので、どこが限界なのか、週末の24時間マラソンの荒れた路面で確認してみようと思います。
思い返してみると、わたしが走りに対して何か新しい気付きがあるのは、いつもケガをしたときです。その状態をなんとかしようとするからか、いつも新しい発見があります。
実はいまの走り方も、これでひとつの完成状態だと思っていたのですが、思わぬところで新しい要素が加わりました。究極のランニングフォームには到達点なんてないのかもしれません。
この走り方で本当にいいのか分かりません。「背中で首を固定する」この感覚をどれだけの人と共有できるのか。そもそもこれで合っているのか。これからまた自分の体を使って人体実験をしていくしかありません。
ただ、ひとつだけこの首の固定が有効であることを裏付ける記事を、幻冬舎ゴールドオンラインで見つけました。
ここでは首は可動域は狭いほうがいいと書かれています。そしてまさにわたしが気づいた首固定について、まさにその方法が書かれています。いや、わたしがここに長々と書いてきたことがシンプルにまとめられています。
この記事だけで「だから自分のやり方は合っている」なんてことは言いませんが、あながち間違っているわけでもなさそうです。少なくともこれを追求していくには十分すぎる裏付けです。
ですので、自信を持ってこのフォームを続けていこうかと思います。ランニングの常識からまた一歩離れてしまいましたが、こういう発見があるからランニングはやめられません。
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