「マラソンは首で走る」としたらランニングの常識が変わる

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もしかして、もしかしてですが、マラソンやランニングで重要なのは脚だけじゃなくて、首なんじゃないかと考え始めています。

夢の島24時間リレーマラソンで首をほぐしながら走ったら、裸足の痛みが軽減されたこと。これがそもそものきっかけなのですが、例えば1kmを3分で走れる人とそうでない人の違い。それは脚とか心肺機能ではないとしたら。

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どんなに頑張っても5000m16分30秒を切れない人たち

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箱根駅伝の予選会にエントリーできる基準が5000m16分30秒、もしくは10000m34分以内です。ものすごい練習をしてもこの16分30秒が超えられない壁になっていることがあります。

一方でほとんど練習をしなくてもこの16分30秒を簡単に越えていく人たちがいます。

その差はどこにあるのか。同じ人間なら少なくとも努力をすれば同じ領域まで達しそうなものなのに、頑張っても頑張っても届かない。

でもその頑張りが間違った方向なんじゃないかと、たくさん距離を走って、足を鍛えて・・・いまなら体幹のトレーニングも注目されています。

ある程度まで足を鍛えた人は、さらに足を鍛えるのではなく、実は首を鍛えるべきだとしたら。才能の差は足や心肺機能の差ではなく、首周りの強さ、柔軟性だとしたら。

首が固くなると平衡感覚が悪くなる

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肩甲骨と骨盤の連動はこれまで何度も説明してきました。そして首周りの筋肉の緊張が、体の他の部分の緊張にもつながるということも。

フルマラソンの後半、スピードがガクッと落ちるのはスタミナ不足やペース配分のミスもあるけど、首周りの緊張ももしかしたら原因のひとつではないかと考えています。

よくマラソンの終盤で「腕を振れ」というアドバイスをする指導者がいますが、あれの効果は推進力ではなく、肩甲骨周りの筋肉のほぐしなのかもしれません。

そして首周りの筋肉が固くなることの問題は体の連動がうまくいかないだけでなく、視覚に対しても悪い影響を与えます。

首が柔らかくて安定していると、それはクッションのように衝撃を吸収することができます。このとき目というカメラがブレにくい状態なのですが、首が固くなるとショックを吸収できず、目というカメラがブレはじめる。

そうなると脳にはブレまくった映像が送られて、それを補正するのにエネルギーを使います。

ブレが大きくなりすぎると、補正処理も追いつかなくなります。

視覚のブレを修正しきれなくなるとどうなるか。それは平衡感覚を失ってしまうことになります。片足立ちするときに片目をつぶるとバランスが取れなくなるように、わたしたちは視覚情報から体のバランスを取っています。

首を強くすべきか、それとも柔軟性をもたせるべきか

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なぜ、首周りがマラソンに影響するのではないかと考えたかというと、リオデジャネイロオリンピックの女子マラソンの伊藤舞さんの写真を見たときに「首がしっかりしてるなぁ」という印象があり、もしかしてと他のランナーを見てみるとやっぱり首の安定感がすごいんです。

太さはそれぞれですが、トップランナーの首は驚くほど安定しています。

これが持って生まれたものなのか、速く走るための成長の過程でそうなったのかはわかりませんが、首の安定は走りの安定に繋がっている可能性はとても高い気がします。

ただ、首をどう鍛えていいのかがまだ見えていません。

首周りの筋力をつけるべきなのか。それとも柔軟性のある首を作るべきなのか。もっとも柔軟性も筋力がなければ出てきませんので、「柔軟性のある筋肉をつける」ことで走りの根本が変わるとしたら面白くないですか。

おそらく多くのランナーが1kmを4分よりも速く走れない理由として、スピードを上げたときに目のカメラがブレて、平衡感覚を維持できなくなっているのもひとつの原因だとしたら、鍛えるべきなのは足ではなく首です。

100%仮説で、科学的な根拠も何もないのですが、もしこの説が正しいのなら、あらゆるスポーツに応用することが出来ます。

「マラソンは首で走る」絶対に売れなさそうなタイトルですが、まだ誰も提唱していない理論ですので、ブルーオーシャンになる可能性があります。

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