中東で何が起きているのか自分なりにまとめてみた

ロシアとウクライナに続いて、イスラエルを中心とした中東でもきな臭い雰囲気が漂いはじめ、ここに中国と台湾の争いが加わってくると、ちょっと他人事ではなくなってしまいます。ただ、中東に関しては自分の知識不足が半端なく、いったい何が起きているのかすらわかっていません。

どちらに加担するとかそういうつもりもありませんが、せめてこの時代を生きる1人として、なぜこんなことになっているのか自分なりに把握しておきたいなと思って、ブログを書きながらまとめていこうかと思います。調べながらの書き物なので間違いもあるかもしれませんが、ご了承ください。

目次

イスラエルと周辺諸国の歴史

まずは騒動の中心にあるイスラエルについて。人口は929万人で、国内総生産が世界29位、1人当たりGDPが13位となっていて、そこそこの大国ということになります。主要産業は鉱工業と農業で、ハイテク関連に強い国というのが国としての姿。

ただ、それは現在の中東問題にそれほど関係なく、最大の特徴はユダヤ人の国だということ。そしてエルサレムには、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の3つの宗教の聖地があります。ここまでは学校で習ったような記憶が薄っすらとあります。

そもそもの発端は約2000年前に、ローマ帝国がパレスチナ(地名としてのパレスチナ)にあったユダヤ人の王国を滅ぼしたことにあります。これによりユダヤ人が世界各地に離散します。そして紆余曲折があるのですが、パレスチナの土地にはパレスチナ人が暮らし始めます。

世界中に離散したユダヤ人はキリストを処刑した人たちという歴史を負い、キリスト教の国では差別や迫害を受けます。まともな職にもつけなかったのもあり、ユダヤ人は卑しい仕事とされていた金融業の仕事に就くことになります。

結果的にそれがユダヤ人に富をもたらし、そして高い教育レベルもあって、「パレスチナに戻って、ユダヤ人の国をつくろう」という運動が起こったのが19世紀のことです。それを支援したのが、ユダヤ系財閥のロスチャイルドから資金援助を引き出したかったイギリスです。

ところがそのイギリスは、オスマン帝国に支配されていたパレスチナ地域などのアラブ人に対しても、独立国家の話を持ちかけます。さらにフランスとも密約を結んでおり、パレスチナをイギリスとフランスで分割支配する約束をしていました。

これが現在の中東問題の原点になります。

歴史としては、国連で「パレスチナにユダヤ人の国をつくる」ことが決まり、パレスチナはユダヤ人の国とアラブ人の国に分割されることになりました。アラブ人は自分の国を奪われる形になったので、当然反発が起きて、アラブ諸国がイスラエルに攻め込む、第1次中東戦争が1948年に勃発します。

イスラエルとパレスチナとイランの関係

ここまででも十分に複雑なんですが、イスラエルが建国されるまでの流れと中東問題の原点が把握できました。パレスチナ地域はイスラエルとパレスチナに分割され、そこにユダヤ対アラブの構図ができあがったわけです。情勢が大きく変わったのが第3次中東戦争です。

第3次中東戦争では、イスラエルがパレスチナのすべてを統治下に置くことになります。ただパレスチナ人もアラブ諸国がも黙ってそれを受け入れるわけではなく、パレスチナ解放機構いわゆるPLOがイスラエルに対して抵抗をしはじめます。

この争いが落ち着いたのが1993年のことで、イスラエルとパレスチナが「パレスチナ暫定自治合意(オスロ合意)」が交わします。この合意により、イスラエルとパレスチナの共存を目指すことになり、そう遠くない未来に2国間での和平が起こるという雰囲気がありました。

ところが、あと少しで和平というところで、イスラエルの政治家が、エルサレムにあるイスラム教の聖地「嘆きの壁」に足を踏み入れてしまいます、それをきっかけにしてイスラム教徒が暴徒化。イスラエルの警察が暴徒を鎮圧するときにイスラム教徒に死傷者が出てしまい、そこからパレスチナ人がイスラエルでテロを繰り返します。

イスラエルがパレスチナとの境界に高い壁を建てたことで、テロは沈静化していきましたが、今度はパレスチナ内での分断が起きます。そこで出てくるのがイスラム原理主義組織のハマスです。ハマスはパレスチナの議会選挙に勝利したあと、ガザ地区を支配することになります。

そして、昨年ハマスがイスラエルに大規模攻撃をしかけて、100人以上のイスラエル人を人質にしました。これに対抗するためにイスラエルがガザ地区を攻撃していたのが少し前までの話です。そして、そのハマスを資金面で支援しているのがイランということになります。

ハマスを潰すためにはイランにハマスの支援をやめさせる必要があり、イスラエルがシリアにあるイラン大使館の領事部を攻撃、それに対する報復としてイランがイスラエルを攻撃したというのが全体の流れになります。

イスラエルと米国の関係

ここまでの説明で中東問題の全体像が見えてきたかと思いますが、中東問題の話が出てくるときに、必ずといっていいほど出てくる米国とイスラエルの関係についてもまとめておきましょう。イスラエルになにか問題が起きると、米国がそれを支えるという構図を何度も目にしてきたかと思います。

なぜ米国がイスラエルを支えるのかというと、ひとつは第2次世界対戦時に米国がユダヤ人を救出したという歴史的背景があります。ナチスからユダヤ人を守り、戦争が終わったあとの流れとしてユダヤ人の国をつくり、支えていくのだというのはとてもわかりやすストーリーです。

そして、米国の政治と経済はユダヤ人によって支えられているといっても過言ではないくらい、米国で暮らすユダヤ人が強い影響力を持っています。イスラエルを見捨てるということは、そのユダヤ人の怒りを買うことになるため、ちょっとやそっとのことでは、イスラエル支援をやめられないわけです。

イスラエルを守るということは、米国の存在を守るということであり、国の外交として最優先事項に近いくらい、重要な案件になっているのが現状。ただし、最近の米国は中国とロシア、そしてイランとの外交が最優先されており、イスラエルを中心とした中東問題は後回しされていました。

ハマスはその隙をついた形になります。もしくはロシアや中国と連動している可能性もありますが、そのあたりは専門家ではないので深追いしないでおきます。はっきりしているのは、米国も含めてパレスチナの問題を解決しなければ、中東問題に終わりはないということです。

どちらが正しいという話ではない

自分なりにまとめてみて、かなりすっきりとしました。とても複雑な話ではありますが、歴史的背景や国同士の関係などが見えてきたことで、中東で何が起きているのか、ぼんやりとではありますがわかってきました。実際はまだ他の国も絡んでくるのでもっと複雑なのですが、それはもう少し知りたくなったときにでも。

結局のところどちらが悪いという話ではなく、それぞれに言い分があるということです。テロはよくないこと、戦争はよくないことと口で言うのは簡単ですが、現実はそんなにシンプルではありません。理想を掲げることは素敵なことですが、その理想すら紛争の種になってしまうというのが、中東問題から見えてくること。

これからどういう方向に向かうのかはわかりません。ただ、こうやって時間をかけてでも理解するということだけは続けていこうかと思います。

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