脱力ランニングという可能性【疲れず100kmを走る】

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最近、よく出合うキーワードとして「脱力」という言葉があります。力を抜いてリラックスした状態を作り出すわけですが、いわゆる達人と呼ばれる人たちに共通しているもので、これはランニングでも同じなのではないかという気がします(根拠はありませんが)。

少なくとも裸足ランニングは脱力が基本です。裸足ランニングクラブや裸足王子の吉野さんがどう教えているかは知りませんが、裸足で24時間走ろうと思うと、どうしたって力を抜いて足裏への負担を小さくしなくてはいけません。力を入れて24時間裸足で走れるほど、私たちの体は強くできていません。

だとすれば、シューズを履いても同じことなのではないだろうかと考えたわけです。シューズはなまじグリップ力があるので、必要以上に力を入れているのではないだろうか。それはほんのわずかな力かもしれませんが、90km近く走ると疲労として蓄積される。だから翌日に走れなくなる。

ランニングシューズを履いて脱力できるのかというと、やってみなくてはわからないというのが本音ですが、そこに江戸時代の飛脚が速かった秘密があるとしたら面白いじゃないですか。江戸時代の飛脚はナンバ走りをしてるから長い距離を速く走れたなんて言う人もいますが、それを言う人が結果を出していないからには信用できません。

そもそもナンバ走りなんてものを見たこともないのに「これがナンバ走りです」なんて真顔で言う人は、ほとんど詐欺師みたいなもんだと思ってます。そもそもナンバ走りがどんな走り方かなんてどうでもいいことで、大事なのは誰でも取り入れることができて、画期的な走り方を見つけること。

江戸時代の人がナンバ走りをしていたとして、それで私たちも同じ結果を出せないなら、そのナンバ走りとやらにはなんの価値もありません。そして、何よりも加賀藩の足軽は金沢から東京までの500kmを5日で走っていたわけです。今でもウルトラランナーのトップなら、それくらいできるのかもしれませんが、加賀藩では当たり前にやっていたわけです。

もちろん、向き不向きはあったのでしょうが、当時は家で仕事を継ぐのが普通だったはずなので、飛脚をやっていた足軽の家は代々受け継がれていったはずで、そうなると速くない子がいると都合が悪い。だから、実際には誰もが鍛え方次第で5日で500kmを走れる技術があったと考えるべきでしょう。

その技術が「脱力」だとしたら。もちろんこれは私の推測でしかありません。いや、推測よりも妄想に近いかもしれません。武術の世界、武道の世界で達人は脱力の大切さを説いていますが、その基本的な考えは、相手の力を逃したり、流して利用したりするためのもので、走るといった自らアクションを起こし継続するためのものではありません。

ただ力を利用するという意味では、ランニングでも脱力は活きてくるかなと思ったり。現代のランニングはいかにして反力をもらうかを大切にしていますが、反力を使うのではなく、体の機構を使うことで、力を入れずに走れたら面白いじゃないですか。体の機構とは少し違いますが、HOKAやアシックスが採用しているロッカー構造のソールがまさにそれです。

ロッカー構造というのはシューズの裏面が反っているタイプのシューズで、お店に並んでいるときは、つま先が大きく反り上がり、踵も軽く反っています。踵から着地して前走部に体重移動すれば自然と前に進みます。地面を蹴る必要も押す必要もありません。足を正しく回して、体重移動をスムーズに行うだけで走り続けることができます。

同じようなことが走り方の変更で得られるとしたらどうでしょう?どれだけ走っても筋肉への負荷が小さいので、疲労の蓄積がありません。失った栄養成分を補う必要がありますが、足が常にフレッシュな状態にあるので、毎日でも長い距離を走れるようになります。5日で500kmも絵空事ではなくなります。

では具体的にどうすればいいのか。そもそも脱力をして長距離を走ることができるのか。気になることは山ほどありますが、これはひとつずつ自分で確認していくしかありません。1月16日の東海道再チャレンジまでに、ある程度は形にしておいて、そこで試してみるとします。失敗しても失うものはないので、トライアンドエラーを繰り返して脱力ランニングを極めていければいいかなと。

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