旅をすることが目的であり、目的があって旅をしているわけではない

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松江に来るのは3回目で、松江城も小泉八雲さんの家も行ったので、違うところを散策しています。マラソン前日だというのに歩き疲れて、和菓子のお店で休憩中。ほとんどの和菓子屋さんが店内飲食をできない状態なんですが、彩雲堂だけ飲食スペースがあり助かりました。

お茶屋さんにお菓子を持って行くという方法もあるらしいんですが、イレギュラーな感じがするので無難に。彩雲堂は前回行った松江歴史館内にある、喫茶きはるの職人さんが働いていた和菓子屋さんなので間違いないものの、だからこそ違うところを選びたかったのですが。

まだ3回目の松江ということもあり、知っておるところもあれば、気付かされることも多くて、ということは旅ランで訪れる先では、その街の表面にしか触れられていないんだなと。それはもう仕方のないことなのですが、知ったつもりにならないように気をつけなくてはいけないなと。

たとえば同じ日本でも、東京と地方では新型コロナウイルスに対する考え方が大きく違います。都市部では深刻に考えている人はかなり減っていますが、地方に来ると「また増えてきて」という人もいて、まだ恐れるべき対象なんだということがわかります。

そういうところで、都会と同じ感覚の発言をするのはよろしくありません。「郷に入れば郷に従え」というのは、明確に定められたルールに従えばいいというのではなく、空気感や雰囲気も従うことが大切であることを示しています。

もっとも、今どきは「郷に入れば郷に従え」なんて考え方をする若者も少なく、10年後には誰も使わない言葉になるのかもしれません。空気を読むという感覚も薄れていますし、何よりもまずは自分という人も少なくありませんから。

私のように旅が好きという人も、年々減っていくんだと思います。何でもインターネットで調べることができ、美しい風景だって10年後にはARで見られるようになるでしょうから。空気感や香りまでは再現できないとしても、それを望んでいる人は少数派。

今回の全国旅行割でも感じたことですが、大抵の人は自発的に旅に出掛けません。DNAがそれを欲していないのでしょう。私たち日本人は農耕民族としてのDNAがあり、同じ場所に留まることに安心感を得ることができ、わざわざ外に出掛けようとは思いません。

もちろん全員がそうというわけではなく、狩猟民族だったころのDNAが色濃く残っている人もいるのでしょう。ちなみに、いまDNAのせいにしていますが実際にDNAが影響しているかどうかは知りません。ただ、旅に出たい人はそう多くないということ。

旅に出るという人も、旅をすることが目的の人と、旅先に目的とする何かがあるという人に分かれます。私はどちらかというと前者。後付で目的を決めるタイプ。とにかく同じ場所にはいられない性格なので、旅ができなくなると息苦しくなります。

「◯◯があるから」という理由で旅をする人は、興味や関心が外に向いているのでアクティブに見えます。私のように旅が目的の人は、興味はあくまでも自分の内側にあります。美しい景色を見て、自分がどう感じるかということを大切にしています。美しい景色を見ることは、感じるためのきっかけでしかありません。

もちろん旅先での風景や、美味しいものとの出会いは大切にします。それ以上に、大切にしていることがあるというだけ。結局、私は自分のことしか興味がないのでしょう。自分をどんどん深掘りしたくて、まだ知らない自分を探して、またどこかにたびに出るわけです。

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