東京マラソンの規約を何度読んでもわかりません。東京マラソン2021が中止になったときの返金と権利移行の関係。何とでも解釈できるような書き方になっているんですよね。私の読解力が間違っていなければ、9月17日までに中止が決まったら参加費の20%が戻ってきて、「2023年は参加する権利は移行するけど参加費はまた払ってね」のような気がします。
大会中止に伴う参加料返金及び出走権利の取り扱いの抜粋が下記になります。
7/18〜9/17 | 9/18〜大会号砲まで | ||
返金額 | 権利移行 | 返金額 | 権利移行 |
20% | ◯ | 0% | ◯ |
ここで問題になるのは「権利移行」の定義。考え方は2つあって、「お金を払ったのだから何もせずに走れる権利を得られる」という考え方と「走る権利は与えるけど参加費は別途払ってね」のどちらにも取れます。ただ返金額が設定されているわけですから「今回分は20%だけど返金、次回はまた払ってね」が考えられます。
ですので発注済みの参加賞アイテムなどは送られてきます。下手したら完走メダルも送られてきます。PCR検査で陽性になった場合には参加費が全額戻ってきて権利も移行なので、もしかして……と思っていたのですが、私の解釈が間違っていたようです。もしかしたらどこかに2023年にそのままスライドみたいなことを書いたかもしれません。
具体的にいくら戻ってくるかを計算してみましょう。PCR検査は返金手数料を除いて全額戻ってきます。参加費は16,500円の20%が同じく返金手数料を差し引いた額が戻ってきます。
PCR検査費分:6,800円
大会参加費分:16,500円✕0.2=3,300円
合計:10,100円
返金手数料がいくらになるか分かりませんが、1万円前後の戻りになります。かなり損をしているような感じはあります。規約に書かれているので仕方ないことではありますが、「権利」の定義を記載していなかったので、おそらく揉めることになるはずです。「権利があるんだから走らせろ」と訴えられたらどうするのでしょう。
それはともかく、おそらく東京マラソン2022に対する申込みが大幅に減ることは間違いありません。いや、申込みはするかもしれませんが、入金しない人が続出するのは容易に想像がつきます。今回はきっと「権利」を出走できると思い込んでいた人が入金しましたが、次はそうもいきません。
ただ2022年大会は「ワクチン2回接種した人にだけ出走権を与える」と言い出すかもしれません。ただ、2020年からの移行組がいるので条件の後付になってしまいそれも難しく、2023年大会も同じです。いずれにしてもこれが東京マラソンの終わりの始まりなのかもしれません。
東京マラソンの凋落を防ぐ方法がひとつあるとすれば「開催すること」です。当然避難されるでしょうし、最初に出した条件とは変わってきます。ただ東京マラソンの開催日くらいには、緊急事態宣言は解除されている可能性が高く、そして何よりも緊急事態宣言下でオリンピックもパラリンピックも開催されました。
その整合性をとるために、強引に開催するというのもひとつの選択肢としてないわけではありません。そんなバクチを打てる人が東京マラソンの責任者にいるのかどうか分かりませんが、東京マラソンを守ることはできます。それが正しいことかどうかは別として……ですが。
オリンピックとパラリンピックを中止にしていれば、「東京マラソンも仕方ないよね」になるのですが、それらを開催したということが参加者からすると「東京マラソンだけ中止はおかしいよね」になります。でも、全体のことを考えたら中止にするしかありません。要するに八方塞がりなわけです。
どこに筋を通すか、誰に嫌われるのかを考えたとき、東京マラソンは数万人で、都民は1400万人なんですから、当然東京マラソンを中止にするはずです。ただ実際には1400万人も1枚岩ではありません。整合性が取れていないことを叩く人も出てくるのでしょう。マラソンに関わる仕事をしている身としては、どちらに転んでも嬉しくない展開になりそうです。
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