ランニングと乳酸とカリウムとナトリウムと疲労の関係

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一昔前は疲労物質は乳酸だと言われていましたが、いまは乳酸はエネルギー源だと言われています。もし本当に乳酸がエネルギー源だとすれば、やっぱり人間は永遠に走り続けられる?

乳酸ってそもそもなんだろう?

わかっているようでわかっていない乳酸についてちょっと考えてみます。

目次

疲労物質は乳酸ではなくカリウムイオン

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そもそも乳酸が疲労物質と言われたのは、運動後の血液を調べたら乳酸の量が増えてたから「疲労の原因はこいつじゃね?」ということで勝手に悪者にされただけ。

情況証拠だけで「犯人はお前だ!」って金田一少年に指をさされただけのこと。

言うまでもありませんが、乳酸菌と体内の乳酸は同姓同名なだけで赤の他人です。

それはいいとして、いま疲労物質と言われているのがカリウムイオンだそうです。運動をすると細胞内のカリウムイオンが細胞外に出てしまい、そうなると筋肉の収縮能力が低下します。

その低下を抑えるのが乳酸というわけです。

正義の味方なのに悪者扱い・・・ハリウッド映画によくあるあれです。

ただし、これらすべて「そうじゃないか」と言われている仮定の話。この手の常識はいつも簡単に裏返ります。

体内のナトリウムとカリウムの関係

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60kgの人間の体内には120gのナトリウムと240gのカリウムがあるそうです。そしてカリウムの98%が細胞内にあります。ナトリウムは10%が細胞内、50%が細胞外、40%が骨中です。

通常、このナトリウムが細胞の外、カリウムが細胞内に存在して、細胞の内と外の浸透圧のバランスを取っています。運動することで細胞外のナトリウムが汗とともに外に出てしまうことで、このバランスが崩れます。

この状態ですでに浸透圧のバランスが崩れ、細胞が膨張して破裂するのか、それともその後の水分補給によって細胞外のナトリウム濃度が下がって、細胞が膨張し破裂するのかはわかりませんが、いずれにしてもこれが疲労の原因です。

ということは、ものすごく単純に考えて細胞外のナトリウム濃度、もしくは浸透圧を変えなければ、細胞は破裂せずにすみ、疲労しないということになります。

走る

体温が上がる

汗をかく

体内の水分、ナトリウムが低下

浸透圧のバランスが崩れる

細胞が破裂

疲労

適切なナトリウム濃度の水を補給することで、細胞を壊さずに済むわけです。

ただ、この適切な濃度というのがやっかいで、汗の塩分濃度も条件によって変わるため、完全な正解を見つけることは実質不可能です。

できることといえば、思ったよりも早めに水分と塩分補給が必要だってことです。

いやそんな単純は話ではないのでしょうが、疲労を遅らせることは可能な気がします。

水分と塩分が体内に吸収されるスピード

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水は腸で吸収されます。飲んでから吸収されるまで30分かかります。体が水を必要とする30分前に飲んでおかなければ、間に合わないことがわかります。

しかも水だけを摂ると、細胞外のナトリウム濃度が下がるためやっぱり細胞が破裂してしまいます。きちんとナトリウムの補給も必要になります。

これがランニング中にスポーツドリンクが必要だと言われる理由です。

ただし、スポーツドリンクは水よりも体内への吸収スピードは遅くなります。

もうここまで来ると、なにがなんだかわからなくなってきますよね。

もっと落ち着いてその理屈を紐解いていかなければ、40歳の脳みそにはなかなか入ってきません。

とりあえずわかっているのは、適切な水分と塩分の補給で疲労は防げる可能性があるということです。

結局乳酸は何をしているのか

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速筋を使う運動をすることで発生するのが乳酸、そしてその乳酸は遅筋を動かすためのエネルギー源のひとつになります。人体の不思議というかうまくできているというか。

ですので現在の説が正しければ、乳酸は走るための味方ということになります。でも本当かどうかはわかりません。

乳酸が増え過ぎたらどうなる?乳酸はどれぐらいまで貯めることができる?わかっていません。

わかっているのは乳酸の発生量と消費量をイコールにすれば、体内のバランスはとれるということ。適切な量の乳酸を提供し続けられる速度で走れば、体内のエネルギー問題は回避できることになります。

もっとも乳酸を作り出すための元のエネルギーが尽きたら終わりですが、それは体脂肪を使えるとか云々かんぬん。

書きながら気づきました。

これはちょっと複雑すぎる問題です。

とりあえず今日のところは、細胞を壊さないような水分と塩分補給と、適切な量の乳酸生成で長く走り続けることができるということだけ頭に入れておいてください。

そして走りながら筋肉がパンパンになるときに、体内で何が起きているかをイメージしながら走ると、そのために何をすべきかが見えてくるはずです。

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