マラソンにおいて大切なのは「ロスをなくす」ことです。足から地面に伝える力のロスもそうだし、ロスのないコースどりをする必要になります。むやみにコース変更をしながらの追い抜きは当然ロスになります。
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コース変更は単純に走る距離を増やすだけではなく、普段しない動きを行うので足への負荷が大きくなります。人を縫うように走らなければいけないことが多々ありますが、大きなロスを抱えているという認識は重要です。
走ったり歩いたりを繰り返すのもロスになります。夏の間中エアコンをつけっぱなしにしたほうがこまめにスイッチを切るよりも電気代が安くなるのと同じ原理です。下げたスピードを上げるのには想像以上にエネルギーを消耗します。
わたしはフルマラソンでも「上手に歩きを取り入れていい」派なのですが、これは走りと歩きを頻繁にしてもよいというのではなく、切り替えの回数ができるだけ少なくなるようにするのが理想です。
NAHAマラソンでよく見かけたのは上りを歩き、下りを走る人たちです。トレーナーなどに「上りは歩いていいから」と教えられたのでしょう。上りのたびに歩いている人がいます。
残念ながらNAHAマラソンでそういう走り方をした人はほとんどリタイアしています。そもそも前半に歩いていい時間設定ではないので最初の関門に当然引っかかりますし、引っかからなくても筋力の消耗が激しいため最後までもちません。
できるだけ同じペースで走り続けるのが理想ですが、実はこれもロスに繋がります。同じ動きをずっと繰り返すことになり、同じ場所ばかりが傷めつけられてロスになります。
マラソンをきちんと走り抜きたければこのロスといかに向き合っていくかが重要になります。まったくロスをゼロにするなんてことは不可能です。でもロスを極限まで小さくするチャレンジは必要です。
速く走れるようになるにはまず自分の走りのどこがロスになっているのかを客観的に調べ、その部分を修正していくことが大切になります。
トレーニングの内容も必然的にロスを減らす技術に比重を置くべきですが、どうもこの国では走行距離神話が深く根付いているので「とにかく走れ」「走りこみが大切だ」となっています。
持久力を付けるには確かに走りこみは重要です。ただし走りこみをしたからロスを減らす技術を無視して言い訳がありません。ランナーはもっと技術も重要視すべきではないでしょうか。
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