マラソン大会を走らないという選択肢〜金の斧と銀の斧〜

北海道マラソンに行ってきました。今回はラン仲間は出場するだけで、わたし自身はフルマラソンどころかファンランにも出場しません。もともとは1週間前に24時間マラソンが入る予定だったので、2週連続になるのを回避しただけです。

ところが24時間マラソンは7月に移動しており、8月はきれいに予定が空いている状態。そのため走り込みは十分で、出場していたら過去2回の失敗を取り戻せたかもしれません。

でも、後悔は1ミリもありません。

むしろマラソン大会に行って、レースを走らないということで、新しい一歩を踏み出せたかもしれません。わたしが北海道にいる間に走った距離は、記録に残っているだけで約42kmです。大会に出ているのと変わりません。

でも、わたしが走ったのは決められたコースではなく、札幌というフィールド。道に迷いながらも自由に走ることができたので、これはマラソン大会とは違った充実感があります。

例えば、最終日の朝に早起きして向かった藻岩山。夜景がきれいな場所と聞いていましたが、とりあえず適当に麓まで走って見上げたら、山頂に行ってみたい気分になりトレイルを走ることに。

わたしは山を走るのが好きですが、まさか北海道でトレランができるとは思っても見ませんでした。驚くほど澄んだ空気に、鮮やかな緑が飛び込んでくる景色。どこかにいるであろうヒグマへの畏怖。

普段の山とはまったく違う面白さがそこにはありました。

これは北海道マラソンを走っていたら、経験できなかったランニングです。マラソン大会を走ることが良くないと言っているのではなく、走らなかったから体験できたこともあるという話です。

例えば、今回はわたし以外にも応援だけというメンバーがいました。そのメンバーは応援しながら、札幌のグルメを満喫していました。これも走らないからできる経験のひとつです。

わたしたちは金の斧と銀の斧の両方を選ぶことができません。時間は等しく1日に24時間しかなく、その時間を何に使うべきかということで、あえてマラソン大会に一緒に行って、マラソン以外で走るというのも楽しいなと。

普段のわたしは旅先で走るということをほとんどしません。旅先でやらないことのトップ2がランニングとSNSです。意図的にやらないのではなく、自然と優先順位が下がっているだけのことですが。

でも今回は走りたい気分になり、実際に走ってみると思った以上に楽しかったわけです。観光だけでは見ることのできない景色の中を走る。そしたら、札幌のことをこれまで以上に好きになりました。

藻岩山で交わした「おはようございます」の挨拶。その回数が積み重なるたびに札幌を身近に感じられるようになっていきます。

でも、これはマラソン大会に出る仲間がいるからこそできること。ある部分では身勝手だなとは思います。藻岩山のトレイルで大幅にロスして、朝ごはんの時間ギリギリの戻りになったりしましたし。

わたしは1人での時間も大切にするタイプで、旅であっても自分だけの時間を少しでも作ろうとする傾向にあります。良くない部分だとは思いますが、自分だけで走る時間があれば、それだけで十分に満たされます。

団体行動があまり得意ではないという部分を直すべきなのでしょうが、43年もそうやってきたわけですから、これを直すのは簡単ではありませんし、そんなことに時間をかけたくありません。

自分らしくあるために、旅先でも走るようにする。

しっかり走ることができれば、ご飯をお腹いっぱい食べても罪悪感がありません。さすがに今回は食べすぎたという自覚はあるので、罪悪感はないものの、調子に乗るのは止めようと反省はしていますが。

いずれにしても、マラソン大会を走らなくても、違った角度から楽しむことができるというのは、わたしにとって新しい発見となりました。マラソンは走って楽しむものだと決めつけていた過去を、少し反省しています。

いや、今だから走らないという選択肢を楽しめたのかもしれません。1年前の自分ではできなかった決断と行動。これを成長と呼ぶのかどうかは知りませんが、自分のあり方が常に変化しているのを感じています。

流れる川のように留まることなく変化し続ける。そういう自分でありたいものです。節操のない人間だと思われるかもしれませんが、考え方もやり方も固執しないのがハダシスト流です。

だから、いつかはまた北海道マラソンを走る側になるかもしれません。きっとそれはそのタイミングで自分に必要なこと。今は必要以上にマラソン大会に出ないという選択肢を大切にしようと思います。

きっとそれがわたしにとって、金でも銀でもない普通の斧を選ぶということ。


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著者:大木ゆきの
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