ケガの功名と言うのでしょうか、ハルカススカイランを上手く走れなかったことによって、その検証をしているときに久しぶりに降りてきました。走り方のコツのようなものが。
こういうのは本当にいつやってくるか分かりません。
今のランニングフォームはひとつの完成形だと思っていました。体を後傾にして、体の後ろ側の筋肉を反発させて走る。この走り方が正しいかどうかは別として、ここからの進化はないだろうなと思っていたんです。
自分なりにいろいろ試してみましたが、どれもしっくりこなかったので。だから次にランニングフォームが変わるときは、すべてをリセットしたときだと決めつけていたんです。
でも、その降りてきた感覚は、これまでの延長線上にありながらも、まったく使っていなかった筋肉を使います。大腿筋膜張筋であってるのでしょうか。股関節の外側にある筋肉です。
大腿筋膜張筋は股関節が外旋するのを防ぐ役割があります。走るときに、この筋肉を振り下ろすように圧縮状態から開放します。そうすると足が真っ直ぐにきれいに出ます。骨盤のブレもなくなります。
ランナーはここをしっかりほぐすようにと解説しているサイトなどもあります。この筋肉が硬いと腸脛靭帯炎になりやすいのだとか。今回はそれは問題ではなく、この大腿筋膜張筋に意識を持ってきて走ると、走り方が全然変わったというお話です。
大腿筋膜張筋に意識を持ってくると、骨盤がしっかりと立ちます。そして、ダラダラ走ることができなくなります。いつもと同じ感覚でジョグをしていても、まったくスピード感が違います。
何よりもやっぱり、真っ直ぐで無駄がないというところが気に入っています。
ただ、大腿筋膜張筋を意識するだけで使えるというのは、どうも腑に落ちません。どんな筋肉でも最初は鍛えるという作業が必要です。背中の筋肉を付けるのもかなり苦労しました。足の裏側の筋肉も数ヶ月かかりました。
でも大腿筋膜張筋は最初から使えます。使えるのに使っていなかっただけ。
そして、これに気づいて走りに取り入れて数日で、腹周りの筋肉の見た目がすっきりしました。筋肉が変わるなんていうのはそれこそ数ヶ月かけて行うことであって、数日で目に見えて変わるなんてことはありえません。
でも、現実としてそうなっています。特に、これまでなかなか落ちなかった脇腹の贅肉がきれいになくなっています。
考えられるのは、これが本来のあるべき姿なんだということです。これまでは体の後ろ側の筋肉ばかりを意識していたので、まったく忘れられていた筋肉で、でもそれは使われるべきなのに使われてなかっただけ。
おそらくこれまでのピラティスやランニングでも、ゆっくりと鍛えられていたのでしょう。日の目を見ることがなかっただけで。なんて健気な筋肉なんでしょう。
不安要素はあります。やはり腸脛靭帯炎が気にはなります。大腿筋膜張筋と腸脛靭帯はダイレクトに繋がっていますので、この筋肉の使い方を間違えればランナー膝になってしまいます。
そこから考察すると、裸足ランニングでは大腿筋膜張筋を使わないというのが、ある意味正解なのかもしれません。裸足になると膝の痛みがなくなるなんてことをよく耳にしますが、実際にはわたしは裸足で走り、大腿筋膜張筋を使わずに膝の痛みもなくなっています。
そうなると、大腿筋膜張筋を意識して走ることが、また膝のケガにつながる可能性も考えられます。
救いがあるとすれば、それを知識として理解できているということです。膝に異変があれば走るのを止めればいいだけですし、前の走り方に戻せばいいんです。
しかも、今は大腿筋膜張筋が硬くなるよりも、ゴムのような反発力があるので、いきなりランナー膝になる可能性は低いと考えられます。ただしメンテナンスは怠らないように気をつけます。
この走り方のいいことは、これまでの足の裏側の筋肉の反発力をこれまで以上に生み出しやすくなっているということです。反対にデメリットは、足全体にかかる負担が大きいということ。
これまで逃げていた力が、すべて足裏に乗っかかるわけですから、その力を上手く受けないと過負荷で故障します。
ケアをしっかりすることと、これまで以上に練習の強弱をはっきりさせること。休むときはしっかり休ませることを意識していこうかと思います。
また、これで本当に速くなっているのかは、来週にでも1kmのタイムトライアルをしてチェックしてみます。すぐに速いスピードに適応できない可能性もありますが、まずはやってみること。
はっきりしているのは、座った状態から立ち上がるのが、びっくりするレベルで簡単になったこと。
これが階段上りに役立つとさらにいいのですが、今回はロード向きの気づきです。階段を上手く上がるための試行錯誤は別で検討していきます。
著者:Testosterone / 久保 孝史
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