第57回愛媛マラソンレポート〜苦しみながらもアスリート枠確保〜

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40km地点「もういいんじゃないか」という感情に支配されました。

残り2kmと少し。

足は重たくて思い通りに動かないし、吐き気もあります。風邪によるふらつきはさらに37km地点から続いていて、意識が飛びそうになり、点灯してしまうのではないかという恐怖心と、あと少しだという安堵感。

様々な感情が入り混じり、頭の中が混乱していたのでしょう。それはスピードダウンをうながすものではなく、レースを放棄しろと言っているように聞こえます。

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ぎりぎりのバランスで、悪魔の誘いに乗ることは避けましたが、思い通りに走れないことには変わりありません。全力を出し切ったといえば格好いいけど、現実は自分の体力の読み違い。

ことの始まりは5日前。法事のために早めに帰省していたわたしは、慣れない快適すぎる生活に体が驚き、風邪を引いてしまいました。それもそこそこ体力を削り取られるタイプの風邪。

ごまかしながら練習も続けましたが、連夜のように足を攣りそうになり、1回は実際に攣ってしまいました。怠惰な生活に体重も増えていたことでしょう。頬まわりのお肉に余裕を感じます。

でも走れないことはないですし、天気も良さそうだということで兎にも角にも愛媛マラソンのスタートラインに立つことに。GPSランニングウォッチは腕に巻いたものの「見ない」という決意。

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愛媛マラソンはコースの変化が激しくて、1kmごとのペースを決めると走りが乱れというのは経験済みです。体調もいまいちなのでペースを気にしても仕方ないと、自分の感覚に任せて走り出すことにしました。

そうなると、気分がずいぶんと楽になります。スタート直後の渋滞も慌てることなく、周りに合わせてゆっくりと入ります。風邪明けはいつもよりも心拍数が高いので、心拍数を上げすぎないように注意しながら。

ところが、スタートから4kmもいかないところで3時間30分のペースランナーに追いつきます。

「速すぎるのか?」と、時計を確認したくなる衝動を抑えて、そのまま走ります。無理はしていないつもりでしたし、スピードもそれほど出ていないはず。ペースランナーも混雑具合が解消するまで抑えているのだと判断。

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そのまま走り続けて、実家近くの交差点を通過。

愛媛マラソン、この日の気温は10℃の予報。このスタート直後に暖かは暑さに変わり、手袋はポケットに。じゃまだからと母に渡そうかと思いましたが、これはそうしなくて正解でした。

そのすぐ後にやってくる平田の坂。上り坂が好きというのもあって、グイグイ上っていきます。いま思えばこれが失敗の原因だったかもしれません。

ただ、坂を上ればそこからは下り。今回は試走もしていたので、コースのイメージがしっかりしていたのがかなり助かりました。サングラスをしているのもあって、集中力が高くて1kmがとても短く感じます。

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ただ「このまま行けるはずがない」という疑いの気持ちもあります。イメージでは体力が6割減くらいに感じていましたので、単純に考えれば21km手前で失速してもおかしくありません。

しかも平田の坂を上がって、2つのトンネルを超えたら、とてもつもない強風と向き合うことに。

前を走るランナーの中には風に煽られてバランスを崩す人もいます。ただ、風の強さは昨年学習済みですので、ここは大人しく集団についていきます。

昨年はペース維持を重視した結果、何度も強風にさらされて体力を奪われました。今年は記録もペースも気にしていませんので、無理に飛び出す必要はありません。レースは残りの14kmが頑張りどころで、前半は無理しないというのが鉄則です。

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背の高い選手を風よけにしながらの集団走。申し訳ないとは思いますが、わたしが先頭に立っても小さな体では、風よけにはなれません。

「戻りは向かい風になる」と自分に言い聞かせて我慢します。

思うようなスピードで走ることができないもどかしさはありましたが、自分のコンディションを考えれば妥当な判断です。しかもこの日はスタート前からお腹の調子がイマイチで、エイドでの補給が難しそうだという予感もありました。

案の定、エイドで食べたのは最初の一六タルトを1個だけです。食べると確実にトイレに向かうことになるので、ドリンクもできるだけ控えていました。

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ただ、風は冷たくても汗はかきます。おそらく軽い脱水症状になっていたかもしれません。

それでも32kmまでは集中力を切らすことなく、しっかりとした足取りでは走れていました。ところが、そこから大きく失速が始まります。ペースは分からなくても明らかにスピードが落ちているのが分かります。

そして完全に崩れたのが、平田の坂を下った直後でした。

練習のときも、下り坂の後の微妙な上りに苦しめられそうだと思っていたのですが、予想通りの大苦戦。風邪のせいで意識が朦朧としていますし、足は重いし、脱水症状になっているしで気持ちが完全に限界になっていました。

とはいえ実家のある39km地点までは、なんとか気持ちを繋げることができました。

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実家を過ぎてしまうと、もう気持ちを支えることができません。いつもは残り3kmがスパートエリアなのに、この日は苦しみしかありません。

沿道の声援に応えることもできず、ボランティアさんとのハイタッチをする元気もありません。

ゴール直前でラン仲間が出迎えてくれましたが、ひどい顔をしていたことでしょう。後で動画を見せてもらいましたが、あんなにひどい走りになっているとは……

もちろんラストスパートをする気力もなく、なだれ込むようにゴールしました。

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愛媛マラソン公式タイム:3時間21分37秒(ネットタイム:3時間19分58秒)

ネットタイムでは昨年よりは2分40秒の短縮で、久しぶりに2時間20分以内に完走となりました。タイムは水物ですので、あまりどうこう言うつもりはありませんが、今の自分のコンディションを考えれば悪くはない結果です。

愛媛マラソンのアスリート枠も確保しましたし。

でも、まだ満足できる走りではありません。足りない部分が多くありますし、また1年かけて苦しい練習を重ねなくてはいけないことは把握しました。改善できる点があるというのはいいことだと、前向きに考えるとしましょう。

来年の課題はコンディションづくりといったところでしょうか。これに関しては2019年を通して取り組んでいこうと思います。走力が低いなら、できるだけ100%に近い状態でスタートラインに立つ。まずはここからです。


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著者:土井中 照
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