待望のハルカススカイランを走ってきました。午前6時30分に夜行バスで天王寺に到着し、そこから仕事をしながら受付時間を待ちます。
今シーズンの目標がハルカススカイランではなかったので、ギリギリまで愛媛マラソンに向けて追い込んだのもあって、会場近くに向かう途中の階段ですら上がるのが困難な状況。
えぇ言い訳ですとも。
わたしはプレスの仕事もあるので、大会の受付をしてプレスの受付をして、開会式の写真も撮ったり、スタートするランナーの写真も撮ったりしているうちに、アップもせずにスタート時間。
自分のベストを尽くせばいいと思っていましたが、完全になめてました。300m1610段のあべのハルカス。昨年よりも50m高いくらいでしょ。そんな甘い気持ちで前日にラン仲間との忘年会もして、そのまま夜行バスに乗りました。
ハルカススカイランはそんな甘いレースではありません。きちんと階段練習もして、万全のコンディションで挑まないランナーには厳しいお仕置きが待っています。そんなことは昨年の大会で嫌というほど味わったはずなのに、辛いことはさっと忘れてしまう素晴らしい記憶力。
とにかく体を温めることなく、わたしはスタートラインに立ちました。
気持ちが昂りすぎていなかったのは、大阪に住む叔母が応援に来てくれたこと。おかげでなんとかスタート前に冷静な自分を保つことができました。
とはいえ冷静な自分と動かいない体はうまく噛み合いません。ゆっくり目に入ったにも関わらず、脚にはどんどん疲労が溜まっていきます。いえ天王寺駅に到着した時点ですでに階段を1段上がるのもきついくらいでしたので・・・
最初のエイドステーションがあるのは17階。
そのエイドはスルーしてそのまま走り続けます。エイドのタイムロスをなくしたい。そんな思いで走っていたのですが、よくよく考えてみれば、わたしはみんなにこの大会を知ってもらいたくて走っているのですから、どんなエイドなのかきちんと知っておく必要があります(謎の使命感)。
というわけで第2エイドの25階で階段を離れエイドステーションへ。
ただし、このエイドステーションが同じフロアのかなり離れたところにあるため、大幅な時間ロスになります。上位ランナーはこのエイドステーションで運命が分かれたかもしれません。
わたしはただひたすらに上がるだけ。
本当なら1段飛ばしで走るのがベストなのですが、わたしの短い足ではとても1段飛ばしは無理です。大柄な欧米の選手はきっと2段飛ばしで駆け上がったのでしょう。優勝者の8分台という記録は、そうでなければ信じられないスピードになります。
いや、決して体が小さいことを言い訳にするつもりはありません。エリートの部の女子で優勝した吉住さんはわたしなんかよりもよっぽど小柄な選手です。
えぇわたしが重すぎるんです。知ってます。
30階まであがってまだ半分、40階まであがってまだ1/3も残っています。脚のパンパン具合は5階の段階ですでにやってきています。
どうすんだよこれ・・・
ハルカススカイランのために調整しなかった自分を恨みながらも、目の前の階段を一段一段上がっていきます。それでも途中で走れなくなったランナーを追い越しながら。
いまさら言うのもなんですが、わたしは裸足での挑戦です。裸足で走る金属製の非常階段の冷たいことといったらもう。部分的にカーペットになっているフロアもありましたが基本は冷たい金属。徐々に足の指の感覚もなくなっていきます。
いやそれも言い訳ですが。
命からがら60階のフロアに到着したら「あと1周です!」の励ましの声。
1周?
意味がわからず60階のフロアに上がると、ゴールはフロアを1周した反対側。もうフラフラになってなんとかゴールに飛び込みます。
19分1秒
1秒が悔やまれると言いたいところですが、トップランナーが8分台だと思うとそんな1秒なんてどうでもよく感じます。18分台だったとして差は歴然。
全力を尽くしたと胸を張りたいところですが、息が上がるより前に足のパンパン具合が先に来て満足できる結果ではありませんでした。
そうして満足できないままわたしのハルカススカイランが終わって・・・いかないわけです。
実はわたしはRUNNING STREET 365としてプレス登録もしていたため、非公式ながらプレスランナーとしてもう1度走るチャンスをもらっていたのです。
本来なら1年後へのリベンジになるはずですが、まさかの3時間半後にリベンジのチャンスが巡ってきました。
1本目は右手にミラーレス一眼、左手にGoProを持って、河童と半被のいつものスタイルでしたが、このチャンスに同じことを繰り返すわけにはいきません。
大人げない本気モードです。
手には何も持たず、ポケットにはiPhone1台。もちろん足には何もなく。
プレスランナーですが、どうやらボランティアの学生さんたちも希望者が走れたようで、同走になったのが阪南大学の運動部の学生さん。いや、これはついて行っちゃいかん。
あべのハルカスには阪南大学のキャンパスがある関係もあって、ハルカススカイランは阪南大学がスポンサーのひとつとなり、大勢の学生さんがボランティアとして参加していました。
こういうのは純粋に嬉しいですし、非公式とはいえそういうボランティアさんに走るチャンスがあるのはとても大切なことだと思います。こういうことが5年後10年後につながっていきます。
それはともかく2本目のハルカススカイラン。
今度はしっかり体をほぐして、自分のペースを守りながら、それでも1本目よりはスピードを上げて入ります。1段飛ばしで行けるところまで。
結果的には8階で限界はやってきました。
そりゃそうです。数時間前にそのときの全力で上っているのですからかなり消耗しています。しかも時計もしていないので、どれくらいのペースなのかまったくわかりません。
止まりたくなる気持ちを押さえ込んで、1段飛ばし。
1本目では足がパンパンになっていましたが、今度は心肺機能が「もう無理」と言い出します。もう無理かどうかはお前が決めることではないと言い聞かせて、自分を追い込みます。
こんなに自分を追い込んだのはいつぶりでしょうか。ただ、この状態こそ自分がハルカススカイランに望んでいたことです。自分の限界の先に飛び込む。
タイムなんて関係ないんです。とにかく目の前にいる自分の背中になんとかして追いつこうとする気持ち。
心臓が飛び出るのではないかと思いながらたどり着いた2回目の60階。最後の1周も気持ちを切らさずに、集中して走ります。たった1歩でも後悔をしたくない。そんな思いだけが、わたしの足を前に向けます。
14分36秒
14分?さっき19分でしたが・・・
どうやらわたしはやれば出来る子だったようです。もちろん全然足りない部分がいっぱいですし、ハルカススカイランに向けて調整していれば、もっといいタイムも出せたはずです。何より1本目にカメラを持たなければ。
はい、それも言い訳ですが。
この世界は結果が全て。来年はハルカススカイランに集中できるように、愛媛マラソンで確実にアスリート枠を確保しにいきます。今日の階段で感じましたが、まだまだ練習での追い込み、自分への厳しさが足りません。
41歳が結果を出そうとするなら、もっと自分に厳しくならなくては。そんなことを感じさせてくれるハルカススカイラン。でも来年はクリック合戦になるんじゃないかと・・・
もしエントリーできたら階段の多い香港で合宿でもしようかな。
万里の長城マラソン、大山登山マラソン、そしてハルカススカイラン。どうもわたしが好きになる大会はすべて階段が絡むようです。
というわけで、ではないですが来年は関東勢のラン仲間さん、みんなで出ませんか?こういう大会はきっと規制の多い関東ではなかなか開催できません。
今年は関西勢の力強さを見せつけられた大会でしたが、来年は関東勢が乗り込んで、関東のランナーの強さも見てもらいましょう。そしてハルカススカイランが世界に誇れる日本の大会にみんなで盛り上げてみませんか?
5年後、10年後にエントリーが大変な大会になってしまう前。始まったばかりのいまが参加のチャンスですよ。
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