書く仕事:起きた出来事をありのまま伝える勇気

RUNNING STREET 365で「TOKYO ROKUTAI FES 2025」の取材に行ってきました。このランニングイベントは、東京マラソン財団主催の大会で、「TOKYO ROKUTAI FES 2025」→「東京レガシーハーフマラソン」→「東京マラソン」という流れを作ることをひとつの目的としています。

いきなりフルマラソンは無理という人でも、まずは気軽に参加できる「TOKYO ROKUTAI FES 2025」から始めて、ステップアップしていく流れです。東京マラソン財団は東京マラソンだけでなく、このような草の根活動に近いこともしており、日本のマラソン人気やランニング人気を見えないところで支えています。

大きな大会だけでなく、RUNNING STREET 365ではそういう活動も取材しているのですが、今年のROKUTAIでは、そんなこと起きる?というようなことが現場で起きてしまいました。RUNNING STREET 365の記事でも書いたように、最初は女子選手の逆走。

そこから数珠つなぎではないのですが、どうも上手く運営できていない感が強くなっています。こうなるとすごく困るわけです。こちらは「TOKYO ROKUTAI FES」を多くの人に知ってもらいたくて取材しているのに、とてもじゃないですが「素晴らしいイベントでした」とは言えません。

でも、浮かび上がった課題を書いてしまうと、運営側にしてみれば気持ちいい話ではありません。書き方によっては、東京マラソン財団関連やその広告代理店がらみの取材はできなくなる可能性があります。でも、真実を書くのがライターの仕事。

どう書けばいいのかをずっと悩んだ末にたどり着いた結果が上記の記事になります。できるだけ運営批判にならない表現を使いながら、これは良くないということを明確にしました。きっとこれでも出禁になる可能性がありますが、そのような対応をされるなら、それはそれでいいのかなと。

マラソン大会やランニングイベントを取材していると、本当にいろいろなシーンに出会います。過去に書いたものでは、何万PVも広まったこともあります。最近はそういう記事がありませんが、バズりたくて書いているのではないのでそれはそれでいいのかなと。

もちろん多くの人に読んでもらったほうが良いに決まっています。読まれない文章にまったく価値がないわけではありませんが、読んでもらうために見出しで煽ったり、炎上しそうな内容を記載するのは、私のやり方ではありません。

ただ、誰かに忖度して、書くべきことを書かないということも、あってはならないこと。大手メディアはその反対で、忖度せずに記事を書くなんてことは一部の週刊誌を除いてあってはならないこと。この違いがRUNNING STREET 365をメディアとしての存在価値でもあります。


忖度はしないけど、できるだけ誰も傷つけない。本当はそこが理想なのですが、現実としてはそれは無理です。だから今回のような記事を書くときには覚悟が求められます。誰かを傷つける覚悟、傷つけたことによる報復を受ける覚悟。

その覚悟がないなら書かないこと。それが10年間のライティングで学んだことです。私自身も私のメディアも、潜在的にそれなりのアンチがいるのだと思います。それだけのことをやってきたので。でも、それについて後悔しないこと。

ペンは剣より強い。ある面ではそれは事実で、ライターが決して忘れてはいけないこと。だからこそ、ペンを振り回さないこと。できるだけ謙虚にあること。それでも真実だけは曲げないこと。書く仕事というのは、時として厳しい選択を迫られますが、そういうときに迷うことなく道を選べるライターになりたいものです。

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