ドーピングはなぜダメなの?その根本的な理由が見つからない

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リオデジャネイロオリンピックにロシアの陸上チームが参加できなくなったことで、注目を浴びているドーピングですが、そもそもドーピングって何?なんでドーピングがダメなのか、説明できる人はあまりいません。

「ドーピングは禁止されているからダメなんだよ」は間違いではないですが、それだけでは不十分です。

目次

ドーピングが認められない理由

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実はドーピングがなぜダメなのかはきちんと定義されています。

  • スポーツの価値を損なうため
  • フェアプレイ精神に反するため
  • 健康を害するため
  • 反社会的行為であるため、社会や青少年に悪影響を及ぼすため

この4つがドーピングが認められない理由になります。

正直なところ「健康を害するため」以外は説得力に欠けるように感じます。その3つの禁止理由は「ドーピングが悪である」という前提に立って「認められない」としています。

卵が先か鶏が先かの議論ではないですが、「健康を害するため」以外は「悪いから認められない」「認められていないから悪い」の堂々めぐり。

結局のところ、ドーピングを認められないのは「健康を害するため」以外にはその正しい理由はないのですが、問題は市販薬に含まれているものがドーピング対象だということ。

じゃあ市販薬に含まれているものは健康を害する?いまは禁止リストからはずれていますが、カフェインは2004年まで禁止リストに載っていましたので、以前のアスリートはコーヒーすら飲めなかったわけです。

ロキソニンはドーピングではない

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ランナーが気になるのは「ロキソニンはドーピングなのか?」ということですが、ロキソニンはドーピングにはなりません。禁止リストに含まれる成分を含んでいない薬です。

ロキソニンはその効果の高さから、ウルトラランナーやトレイルランナーがよく使っていますが、ロキソニンを服用してパフォーマンスが向上してもそれはまったくルール違反ではありません。

ロキソニンの効果ぐらいでは、フェアプレイの精神に反しないし、スポーツの価値も損なわないし、反社会的行為でもないというわけです。

禁止リストに入っていないならどんな薬物を飲んでもいい。

これがアスリートの世界では常識です。オリンピックで競い合う選手のうちどれだけの選手が、薬に頼らずにいるのでしょうか。

少なくともロキソニンは飲んでもいいわけです。そしてロキソニンが大して話題にならないのは、彼らはもっとえげつない薬を飲んでいるからです。

もちろん飲んでいない人もいるのでしょう。

シャラポアが引っかかった禁止薬物メルドニウム

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テニス選手のシャラポアさんもドーピング問題の渦中の人物ですが、彼女が引っかかった禁止薬物はメルドニウムといって、ロシアでは誰でも買うことができ、ロシアのアスリートではサプリメントとして摂られていました。

このメルドニウムは2016年1月から禁止リストに入っています。

ロシア人にしてみれば青天の霹靂。感覚で入れば「今年からロキソニン禁止ね」って言われるよりももっと深く根付いているのがメルドニウムです。「今年から食パンマンは悪だからね」ぐらいの無茶な話かもしれません。

いずれにしても禁止リストに追加されたことで、次々とロシア選手のドーピングが発覚したのと同時に、ロシア陸上チームが、国ぐるみでドーピングの隠蔽を行っていたということが今回の騒動です。

ドーピングが悪いというよりも、ドーピングを組織ぐるみで意図的に行い、隠蔽したことがフェアプレイの精神から外れているし、スポーツの価値を損ない、反社会的行為だとされたわけです。

ちなみにロシアばかりがドーピングで注目されていますが、マラソン王国ケニアもドーピングが大きな問題となり、リオデジャネイロオリンピックへの出場が危ぶまれています。

それでもやっぱりすっっきりしないドーピング問題

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現在のドーピングの問題と、ドーピングがダメだとされる理由を説明しましたが、やっぱりすっきりしません。

それは「ドーピングがなぜダメなのか」という問いに対する答えがはっきりしないからです。飲むことで確実に体が壊れていくような麻薬のようなものが禁止されるのはわかります。

ではメルドニウムが禁止で、ロキソニンが禁止でない理由はどこにあるのでしょう?

ちなみに風邪や肩こり、頭痛に効くと言われている葛根湯には禁止リストに入っている成分が含まれています。葛根湯は飲んでダメなのに、ロキソニンはいいわけです。

別にロキソニンを貶めたいわけではないのですが、例としてわかりやすいので上げていますが、言いたいことは禁止になる基準がよくわからないということです。

世界アンチ・ドーピング機関(WADA)のさじ加減ひとつで、禁止か禁止でないかが決まるわけです。そしてそこで禁止になったら「今度からこれ飲んだ奴は悪だからな」と通達する。

選手はまぁそれをルールとして受け入れるしかないのですが、反対に禁止リストに入っていなかったら何をしてもいいという発想になりますよね。

実際何をしてもいいんですが・・・

結局のところドーピングが悪いというのは、人間の作り出した概念というか思い込み、いや刷り込みと言ってもいいのかもしれません。

ドーピングはフェアではないかもしれませんが、そもそも禁止リストへの選別がフェアに行われているのかという問題も抱えています。

ようするにドーピングはただのルールでしかありません。ルールを破るのはダメ。でもルールは誰かの都合によって書き換えるけどね。さて誰の都合なんでしょう。

そういえばカフェインが禁止リストから外れた2年後の2005年、コカ・コーラが2020年までオリンピックのスポンサー契約を更新しましたけど、カフェインが禁止でないなら安心して選手もコーラを飲めますよね。

違反でないならカフェインの入っているコーラを大々的に宣伝することも可能です。

さて誰の都合でドーピングの禁止リストは作られているんでしょうね。考えすぎ?考えすぎるから面白いんじゃないですか。

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