先月は1日に約20kmほど走っており、北京に行く前にはかなり疲労が溜まっている状態でした。目的は体重を落とすことでしたので疲労していることはまったく気にしておらず、1ヶ月で1kgずつ落ちていく状態をシメシメと思っていたわけです。
ただひとつだけ見落としている問題がありました。それがオーバートレーニングによる免疫力の低下です。よく体脂肪が落ちると風邪を引きやすくなるという人がいますが、体脂肪の低下で免疫力が下がるといったエビデンスはどこにもありません。ランナーが風邪を引きやすいのはオーバートレーニングになるからです。
ランナーが風邪を引くタイミングとして多いのが、フルマラソンを走った直後。あまりにも高い負荷をかけてしまったことで免疫力が低下し、そんな状態で自宅へ移動することにより、帰宅途中に周りにいた人たちから風邪をもらったりするわけです。
そしてフルマラソン直後でなくても、急に練習量を増やすと免疫力は下がります。私の場合にはかなり強引に走っていたので、当然のように免疫力の壁が低くなっていたわけです。そして北京入りして数日で「なんかおかしい」となってしまいました。
そして万里の長城マラソンでは最初の数十メートルで「これは風邪を引いている」と確信し、翌日は飛行機の機内食でビールを飲まないくらい体調不良になりました。そして自宅に帰ってすぐに寝ようとしたのですが、体が震えだして完全にダウン。
昨日には山を越えたようですが、それでも万全の状態ではありません。さらに階段を降りられないくらいの筋肉痛になったのもあって、昨日はノーランで少し散歩しただけ。こうなってしまうと何のために練習を詰め込んだのかわかりません。
とりあえず今できることは休むこと。筋肉痛が抜けないことにはどうにもなりませんので、しっかり走れるのは数日後になるかと思います。万里の長城マラソンによるダメージは、愛媛マラソンよりも遥かに大きなものとなっていますので。
ただ学んだこともあります。万里の長城マラソンのような段差の大きな階段は、大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)を使っているということ。私の場合、大腿四頭筋はロードのランニングではあまり使わない筋肉です。だから階段マラソンで結果を出すには、この筋肉を鍛えなくてはいけません。
ただ、それをするということはロードで必要のない筋肉を鍛えることになり、ロードでは負担にしかなりません。今シーズンは愛媛マラソンをメインに置いていますので、階段マラソン向けのトレーニングをしてはいけないということになります。
どんな環境においても学ぶべきことはあるものです。そうやって人は成長していくわけです。そのために必要なのは環境を変えていくこと。それは大きな変化でもいいですし、1週間の旅行でもいい。いつもと違うことをすることの先に学びがあります。
もちろんリスクだってあります。おそらく今回はただの風邪ですが、場合によっては中国でおかしな病気をもらってくる可能性だってあります。健康体で中国に行っても、どのようなトラブルが待っているかわかりません。でも経験値とリスクはトレードオフ。
経験が欲しいなら、学びたいならリスクをとる。もっとも私の場合はリスクをとるなんて感覚はなく、とにかく新しい情報を手に入れたいという欲が強いので、何も考えずに突っ走ってしまうのですが。だから間違っても、人に真似してもらいたいなんて思いませんが。