お金があればやれることは増えるけど、お金を持って三途の川は渡れない

政治家の裏金が問題になっていますが、裏金を手に入れようとする人も、それをとやかく言う人もなんともさもしいなと思って情報を右から左に流しています。情報発信者として完全に無視していい話題ではないので1度は頭に入れておきますが、基本的にはどうでもいいことかなと。

政治家が裏金のキックバックがあろうがなかろうが、私の人生に大きな影響を与えませんし、ずるいことをしたい人はすればよくて、したくない人はしなければいいだけ。裏金に限らずずるいことにはリスクがあり、表面化したら罰を受ける。それは政治家に限ったことではありません。

先日、ランニング中に自販機で缶コーヒーを購入したら、自販機が故障したのかとめどなく缶コーヒーが落ちてくるトラブルが起きました。落ちてきた缶コーヒーをすべてもらって、その場から立ち去っていくという選択肢もあったわけですが、私は設置しているお店の人に事情を話して、対応してもらうことにしました。

数千万円と100円ちょっとでは話がまったく違うと思うかもしれませんが、本質は同じです。自分が得すればそれでいいと思うのか、それによって困っている人がいることをイメージできるのかの違いで、それはこれまでどう生きてきたかによって異なります。

別にどちらが正しいなんてことはありません。お金は多ければ多いほどやれることが増えます。たとえば私の年収では宇宙旅行なんてできませんし、砂漠マラソンなどのステージレースにも出られません。飛行機もエコノミークラスしか乗れません。

お金があれば誰かを救うこともできます。私は毎月1万円を15年以上寄付しているのですが、貧しいとはいえ食べていけるだけの収入があるからできることです。年金生活になって収入が年金だけになったら、さすがに寄付はできなくなります。

本当に大事なのは裏金で何をしたか。まさか懐に入れて、夜な夜な飲み歩いているわけでもなく。政治家だと基本的に出ていくお金も多いので、私腹を肥やすなんてこともないのでしょう。ただ収支の問題があるので、帳簿として支出に乗せていない出費に使っている可能性があり、そこの問題のほうが実は大きい気がします。

仮に私腹を肥やすのに使っているのだとすると、それはもう政治家の器ではないという話。お金があればできることは増えますが、お金を持って三途の川は渡れないわけで、どれだけお金持ちになったところでそんなことに1ミリも価値はないわけです。

子どもにお金を残すという思いもあるのかもしれませんが、そういうお金がいい方向に使われることはまずありません。私は遺産というものがどうもしっくりこない人間で、なぜ親の稼いだものを子が引き継げるのかまったく理解できません。

そういうものだとみんな思い込んでいますが、論理的にそれを説明できる人はいるのでしょうか。法律上そうなっているという話ではなく、なぜ法律上そうなっているのかという話です。自分の生活は自分で働いて成り立たせればいいんです。欲しい物があれば自分で働いて買えばいいんです。

でもお金があれば子どものできることが増えるじゃないかというのは正論に思えますが、そもそもできることが増えることが「良いこと」というのがただの思いこみです。私は会社員を辞めて収入が半分以下になりました。当然できることも減りましたが、会社員に戻りたいとは思いません。

選択肢が減ったところで、そもそも選べるのは1つなわけです。10の中から1を選ぶか、100の中から1を選ぶか。お金があるかどうかの違いなんてその程度の話。選択肢が多いほうがいいというのもただの思いこみ。多すぎると正解を見失うことになりかねません。そして、大事なのはいつだって「何を選ぶのか」ということです。

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