ランナーの食事について肉食がいいのか菜食がいいのか、それともバランスよく食べるのが一番なのか議論になることがあります。わたし自身も自分の体を使って実験してみました。
その結果、ひとつの仮説が浮かび上がりました。
ランナーが肉食になる理由
一部のランナーの中でMEC食と呼ばれる肉・卵・チーズをメインとする食事法を行っている人たちがいます。糖質制限食と違うのは、「糖質も摂ってもいいけど肉・卵・チーズをしっかり摂ってから」と言うところでしょうか。
肉食のランナーは走りも力強く、圧倒的に速いランナーが多いように感じます。
ランニングには糖質が必要だろうと思うかもしれませんが、ランニングで使うエネルギーを糖質に頼ると常に補給をし続けないとエネルギー源が不足してしまいます。
長居距離を走るときは糖質ではなく体脂肪を燃やして走ればいい。そうすることでレースのパフォーマンスが向上します。それを実感しているランナーも多く、わたしもそのなかの1人です。
ランナーが菜食になる理由
ランナーが菜食になる最大の理由はスコット・ジュレクの存在でしょう。アメリカの伝説のランナーになりつつある彼は完全菜食主義者のビーガンでもあります。
ウルトラマラソン、トレイルレースで数々の記録と伝説を持つスコット・ジュレクが野菜しか食べないということでそれを真似たランナーが菜食主義になっていきます。
スコット・ジュレクの考え方として「体脂肪を燃やして走るのは速く走れない」「長い距離をはしるときに重要なのはカロリーだ」ということがあります。カロリーさえしっかり摂って糖質で走ることが大切。
何よりも肉を食べると内臓が疲れ眠くなります。ライオンがいつも寝ているのは食べた肉を消化するのに時間がかかるためです。ウルトラマラソンではずっと動き続けることが大切だから、肉ではなく野菜を摂るわけです。
日本の人力車の引き手が、肉を食べたら走れなくなったという逸話もランナーを菜食主義に向かわせています。
ランナーが速くなるための食事の仮説
結局どっちがいいの?と聞かれることがあります。
正直どっちが優れているかという議論に答えは出ないとわたしは考えています。肉食でもわたしよりも圧倒的に速いランナーがいて、菜食でわたしよりも圧倒的に速いランナーがいます。
そこでわたしは考え方を変えてみました。
「肉食や菜食などの偏食がランナーを強くしているのではなく、偏食を続けることができる精神力がランナーを強くしている」
ようするに何を食べてもいいんです。肉食のランナーが速いのではなく、菜食のランナーが速いわけでもない。「これが正しい」という信念を持ち、それを貫く強い気持ちを持ち続けられるランナーが速くなれるのです。
トップアスリートが食事に気を使うのも「からだづくりのため」ということになっていますが、実は「万全の食事をしているのだから大丈夫」という安心感を得るためなのかもしれません。
マラソンは体力だけではなく気持ちの強さが結果に影響する
「体脂肪率5%以下の体」「誰よりも多い最大酸素摂取量」「折れない心」どれがマラソンに一番影響するかと質問したら、きっとほとんどのランナーが「折れない心」を選ぶのではないでしょうか。
偏った食事を貫けるランナーはこの「折れない心」の持ち主だと考えれば、彼らが速くなる理由が見えてきます。
食べてはいけないものをあえて作ることで彼らは体を作りつつも、メンタルも鍛えられているのかもしれない。それがわたしの仮説になります。
肉食でも菜食でもランナーは速くなることができます。肉食でも菜食でもランナーは適応することができます。
大事なのはいろいろ試して自分に合った食事を見つけるということ。そしてそれを貫くということ。菜食にしようと決めたのに肉を食べてしまうのは、歩かないと決めたレースの途中で歩いてしまうことに似ています。
一度やると決めたらとことんやる。
そんな性格やメンタルの強さがランナーを速くする。
この仮説どうでしょう?
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