信者:活動を持続可能にするために必要なこと

少し前にSDGsという言葉が流行りましたが、人間にとって持続可能というのはとても難しいテーマのひとつだと私は考えています。会社やイベント、人間関係。すべて持続可能にするために共通してるのは「爆発的な人気を得ないこと」にあります。

人気を得るということは、それだけ多くのファンを抱えることになり、そしてアンチを作ることにも繋がります。だから、爆発的な人気を得てしまうと、持続可能のために活動を縮小するなどして、意図的に人気を落とさなくてはいけなくなります。

乃木坂46などの坂道グループはまさにそれを軸としており、とにかくバズらないことを考えて、それでいてメディアへの露出しつつ、一定の人気を維持しています。AKB48と比較して「ヒット曲がない」と言われていますが、私はそれも狙いだと考えています。


AKB48の人気が落ちていったのは、時代の風潮に合わなくなったというのもありますが、人気が上がりすぎたことも要因のひとつになります。もっとも運営側は、短期間とはいえ大きな稼ぎを得られたので、それはそれで良かったのかもしれません。

ただ、1年に100の利益を得られる状態が10年あるアイドルグループと、1年に50の利益を得られる状態が永遠に続くグループなら、トータルでの利益は後者の方が圧倒的に大きくなります。1年に得られる収益が足りないなら、グループを増やせばいいわけです。

とにかく小さくても持続していくことが大切で、そのためには細く長くが基本となります。栄枯盛衰という言葉がありますように、人気者は必ずどこかで消えていきます。あれだけの人気と影響力を持ったダウンタウンも島田紳助さんも消えていきました。

注目度が高くなると必ず信者というものが生まれます。私のような立場でも、裸足ランニングが盛り上がっていた頃は、信者に近い存在が生まれそうになっていました。派遣社員応援サイトを運営しているときも信者がいて、私の知らないところで小さないざこざがあったと聞いています。

信者ができやすいのはメッセージ性のある発言をしている人たちで、私がRUNNING STREET 365やこのブログで、あまり厳しいことを書かないのは、信者を作りたくなかったからです。信者ができると一時的には人気が上がりますが、持続できなくなります。

先日、横浜で開催されたMrs. GREEN APPLEのライブで、会場からの音漏れがニュースになっていましたが、本来なら「ごめんなさい」で済んだものを、信者が「無料で聞けてラッキー」とか「数時間ぐらい我慢すべき」などとSNSに投稿して火に油を注いで大炎上していました。


信者は信仰対象を守りたい思いでコメントしていますが、実際にはそれが反感を買って、信仰対象を貶める結果になる。これは昔からある流れで、あらゆる分野において、信者は足を引っ張る厄介な存在になります。かつて偶像崇拝が禁じられたのも、行き過ぎた崇拝が既存の権力を脅かす可能性があるためです。

その厄介な存在を生み出さないことが、持続可能な活動において最も重要なことになるのですが、人間には欲望があり、自分が人気者になることを止めることができません。とにかく売れようと頑張ってきて、売れたときにブレーキを踏めないわけです。

人気者になることは破滅への1歩。ただ、そこで謙虚な自分でいられれば、また違った未来が用意される可能性もあります。もっとも私はこれまでに、謙虚さを備えて人気者になった人に会ったことがありませんが。だからやはり、信者を作らないことが大切なのかもしれません。

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