名伯楽の小出監督曰く「マッサージばかりしている選手は速くならない」のだとか。マラソンを速く走るようになるには疲労は必要なもので、疲労からの回復の過程が強さを作るという考え方です。
全面的にマッサージを否定しているのではなく、「マッサージは受けるべきタイミングがある」として、普段はむしろ疲労状態で練習することがトレーニングになります。
リディアートもこれに近い考え方をしています。わたしも一般ランナーの疲労なんて自然に回復させればいいと考えています。
足の疲労のためのマッサージではなく体を整えるためのマッサージ
市民ランナーでもトップランナーになると、体を壊しながら1秒を削るわけですので、自然回復だけで十分ではありません。
ランニングやマラソンに競技性を求めないランナーが、マッサージが必要になるまで体を追い込むことに関しては疑問を感じますし、そもそも走り方がおかしいのではなかと思うわけですが、それはまた別の話。
人間の体はペースを上げ過ぎないかぎり、適切な補給があればいつまでも走り続けられます(睡眠も必要ですが)。
じゃあマッサージは不要かというと、体をメンテナンスしてくれる、体の状態を把握してくれる人はいてもいい、いやいるべきではなかと思います。
体の状態を整えてくれる人。それをマッサージと呼ぶのか整体と呼ぶのかはわかりませんが、体の状態を第三者の視点から見てくれる主治医的な人がいれば、こんなにも心強いことはありません。
マッサージで足の疲労を取るというよりは、マッサージや整体で「体をあるべき状態に戻す」ことで、崩れた状態で練習を積み重ねてケガをしてしまうことを予防するのです。
大切なポイントは、信頼できる人に体をケアしてもらう、整えてもらうということです。
ランニングやマラソンにマッサージは必要か
街のマッサージ屋さんを否定するつもりはありませんし、街のマッサージ屋さんにもそれなりのスキルを持った人が何人もいます。でも毎回違う人にマッサージしてもらっていたのでは、一時的な回復だけしか望めません。
自分がこういうトレーニングをして、ここに疲労を感じるけど、筋肉のつき方、疲労のたまり方は間違っていないか。もしくは理想のランナー像があり、そこに向けてのトレーニングのアドバイスを貰える。
こうなってくると、それはもうマッサージとは違う次元になってきます。
話を一般的な市民ランナーに戻すと、そこまでする必要があるかというと、ほとんどの場合はNOじゃないかと思います。
いや本当はYESなんですよ。どんな人でも自分の体の状態を把握してもらえるほうがいいに決まってます。
でも毎週のように体のチェックをしてもらう費用も決して小さくありませんし、月に1回に減らすと体をチェックする側も以前の状態をどこまで覚えているかあやしくなります。
だったら自分の体は自分でケアをする。足の疲労は自然の回復に任せて、マッサージが必要な状態にしないことです。無理なランニングを積み重ねないこと。
疲労と上手に付き合っていくことが大切です。
自分の体の声を聞くだけでは不十分
繰り返しになりますが、大切なことですので書いておきますが、理想は「自分の体を正確に把握してくれる人がいること」がベストです。
それがマッサージ師さんなのか、整体師さんなのか、鍼灸師さんなのかは人それぞれですが、一緒になって体を整えてくれる人がいることがベストですが、すべての人がそこまでできるわけではありません。
だからきちんと体の声を自分で聞けるようになることが求められます。
体の声をどうやって聞くかもいろいろあります。ジャイロキネシス、ヨガ、ピラティス・・・他にもまだまだあります。
そうしたものを通じて自分の体の癖や特徴を知り、そして自分自身で自分の体の主治医になることです。
体の声が聞こえるようになったら、あとは強制的に回復させなければいけない疲労なのか、自然に任せて回復させていい疲労なのか、そしてどこまで疲労を積み重ねていいのかを意識して体と向きあいます。
体の声が聞こえるからといって、すぐに疲労の感覚がわかるわけではありません。
体の声が聞こえるというのは、体の発する信号を受け取ることが出来ただけ。大事なのはその信号の意味を理解し判断するという次のステップです。体の声を効くだけでは不十分です。
マッサージに頼らず足や体の疲労と向き合う
まわりくどい書き方になりましたが、結局のところマッサージに頼り過ぎないで、自分で自分の体をケアできるようになることを目指してもらいたいということを、わたしは伝えたい。
一部の特別な人でない限り、誰かに自分の体のケアを委ねるこということは難しいわけですから。
きちんと体の声を聞けるようになると、ランニング中の体の中の異変にも気づけるようになり、そして痛みの原因などもランニング中に分かるようになります。
慣れてくると痛みの原因を取り除きながら走ることも出来ます。
その状態になるには長い時間が必要になりますが、「誰にでもできる」ことです。才能なんていらない世界です。
そしてランナーは、一歩踏み込めばその領域に入れる直前まで来ています。
そこでマッサージに頼るのか、それとも自分でなんとかしようとするのか。
マッサージに頼ることはいつでもできること。だったら一歩踏み込んで、自分で自分の体のケアをできることを目指してみませんか。
マッサージ屋さんにしてみたら「いらんこと言うな」かもしれませんが・・・
スポンサーリンク
コメント