裸足ランナーなのにランニングシューズを履く理由【裸足は選択肢のひとつ】

おそらく、世界で1番ランニングシューズを持っている裸足ランナーだと思います。レビュー用を合わせると年間10足くらいのペースで新しいランニングシューズを入手しており、夏場や冬場はランニングシューズを履いて走っています。でも分類としては裸足ランナーだと思っています。出場するレースの半分以上は裸足で走るので。

記録を狙っているレースでもなければ、ランニングシューズを履いてレースを走ることは基本的にありません。そこに楽しさがないから。裸足でフルマラソンというのは、何回やっても「大丈夫だろうか」という不安があり、それが程よい緊張感を与えてくれます。

だったらランニングシューズはいらないじゃないかと思うかもしれませんが、新しいテクノロジーに触れる歓びがあるので、やっぱり新技術を搭載したランニングシューズは気になります。好奇心とでも言えばいいのでしょうか。新しいiPhoneにワクワクするように、新しいランニングシューズにもワクワクします。

ただ、どんなシューズでも気持ちが昂ぶるわけではありません。作り手の思いを感じられたとき、そのランニングシューズへのワクワク度が増し、「履いてみたい」という気持ちになります。作り手の思いというのは、プレスリリースなどからも伝わってきます。書かれていることが売り手の思いなのか、作り手の思いなのかくらいは私でもわかります。

私はモノづくりの世界で長く働いていたのもあって、設計するという行為が好きで、それを仕事にしている人へのリスペクトの思いもあります。それはランニングシューズに限りません。どんなモノでも企画があって、それに見合った設計をする人がいます。時には無理難題を押し付けられることもあり、夢の中でも設計していることも珍しくありません。

そうやってできたものを大切にしたい。微力ではあっても、自分で紹介して世の中に広めたいという思いがあります。それが物書きとしての役割だし、それができるから物書きをしています。そこにランニングシューズと裸足のどちらが優れているとか、そんな次元の低い話が入り込む余地がありません。

ランニングシューズにはランニングシューズの良さがあり、裸足には裸足の良さがある。どちらかしか選べないわけじゃないのだから、どちらも選んで楽しんだほうがお得じゃないですか。ランニングシューズはケガをするなんて真顔で言っている人もいますが、トレイルで木の根っこに躓いて「路面が悪い」と悪態をつくのと変わりません。

自分がケガをしないように履きこなせないことを、ランニングシューズのせいにするのは愚かなことです。ましてや、その存在を全否定するなんて、心がどうかしています。でも裸足ランナーにそういう人が多いのも事実。本当にランニングシューズがケガを誘発するというエビデンスがあるなら出してもらいたいところ(そういう研究結果があるのは知っています)。

そういう裸足ランナーを批判しても意味はないので、これ以上は書きません。ただ、ランニングシューズでケガをするのは、ランニングシューズに責任があるのではなく、それを履いている人に問題があるというのが私のスタンス。きちんとランニングシューズの特性や設計者の意図を読み取って履けばケガをすることはありません。

でも、ランニングシューズが嫌いな人は、ランニングシューズの特性や設計者の意図なんて考えたこともないのでしょう。だから履きこなせない。そういう意味では、ランニングシューズを履いて走っている人でも、履きこなせている人は限られてしまいます。ランニングYouTuberのシューズレビューを見て大抵がっかりしますし。

ランニングシューズは設計者や開発者とのコミュニケーションを楽しむものです。彼らが何を考えて、何を目標に作り出したのかを感じて、それに合わせた走りをする。見事にそれがハマったときには、ランニングシューズが驚くべきポテンシャルを発揮してくれて、これまでとは違う景色を見せてくれます。

もっとも、それができるようになったのも、ベースに裸足ランニングがあったからです。そういう意味ではランニングシューズだけでもダメ。裸足とランニングシューズを両立させ、その相乗効果を楽しんでいるというのが私の現状です。私にとってはどちらも大切で、どちらも楽しく走るための選択肢のひとつでしかありません。

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