ハルカススカイラン2018レポート〜屈辱の13分13秒〜

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見事にやらかしました。

いったい半年間何をしていたというのでしょう。しっかりと体を作り上げたつもりだったのに、まったくカラダが言うことを聞きません。階段を20段も上がらないうちにやらかしたことに気づきました。

どうやら、ハルカススカイランで必要となる筋肉を見誤っていたようです。階段だから太ももの裏側の筋肉を鍛えるべきだと思いこんでいましたが、スタートしてつらくなったのは太ももの前側。

そんな部分の筋肉はトレイルの階段練習でも、大山の登山道練習でも必要になったこともありません。だから練習は間違ってなかったと決めつけていました。

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ただ唯一の不安要素は、実際の階段で練習していないということでした。でも、実際に階段を走る必要なんてないと思っていましたし、それをできる階段も近所にはありませんでした。

とても小さなことだと思っていたのですが、実際にあべのハルカスの階段を上がるときには手すりを使います。そうなったときに、これまでと走り方がまったく違っていたわけです。

わかりやすく言えば、テスト範囲を完全に勘違いして試験を受けたようなもの。準備をしていない筋肉で戦えるわけがありません。

結果から言えば、13分13秒で1年前から19秒短縮。10分台を狙っていたわけですから大失敗です。この19秒縮めたことなんて誤差範囲でしかありません。

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減量に成功した結果でしかなく、トレーニングの成果ではありません。

わたしはメディアとしても登録していましたので、写真撮影のために毎年もう1本追加で走っています。今回もやらかした直後にもう1本が待っていました。

メディアとして走るときにはカメラを手に持ちますので、手すりを掴まずに上がります。するとどうでしょう。ちゃんと練習で鍛えた筋肉を使えていますし、練習通りに疲労感がやってきます。

手すりがあって、それに頼ってしまったことで、トレーニングしてきたものをすべて無駄にしていたわけです。

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こんな愚かな話があるでしょうか?ただ、仮に最初から鍛えていた筋肉を使って走っていても、おそらく30階くらいで潰れていました。まだそのレベルにカラダが達してないということも痛感しました。

わたしはマラソンにしても、階段にしても体の後ろ側の筋肉を圧縮させて推進力を生み出します。この走り方をするときは、力を抑えるということがとても難しいという難点があります。

階段を跳ねるように上がれるメリットはありますが、それだけ消耗しやすい走り方になってしまいます。

さらに、階段の1段飛ばし。これにも体が適応できませんでした。1段飛ばしは思った以上に疲労感があります。特にわたしのように足が短いランナーには。

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でも女子エリートの部3連覇を達成した吉住友里さんは、わたしよりも遥かに小柄です。それでも軽々と駆け上がるわけですから、わたしが走れないのは言い訳でしかありません。

先日の日記にも書きましたが、6ヶ月の練習が報われなかったのは、圧倒的に努力が足りなかったということでしょう。自分でやりきったと思っていただけで現実はまだまだ練習不足。

実はものすごく腹を立てています。自分自身に。

この程度で「できる」ようになると思っていた自分の甘さに。10分台というのは才能がある人でも難しい領域で、それなのにちょっと鍛えただけで、そこに到達できるかもと考えていたわけです。

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もちろん、やっているときにはしっかり練習をしているつもりでした。でも、もっと追い込めたかもしれません。もっと効率のいい練習があったかもしれません。

「いやいや、ここがお前の限界だよ」という悪魔の囁きも聞こえます。

でも、この悔しい気持ちを「自分の限界」なんていう言葉で片付けられません。わたしはめったに悔しいと思ったりしないことは、このブログを読んでくれている人なら知っているかと思います。

勝負は時の運だから、勝ち負けに関しては今でもまったく興味はありません。

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ただ、自分で思い描いた未来に到達していないというのは、やはり許容できません。追い込むことが体に悪いということも分かっていますが、この壁を乗り越えないまま生き続けることはプライドが許しません。

怒りを力に変えるという行為は好きではないのですが、この屈辱を受け入れられるほど大人ではありません。だったら、本当の意味で自分の殻を破る必要があります。

そのエネルギーの源が怒りだとしても、なりふりを構っている場合ではありません。

限りある人生の中で何かひとつでもやりきっておきたい。それがハルカススカイランで自分が満足できる走りをすることです。半年で19秒しか縮まらないなら、1年かけて38秒縮めてやろうではないですか。

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今シーズンは愛媛マラソンをフルマラソンの勝負レースにするつもりでしたが、この冬は徹底した体作りに充てることにします。

もちろん、愛媛マラソンをファンランにするというわけではなく、そのために調整をしないというだけのことです。スタートラインに立ったら、そこは全力を尽くします。それだって練習になるわけですから。

今回分かったのは、凡人がちょっと頑張ったくらいで、天才たちの住処には足を踏み入れることはできないということです。どこかで吹っ切れないとこの先には進めません。

おそらく、この13分13秒という屈辱的なタイムを出したことが吹っ切れるきっかけになるはずです。こんなにも悔しい気持ちになったのは人生で初めてのこと。

さあプライドを取り戻すための戦いを始めるとしましょう。


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著者:森内 俊之
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