マラソンブームの終焉と試されるマラソン文化への定着

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金沢マラソンの倍率が2.3倍で昨年よりも応募者が3650人減ったそうです。

金沢マラソンの評価が低いわけではなく、翌週に大阪マラソン、水戸黄門漫遊マラソン、そして隣県で富山マラソンが開催される影響がかなり大きい。

実は「万里の長城マラソン2016秋」が金沢マラソンの前の週に行われます。日本事務局はようやく2016年春の精算が終わったばかりでまったく追いついてないので近日中に正式発表します。

それはともかく金沢マラソンに当選したら万里の長城マラソン→金沢マラソンのハシゴです。

わたしはフルマラソンを走るだけなら毎日でも走れると思っていますが、世の中的にはマラソン大会を2週連続出場するのは「普通」ではないようです。

金沢マラソン→富山マラソンの北陸シリーズなんて、すごく魅力的だと思うのですが。来年同じように連続であった場合は、金沢マラソンを走り終えて、富山まで走って移動したうえで富山マラソンというのチャレンジをしてみるつもりです。

チャレンジでも何でもなく、普通にできることなんですが。

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それはともかく大都市マラソンがあまりにも増えすぎて、マラソン大会の需要と供給バランスが確実に崩れ始めているのがわかります。

かなり注目度の高かった水戸黄門漫遊マラソンはまだエントリー募集中です。

10月から11月にかけてほぼ毎週のように、数万人規模のマラソン大会が開催されています。来年からは横浜マラソンがこの激戦区に殴りこみをかけてきます。

横浜マラソンは東京マラソンを避けて冬開催から秋開催へと移行するわけですが、秋には大阪マラソンを中心に評価の高い魅力的な大会がいくつも揃っています。結局倍率もそれほど変わらないままになる気がします。

わたしが危惧しているのは、また景気が悪くなってマラソン大会から次々とスポンサーが降りていき、マラソン大会が連鎖的に終了してしまうんじゃないかということです。

マラソン大会にはランニングシューズメーカーのスポンサーがつくのが定番になっていますが、メーカーの体力がいつまでももつとはとても思えません。

ランナー人口が伸び悩み、フルマラソンを走ることが特別ではなくなった人たちが増えている現状。

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別にランナー側が何かをする必要もなければ、何かを考える必要もないのですが、マラソンブームの終了だけは覚悟しておいたほうがいいかもしれません。

景気が悪化しなくてもマラソン大会の数はおそらくここがピークになるでしょう。

定員割れする大会が増え、大会規模を小さくするか開催そのものをやめる大会もこれから数年のうちに増えてくるでしょう。実際に日光ハイウェイマラソンは開催中止になりました。

マラソンブームの終了がランナーにどんな未来を与えるのかはわかりません。

ランニング雑誌の数が減ったり、一般誌でマラソン特集がされなくなるぐらいしか影響はないのかもしれません。むしろマラソン大会の倍率も下がってランナーにとってはいい時代になるのかもしれません。

大都市マラソンの倍率はこれから右肩下がりになるのでしょうが、悲観的な状況ばかりではありません。

次の日曜日に埼玉の飯能で開催される裸足のマラソン大会「飯能ベアフットマラソン」は過去最高の参加者になっているそうです。万里の長城マラソンも日本人参加者は年々増えています。

小規模で特色のある大会は徐々に認知度が高まり、徐々に人気の大会になりつつあります。

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グレートレースもトレランもそうですが、ランニングの多様性が注目され「走って面白い」大会に人が集まっていくのでしょう。

これはマラソンがブームではなく文化として根付いていくための成熟の過程とも言えます。

マラソンブームは終わっても、マラソンが日本からなくなることはありません。このブームの間にしっかり文化として根付かせた大会や、自分たちの色を出せた大会はこれからも何十年、次のマラソンブームが来るまで続いていくのでしょう。

そう考えればランナーにとっては質の高い大会だけが生き残るのは決して悪いことばかりではないのかもしれません。

各地のマラソンが本当に文化として定着しているかは、これから数年かけて試されることになるのでしょう。

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